着実に進化を遂げてきたアイサイトが新たなステージへ
1989年に車載用ステレオカメラの研究を始めたスバルは。その後アイサイトという名で運転支援システムとして開花した。これまで28年間に渡り年を追う毎に運転支援の範囲を拡充させてきたのはご存じのとおり。そのアイサイトがさらに進化してツーリングアシスト機能などを追加し、メディア用の試乗会を実施。その驚くべき最新版アイサイトの実力を体験してきた。
スバルの運転支援システムであるアイサイトはコストパーフォーマンスに優れているだけでなく、世界的にもその実力は認められている。ヨーロッパやアメリカにおいても第三者機関により予防安全でトップの評価が与えられている。
そこで現在のアイサイトバージョン3はどんな機能がついているのかをもう一度ここでおさらいしたい。 アイサイトバージョン3の機能
・ プリクラッシュブレーキ(アシスト含む)
・ 危険回避アシスト
・ AT誤発進抑制
・ AT誤後退抑制
・ 車間距離保持
・ 車線逸脱
・ 車体ふらつき警報
・ 車線保持アシスト(中央維持/逸脱抑制)
・ 全車速追従機能付きクルーズコントロール
・ 先行車発進お知らせアラーム アイサイトは1989年に車載用ステレオカメラの開発から端を発している。今でこそルームミラー脇に備える二つのステレオカメラと小さな膨らみの中に収められたアイサイトの中枢機能のアッセンブリーだが、当初はみかん箱二個にプリント基板を20枚くらい押し込みながら開発を進めていたという。
その後は地道に研究を続けたが、途中何度も開発中止の危機を迎えるも予防安全に賭ける有志の努力によりついに1999年にADA(アクティブ・ドライビング・アシスト)として実用化。しかし60万円以上と言うオプション価格も障壁となり、年間300台ほどという装着に留まった。
2008年には、ようやく世界初のステレオカメラを備えた初代アイサイトとして登場。だが転機になったのは2010年の5代目レガシィで、わずか10万円ほどで装着可能となったアイサイトバージョン2だった。
その安価な運転支援システムは、ユーザーが想像した以上の費用対効果を発揮。今ではレガシィ、アウトバック、レヴォーグ、WRX S4でのアイサイト装着率は100%、フォレスター、インプレッサ、XVでも91%という数字となっている。
今夏登場予定のレヴォーグやWRX S4に搭載
新たに展開するアイサイト・ツーリングアシストは、今年の夏に登場予定の新型レヴォーグとWRX S4に全車標準装備されるというが、いったいどんな機能が備わったのかが気になるところだ。
これまでのアイサイトバージョン3の機能に付帯させたのが、全車速追従クルーズコントロールシステム(ACC)だ。高速道路上の0-120km/h(現在、国土交通省を含めて検討されている高速道路の一部区間による最高速度引き上への対応策)の全車速域で自動アクセルと自動ブレーキで車間距離と車速をキープするだけでなく、新たに0-60km/hまでは自動ハンドル操作で前車を追従し、ゼロ発進時も停車してから3秒以内なら自動で前車に追従して再発進してくるのはかなり嬉しい。
注目は、ハンドル制御を3領域で大きく進化している点だ。
まずは120km/hまでの全車速域で車両両脇の白線をステレオカメラが認識してハンドルを制御し、車線の中央付近を維持して走ることが可能となった。またこれまでインジケータ上で緑色にディスプレイされていた白線認識のカラー表示はブルーで表示されるようになった。
二つ目のハンドル制御の特徴は、車速が40km/h以下となり渋滞などで区画線が見えにくくなったときは先行の車両認識と区画線を組み合わせながらハンドルの制御を行なってくれる。
三つめのハンドル制御機能は、車速が60km/h以下の場合には認識するはずの白線が認識できなかったり、トラックなどで区画線が認識できなくなった時に、先行車を認識して追従するように自動的に切り替えてくれるのである。
新たに追加されたスバルのアイサイト・ツーリングアシストは、さらに充実した車両制御システムの作り込みにより高度で信頼性の高い運転支援システムとなった。
車線キープ率、ハンドル操舵の信頼性、さらにこれまで以上の高い作動率で全車速域(0-120km/h)においてドライバーを助けてくれ、実用的になっていた。衝突回避という「ぶつからないクルマ」機能に加えて、長距離移動や渋滞時でのドライバーなアイテムをユーザーに提供してくれることになる。
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