日産自動車は19日、熊本大学をはじめとする産学官の共同プロジェクトから生まれ、本年2月から熊本市内で実証実験走行を始めるEVバス「よかエコバス」に技術協力を実施したと発表した。
この度、熊本大学が中心に進めている、環境省の委託プロジェクト「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業『EVバス、トラックの普及拡大を可能とする大型車用EVシステム技術開発』」によって開発されたEVバス「よかエコバス」が、1月19日、熊本市で行われたセレモニーで披露された。
CO2削減や排気ガスの排出ゼロなど環境への対策として、一般の乗用車だけではなくバスやトラックなどの大型車両でのEVの普及が重要と言われている。しかし、大型車両のEVは、対応する専用のバッテリーやモーターなどの部品やEVシステムの開発にかかる高いコストが普及への大きな課題と考えられている。
日産は、全国各地の重要な交通機関である路線バスの環境対策に取り組む本プロジェクトに賛同し、世界初の量産型電気自動車「日産リーフ」で培ったEVの開発に関する技術協力を行なった。
今回のプロジェクトは、すでに乗用車に利用されている信頼性の高いバッテリーやモーターを活用することにより、コストを大幅に抑えた大型EV車を製造する技術の標準化を目的に研究が進められた。今回披露したEVバス「よかエコバス」では、「日産リーフ」に使われているバッテリーを3個、モーターを3個(駆動用2個、エアコン等のコンプレッサやポンプを回すための補機1個)、インバーターを中古のバスに搭載し、製造コストを大幅に抑えることが可能になった。開発にあたり日産は、EVの開発に必要な基本技術の提供、EVバス専用のギアボックスの開発、EVシステムに関する技術支援を行なった。
本プロジェクトをリードする熊本大学の松田俊郎准教授は、「全国の車体メーカーで製造できる技術を標準化し、環境面とコスト面のバランスの良いEVバスの普及につなげ、日本全体の環境改善に貢献したい」と語った。
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