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ホンダ・シビック タイプRの走りに磨きを掛ける 「無限」チューニングの真髄【試乗】

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ホンダ・シビック タイプRの走りに磨きを掛ける 「無限」チューニングの真髄【試乗】

ホンダ車の個性を際立たせる開発コンセプト

 M-TEC(無限)はホンダ車専用のアフターパーツの製造販売のほか、ホンダとの共同プロジェクトとしてレース活動を実施。他のワークス系チューナー(TRD、ニスモ、STI)とは異なり、ホンダとM-TECに資本関係なし。だが、実態は限りなくワークスチューナーに近い関係にあります。そのようなM-TECの開発に対する姿勢や、パーツ装着車を紹介しましょう。

TRD 新型スープラ試乗、エアロパーツとアルミテープがもたらすチューニング効果を体感

 無限のカスタム用パーツは、車種毎にコンセプトを作って、パーツの開発を行なっているのが特徴で、試乗車のシビック・タイプRは『More”R”』というネーミング。

 展示&試乗車として用意されたN-WGN/N-WGN Customの名前は『我が城、無限N-WGN』であり、SUVのCR-Vには『PREMIUM URBAN SPORTS』、インサイトは『Intelligent Middle Sedan』と、コンセプトにあわせて命名されていました。

 このように、それぞれのクルマのキャラクターに合わせたコンセプトを立てて、それに見合う性能やイメージを持ったパーツを開発しているのです。

「無限を好きな方は、スポーツイメージの強いものを好む傾向にあります。特に存在感やキャラクターなど、他とは差別化したい人に好まれます」と、M-TEC商品開発課の大山さんが言うように、”無限”らしさが各車から感じられます。とくに、シビック・タイプRはまさにその代表と言っていいでしょう。

「無限のファンが、シビック・タイプRに求める『もっと』にお応えできるようなパーツラインナップを設定しています」と大山さん。

 例えば、エアロパーツはボディと同色にしつつ、リヤバンパーは塗り分けすることで、シビック・タイプRの持つ力強さを強調。ちなみにカーボン製角度可変式リアウイングは開発中とのこと。

 また、足元の20インチアルミホイール『MDCF』は、機能性の良さというか、作り込みのこだわりの強さが感じられるパーツ。切削鍛造製法によって軽量化とリム肉厚の最適化が図られ、重量はフロントが2.75kg/本、リヤ3.1kg/本と、純正ホイールより合計で11.5kgも軽量化されています。

 ホイール径や幅もノーマルホイールと同じながらもインセットをフロント45、リヤ53(ノーマルは前後60)へ変更。「操縦性や直進性を高めています」ということですが、そもそも前後で異なるインセットのホイールを用意すること自体が相当なこだわりといえるでしょう。

 また、開発中のエキゾーストシステムはフルチタン製で重量は8.5kg。ノーマルの約半分にの重さに抑えたほか、特に低中回転域のトルク特性を向上させたそうです。

 さらに「クイックシフター」も無限らしい興味深いパーツのひとつ。「シフトレバーの位置を運転席側に14mm寄せています。あとはノーマルと比べて6%ほどショートストローク化。さらにリターンスプリングのバネレートを17.6%アップさせました。他にもマウンティングブッシュをリジッド化するためにゴムブッシュから金属のカラーに変更と、クイックな操作性を目指しました」大山さん。

 というわけで、無限が味付けしたシビック・タイプRをツインリンクもてぎ(栃木県)の北ショートコースで試乗。その印象は、走らせるごと、ハンドルを切るごとに無限のこだわりが伝わってくるようでした。

ボディがひと回り小さく感じた軽快感

 エアロパーツがメインだったため、さほど期待をしていなかった(ごめんなさい)のですが、いざ走らせてみると走り出しが軽く、ハンドルを切ると文字どおり軽いフットワークでスイスイ動いてくれるのです。

 感覚的には”シャキシャキ”とした硬質で素早い動きではなく、純正ダンパー(ザックス製)のしなやかさが上手に生かされていて、しっとりした乗り味の中に、しなやかで応答のいい操縦感があったのです。ボディがひと回り小さく軽くなったかのような感覚で、性能は深いのに、誰でも速く普通に走れてしまう。まもともと5ドアは扱いやすさを備えたクルマですが、懐の広さを感じることができました。

 また、シフトフィールは2速3速を繰り返すときの手応えが抜群。リジットマウント化した効果なのか、カチッとシフト操作が決まるので、コーナーで横Gを受けながらのシフト操作も難なく行うことができます。

 そして、応答といえばエンジンのピックアップも格別。結果的にターボレスポンスも良くなっているのですが、排気効率が向上しているからなのか、アクセルを踏み込んだ瞬間のピックアップに爽快さが感じられたのです。

 感覚的には、ピークパワーが10~20馬力ほど向上したような印象。心地よいサウンドがそう感じさせたのではなく、明らかに高回転に伸びのいい加速感が増していました。

 機能性チューニングアップパーツは、一つずつ装着してノーマルとの違いを味わうと良いと思います。もちろん、そこには性能の高さノーマルとは異なる個性が必要。まさに無限ファンがいう「もっと」が。そういう意味では、無限のパーツは装着して満足度が高いと言えるでしょう。

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