2017年9月29日に明らかになった、日産自動車の「無資格者完成検査」問題。日産は問題が明らかになると同時に、販売会社へ出荷した未登録車も含めたすべての車両の登録停止、つまり工場からの出荷停止および販売会社の持つ登録待ちの車両すべての納車を停止しました。
この問題について10月3日夕方、日産自動車の西川廣人社長が会見を行い、現況を報告。本記事ではその内容と様子をレポートします。
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文&写真:ベストカー編集部、NISSAN
■日産のなにが問題だったのか? 本件の背景は?
日産も含めた自動車メーカーは、大量の自動車を生産し、販売する。本来であれば新車の登録は1台1台現車を車検場に持ち込んで法規に合致しているかの検査を受けた上で登録される仕組みなのだが、現実問題としてそのように手順を踏んでいたらディーラーの業務は煩雑になり、また車検場は手一杯となってしまう。
そこで『型式指定』という制度がある。自動車メーカーは新型車を開発するにあたり、国交省に膨大な資料を提出し、排ガスが法規基準に合致しているかであるとか、各部が法令に則って設計されているかなどについて事前に審査を受け、合格することで『型式指定』を受けている。
「完成検査」とは、工場で生産された車両が、この型式指定の仕様通りに生産されているか、あるいはヘッドライトやブレーキ、操舵装置などがきちんと作動するかなどをメーカーの工場で有資格者が検査をして、合格した車両だけが出荷できるというシステム。この完成検査証があれば、ディーラーはいちいち現車を車検場に持ち込むことなく、書類のみで登録業務ができ、ナンバープレートが発行されて新車が納車できるのだ。
完成検査に従事できるのは、一定の技能を持った検査員……なのだが、これは各メーカーが独自に定めた基準によるもので、それぞれのメーカーの従業員があたる。有資格者を国交省に申請し登録しているのだが、あくまでも自社の従業員だというところがポイント。性善説に基づいた紳士協定のようなものだと考えればよかろう。
日産では、栃木工場や追浜工場、九州工場など国内にある6工場すべてで、この完成検査を、社内基準で定める有資格者以外(つまり無資格者)が行っていた、というのが今回の事象である。
■リコール費用は約250億円
10月2日の時点で納車前で登録を一時停止していた車両は約3万4000台になるという。これらについては改めて有資格者による再検査をした上で10月3日より順次登録業務を再開した。
いっぽうすでに登録されユーザーの手に渡った車両については、問題が明らかになった9月29日からさかのぼる3年間、つまり初回車検を受けていない車両約121万台についてリコール対象とし、全国の日産販売会社のサービス工場において車検と同等の検査をすることで対応するという。これらにかかる費用は250億円程度を見込んでいると西川社長は会見で明らかにした。
すでに初回車検を済ませた車両については、車検時に完成検査同等の検査を受けていると言うことで、今回は再検査の対象とはしていない。これは合理的な判断で、これについては国交省との話し合いの中でそのような方法が決定されたと言うことだ。
■無資格者検査が常態化していたのでは?
今回の事象が明らかになったのは、日産車体の工場に国交省の抜き打ち検査が入ったことによる。どのような経緯で抜き打ち検査が実施されたのかは「定期的な点検、検査ではなかったと承知している」(西川社長)といい、それ以上の明言は避けたが、記者からの質問に答える形で「内部告発的なものがあったのだろうと認識している」との見解を明らかにした。
ただどうしても違和感が残る。
ある特定の工場でのみ起きた事象であれば、一部従業員の不祥事ということになろうが、国内すべての工場で同様の事象が起こっていたとなれば、これは無資格者による完成検査が社内的に常態化しており、現場ではそれに対し特に問題意識を持っていなかったと捉えられても仕方がない。このことを西川社長に質問すると、「私もそのように感じざるを得ず、非常にショックを受けている」と語り、「現場で、有資格者が検査をしなければならないという規則に対する認識が多少薄れていたのかもしれない」との見解を示した。
どのような経緯で今回の事象が発生したのか? また、いつからそのようなことが常態化していたのか!? 西川社長は、第三者を含む調査チームによる調査を実施するが、1ヶ月程度はかかるだろうとしている。「もっと早急に調査結果を示すべき度は思うが、自分自身が充分に納得できるまで調査が必要。そのためには最低限でも1ヶ月程度の時間は必要。その上で責任のとり方であるとかを決めたい」と語った。
会見全体を取材した印象では、西川社長の発言や対応などからは「特段に大きな不祥事」、という印象ではなく、ある「好ましくない事象」が発生し、各方面にご迷惑をおかけした、その説明と現況の報告会、との印象であった。
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