現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 高性能なだけじゃなくデザインも超絶イケてる! 昭和のFFスポーツクーペ3選

ここから本文です

高性能なだけじゃなくデザインも超絶イケてる! 昭和のFFスポーツクーペ3選

掲載 更新 3
高性能なだけじゃなくデザインも超絶イケてる! 昭和のFFスポーツクーペ3選

■昭和の時代に登場した高性能かつスタイリッシュなFFスポーツクーペを振り返る

 近年、日本車においては、軽自動車からミドルクラスセダン、大型ミニバンまでFF車が主流となっています。その理由は、広い室内空間の確保や優れた走行安定性、コストや重量の削減など、FF車には数多くのメリットがあるからです。

ホレボレするほどカッコイイ! 昭和の美しい車5選

 FF車の歴史は古く、20世紀の初頭にはすでに高度なメカニズムのモデルがつくられ、第二次世界大戦以前には普及が始まっていました。

 日本では1955年に誕生した軽自動車のスズキ「スズライト」が初のFF車で、1960年代には次々に登場。普及が本格化したのは1970年代からで、1980年代には各メーカーの軽自動車、小型車では主流となり、現在に至ります。

 さらに高性能なFF車も昭和の時代には発売されており、なかにはスタイリッシュなデザインのモデルも存在。

 そこで、1960年代、1970年代、1980年代とそれぞれの時代を代表する高性能FFスポーツクーペを、3車種ピックアップして紹介します。

●マツダ「ルーチェ ロータリークーペ」

 マツダは1967年に、世界初となる量産ロータリーエンジン車「コスモスポーツ」を発売。高性能なロータリーエンジンを搭載しただけでなく、そのスタイルは50年以上前にデザインされたとは思えないほど流麗かつ未来感あふれるもので、すべてが先進的なスポーツカーでした。

 その後、マツダはロータリーエンジン車のラインナップ拡大を進め、1968年にロータリーエンジン車第2弾の「ファミリア ロータリークーペ」を発売し、翌1969年には第3弾である「ルーチェ ロータリークーペ」がデビューしました。

 ルーチェ ロータリークーペの外観デザインはマツダ自らが「ハイウェイの貴公子」というキャッチコピーを付けたほど美しい2ドアハードトップクーペで、フロントノーズからボンネット、ルーフ、トランクへとすべてが流れるようなラインによって構成されました。

 また、丸型4灯のヘッドライトを配置した逆スラントノーズを採用し、斬新かつ精悍なフロントフェイスを実現。

 この美しいスタイルだけでなく、搭載されたエンジンは最高出力126馬力(グロス、以下同様)を発揮するパワフルな655cc×2ローターの「13A型」ロータリーで、後に登場した「13B型」と共通の設計ではなく、ルーチェ ロータリークーペ専用に設計されました。

 さらにルーチェ ロータリークーペは前輪を駆動する歴代でも唯一無二のFFロータリーエンジン車となっており、技術的にも特徴的なモデルでした。

 走行性能は公称最高速度190km/hを誇り、まさにハイウェイの貴公子にふさわしい高性能クーペでしたが、価格も非常に高額で、当時の大卒初任給が約3万円だったところ145万円から175万円と、一般庶民には夢のようなクルマといえました。

 ルーチェ ロータリークーペは発売からわずか3年後の1972年に生産を終了し、現存数も少なく、イベントなどでも滅多にお目にかかれない幻のクルマとなっています。

●日産「チェリー クーペ X-1R」

 欧州では1960年代から小型車を中心にFF化が始まり、広い室内空間を確保できる優れたパッケージングが注目されていました。

 そこで日産はそのトレンドを早期にキャッチアップするかたちで、1970年に同社初となるFF車「チェリー」を発売。

 当初のボディバリエーションは2ドアセダンと4ドアセダンで、チェリーはFFのメリットを最大限に生かし、小さなボディながらワンクラス上の「ブルーバード」と同等の広さを誇る室内空間を確保していました。

 そして、1971年には3ドアハッチバックの「チェリー クーペ」が登場。左右後方視界を無視したようなリアサイドの大胆な造形が特徴的で、カタマリ感のあるスタイリッシュなフォルムは大衆車と思えないほどスポーティでした。

 エンジンはFRの「サニー」用に開発された1.2リッター直列4気筒OHV「A12型」をベースに横置きに対応して改良され、トランスミッションをエンジンの下に配置した「二階建て構造」となっており、コンパクトなパワートレインを実現。

 高性能グレードの「クーペ X-1」ではツインキャブ仕様で最高出力80馬力(グロス)を発揮し、さらにトップグレードの「クーペ X-1R」は4輪にリベット留めのオーバーフェンダーが装着され、レーシングカーのイメージから若者にも新時代のFFスポーツクーペとして訴求しました。

 実際にチェリー クーペはツーリングカーレースに参戦を果たし、雨のレースではFRのサニーを打ち負かすなど、好成績を残したほどです。

 その後、1974年に2代目の「チェリー F-II」へフルモデルチェンジし、1978年には実質的な後継車である初代「パルサー」へと系譜が継承され、日産はFF車の拡大を本格化しました。

●ホンダ「バラードスポーツCR-X」

 ホンダは1967年に、同社初の軽乗用車かつFF車の「N360」を発売。最高出力31馬力と高性能な360cc空冷2気筒エンジンを搭載し、広い室内と安価な価格から大ヒットを記録しました。

 その後、1972年には新時代の大衆車でFFの初代「シビック」が誕生し、経済性に優れると共にFF車のメリットをよりアピールしたことで、日米でヒット作となりました。

 そして1983年に、初の本格的FFスポーツカーである「バラードスポーツCR-X」を発売。

 バラードスポーツCR-Xは、3代目シビック、同セダンの姉妹車だった2代目「バラード」と主要なコンポーネンツを共有して開発された3ドアハッチバッククーペで、シビック、バラードよりも3か月ほど先行してデビューを飾りました。

 ボディはシビックよりも180mmも短いホイールベースの非常にコンパクトなサイズで、セミリトラクタブルヘッドライトのシャープなフロントフェイスに、ファストバックのスポーティなデザインを採用。

 トップグレードの「1.5i」に搭載されたエンジンは最高出力110馬力の1.5リッター直列4気筒SOHC CVCCで、現在の水準からすればパワフルなエンジンではありませんでしたが、わずか800kg(MT)と軽量な車体によって優れた加速性能と運動性能を発揮しました。

 この軽量なボディを実現するために、フロントマスク、ヘッドライトフラップ、フロントフェンダー、ドア・ロアガーニッシュ、サイドシルガーニッシュを軽量で耐久性の高いプラスチック製パネルとするなど、技術的にも意欲作でした。

 その後、1984年のマイナーチェンジでは、最高出力135馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒DOHC16バルブ「ZC型」エンジンを搭載した「Si」グレードが追加され、FFスポーツカーとしてのポテンシャルがさらに向上。より実用性が高いシビックSiと人気を二分しました。

※ ※ ※

 国内メーカーの高性能FF車の代表的な存在といえば、ホンダ「シビック タイプR」が挙げられますが、2022年中には新型の正式発表が予定されています。

 先代の「FK8型」は最高出力320馬力を発揮する2リッター直列4気筒DOHC VTECターボエンジンを搭載し、FFでは出力的に限界ともいわれていましたが、新型ではさらなるパワーアップは間違いないでしょう。

 高性能なFF車という存在がすでに貴重ですが、純粋な内燃機関を搭載した最後のタイプRと目されており、大いに注目されています。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
motorsport.com 日本版
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
レスポンス
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
motorsport.com 日本版
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
くるまのニュース
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
AUTOSPORT web
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
くるまのニュース
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
バイクのニュース
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レスポンス
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
Auto Messe Web
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
WEB CARTOP
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
Webモーターマガジン
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
motorsport.com 日本版
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
くるまのニュース
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
バイクのニュース
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
レスポンス
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
WEB CARTOP
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
くるくら
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

3件
  • FFスポーツクーペと限定してる時点で、ルーチェロータリークーペの事を書きたいんだなってわかる。
  • ルーチェのロータリークーペは、実車を見た記憶がないな。
    チェリークーペや初代CR-Xは、今見ると驚くほどコンパクト。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3200.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1680.02480.0万円

中古車を検索
FFの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3200.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1680.02480.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村