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【スバル360でアメリカ4000kmを激走】国沢光宏のグレートレース参戦記その2

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【スバル360でアメリカ4000kmを激走】国沢光宏のグレートレース参戦記その2

 アメリカでもスバル360は大人気!

やってきました、グレートレース初日! グランドスタート会場はアメリカの南東部、フロリダ州ジャクソンビルにあるメインストリートの一角。

【スバル360でアメリカ4000kmを激走】国沢光宏のグレートレース参戦記その1

現地に向かうと、まずはその華やかさに驚く! 今回エントリーした122台のスタートを見届けにきたファンが会場に集まり、路面にはロブスターやレモネードなど、いかにもアメリカらしい出店が並ぶ。まるで町を挙げてのお祭りのような雰囲気である。

そして路上を埋め尽くすアメリカを中心とした海外の名車たちのなかにあって、我らがスバル360は大人気! そのあまりの小ささに驚く人、スペックを細かく訪ねてくる人、写真を撮りまくる人、まるでおもちゃのようだと指を指す指をさして笑う人など、リアクションはさまざまだ。

意外だったのは、スバル360を知っている人が多かったこと。海外のクルマ好きのなかには意外と軽自動車ファンも多いと聞いたことがあるが、スバル360も有名!? なかには「日本からスバル360をもってきてレストアして乗ってるんだけど、欲しい部品があるから手に入れてくれないか」と頼んでくる人まで現れる始末だ。

さて、初日となる今日のコースはおよそ400km。ジャクソンビルをスタートし、決められたルートに沿って走行しながら北上し、ジョージア州にある ティフトンという街を目指す。詳細なコースはスタート時間の30分前に当日分のみを配布するので予習は不可能だ。

またコースを示すのは一般的な地図ではなく、ラリーのリエゾン(タイムを競うスペシャルステージとスペシャルステージの間にある公道の移動区間)でも使われるコマ図。コマ図を読むのは助手席でナビゲーションを担当するコ・ドライバーの役目となるが、今回、コ・ドライバーに抜擢されたのは小島なつきさん。国沢さんも愛用するエアコン用フィルター「エムリットフィルター」のスタッフで、ラリー経験はないが、英語力とやる気、そして「軽量っぷり」を買われて、今回の参加となった。

レギュレーションにより、車内のオドメーターは隠されており、コ・ドライバーが頼れるのは速度計、アナログ時計、ストップウォッチのみ。これらの道具とコマ図を使いながら、いくつか設定されたチェックポイントを通って、規定タイムにどれだけ近いタイムでゴールできるかを競う。トップクラスになると、9日間で4000km以上を走破し、規定タイムとの誤差は1分以内というから驚きだ。

では、いよいよスタート! スタート順が後ろから4番目のため、1番のスタートから2時間近くが立っていたが、それでも多くの観衆が残っていてくれて、大歓声を受けてスタートする。

 トラブルに見舞われるもリタイヤせずに初日を完走

昨日の燃料コックのトラブルも解消し、80km/hくらいの速度で走行(ちなみに絶好調でも90km/hくらいしか出ない)。本日は快調! と思われたが、ジャクソンビルのグランドスタート地点から競技区間のスタート地点に向かう途中でまたしてもトラブルが発生……。急にパワーダウンし、「ヒュ~」という異音が出てきてしまった。

エンジンが焼き付きかけている!? スバル360はガソリンとオイルを一緒に燃やす2ストロークエンジンを使っているが、1964年式はオイル専用のタンクをもうけた分割給油式となっていて、そこが壊れているかもしれないとのこと。ただ、初日は途中でメンテナンスできる時間がないため、ガソリンと2サイクルオイルを合わせた混合油を途中で注入しながら、様子を見つつ走行することにした。

今日のコースは、ジョン M. ベゼア州立森林公園など、豊かな自然のなかを走りながら、北上していくコース。アメリカ大陸の中でも南よりの地域のため、湿気はそこそこだが、とにかく熱い! 今回も途中で気温36℃程度まで上昇したが、スバル360は当然、エアコンなし。エンジンも人間も、暑さとの戦いである。

スローダウンした際には、「リタイヤになるかと思った」と国沢さん。最後まで全開走行ができないような状況だったが、なんとか最後まで走りきり、規定タイムより約6分遅れの108位という順位でゴールした。

またコ・ドライバーとして初めて参加した小島さんは、まず初日はコマ図に慣れてミスコースしないように心掛けたとのこと。細い道に入るポイントを見逃しそうになったり、数十kmと続く長い直線道路で集中力が途切れそうになったりと大変な部分も多かったそうが、なんとか無事にラリーデビュー初日を完走で終了。「何も問題なかったから、明日は全部小島さんに任せる」と国沢さんも合格点を出した。

初日のゴールとなったティフトンの街も、まるでお祭り騒ぎのような状況。大歓迎でスバル360を迎えてくれた。地元の人の話し方にかなり訛りがあるような田舎町だが、まるで映画のセットのような古き良きアメリカの町並みに感動! こちらでも老若男女問わずスバル360が人気で、やはり意外と存在が知られているのが印象的だった。

さて問題のトラブルだが、やはり分離給油装置の不具合だろうとのことで、スーパーメカニックの喜多見さんが、暗くなるまで緊急修理(ちなみに日の入りは夜8時半くらい)。分割給油式ではなく混合式に切り替えて走ることにした。

明日はティフトンを出発し、テネシー州チャタヌーガを目指すルートになっている。果たして、今度こそスバル360を全開で走らせることができるのだろうか!?

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