PHEVを8年前から用意していたボルボ
text:Matt Prior(マット・プライヤー)
【画像】V90とV60 A6, Eのワゴンと比較 全117枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
4ドアサルーンやステーションワゴン、SUVへ、いち早くプラグイン・ハイブリッド(PHEV)の導入を図ったボルボ。自動車にかかる税金を減らし、燃費を向上させ、ドイツの主要ライバルより一歩進んだ姿勢は評価を集めてきた。
スウェーデン・ヨーテボリの自動車工場が、PHEVを製造し始めてから8年が経つ。その間に、ライバル・ブランドとのPHEVモデルの競争は、激しさを増している。
英国では社用車として自動車税の制度が見直され、PHEVの重要性は高まっている。量産が進み、車両価格も相対的に安くなりつつある。
ディーゼルエンジンとPHEVとの組み合わせや、ガソリンエンジンとPHEVを組み合わせた高性能仕様など、さまざまなバリエーションに取り組んできたボルボ。そして今回、新しいPHEV版が追加された。大型モデルでは、コストバリューを意識した設定で。
それがT6。V60やXC60だけでなく、V90でも選択できるようになった、パワーが控えめの比較的手頃なグレードだ。
フラッグシップのステーションワゴン、V90としては、一番の稼ぎ柱にはならないかもしれない。しかし、V90のラインナップの中で見ると、スイートスポットと呼ぶべき好バランスに仕上がっている。
V90には、大きなボルボとして伝統的に受け継がれてきた実用性と、ラグジュアリーな車内空間が用意されている。加えて、ユーザーにとってはうれしい四輪駆動でもある。
仕様次第で50g/kmを下回るC02排出量
C02の排出量は、仕様次第で50g/kmを下回る。価格も、メルセデス・ベンツやBMW、アウディのPHEVモデルと比較して競争力に優れている。オプションを選び過ぎなければ。
ボルボV90 リチャージT6のカタログ燃費とCO2の排出量は、ライバルの一部よりはわずかに劣る。その理由は、T8にも採用されていた11.6kWhという、PHEVとしては大きめのバッテリーを搭載するため。
そのかわり、ライバルと比較してEVモードでの航続距離は長い。さらに英国では、課税基準値となるCO2の排出量、50g/kmを切れるという点は大きい。
ただし、追加装備を沢山選択して車重が増えると、燃費も悪化して課税基準値を超えてしまう。欲張りすぎない方が良い。
今回の試乗車の場合、Rデザインと呼ばれるトリムグレードで、オプションの20インチ・アルミホイールと、アダプティブ・ダンパー、エアサスペンションを備えていた。リア側はセルフレベリング機能付きだ。
この内容でCO2の排出量は、50g/kmに収まる。運転支援システムや、テックやラウンジと呼ばれるトリムオプションも、恐れずに選択できる。豪華なB&W社製のオーディオシステムも付けられる。
ここに、例えば牽引フックや、リアシートへヒーターを内蔵してしまうと、英国では年間の税金が高くなってしまう。装備を取るか、税金を取るか、家族と相談することになりそうだ。
現代のボルボ製ワゴンに期待するとおり
筆者はこれまで、T8ツインエンジンと呼ばれるプラグイン・ハイブリッドのボルボを何台か運転してきた。V90のT6は、同じハイブリッドのT8より、多くの面で改善されているように感じる。
フラッグシップとして、T8以上に優れているわけではない。しかし、走行時の快適性や、車外からの隔離感という点では高い水準にある。加えてより静かに、経済的に走行できることは間違いないだろう。
T6が採用するエンジンは、以前のV90 T5が搭載していたものと同じ4気筒ターボで、最高出力は253ps。T8が搭載する、ターボとスーパーチャージャーで過給される2.0Lの4気筒とは異なる。
T6のエンジンはとても静かに滑らかに、始動と停止を繰り返す。高負荷時でも、V90の車内を静かなままに保ってくれる。
力強い電気モーターがリアタイヤを駆動し、5万ポンド(680万円)以上する価格に相応しい、力強さも味わわせてくれる。現代のボルボ製ステーションワゴンに期待するとおり。
ピュア・モードで走らせれは、満充電なら32kmから48kmほどの距離を電気の力で移動できる。距離は、運転スタイルや、その日の気温にも依存する。もしバッテリーが空になっても、14.2km/L程度の燃費は簡単に得られる。
この走行性能が、好感触で丸みを帯びた、大きなボルボ製エステートらしい性格を高めている。どんな利用シーンにも、自然に溶け込むことができると思う。
この続きは後編にて。
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