この記事をまとめると
■プレミアムでなくても「まるで高級車な走り」が味わえるSUVを紹介
目の付け所はいいのに時代がついてこなかった! 登場が早すぎて消えたSUV5選
■同じモデルでもタイヤサイズによって乗り心地が異なる場合もある
■200万円台から狙える車種もあるので選択肢の幅が広いのが嬉しい
SUVということを忘れるほどの乗り心地!
「オフロードにも強いSUVの乗り心地は悪い……」そんな先入観があるのなら、いますぐ改めたほうがいい。たしかに一部の本格クロスカントリーモデルの乗り心地は乗用車的でないものもあるにはあるけれど、ほとんどの最新SUVは、極めて乗用車ライクな乗り心地、走行性能を持ち合わせているのだ。
ここでは、そんな乗り心地のいいSUVを紹介したいが、さすがに恐ろしく静かにトルキーに走る、1000万円オーバーの電気自動車、ジャガーI-PACE、日本車でもプレミアムブランドとなるレクサスLX、NXといった車種は除外。そう、プレミアムでなくても、「まるで高級車な走りが味わえるSUV」、「オフロードに行かなくても選ぶ価値あるSUV」を紹介したい。
その筆頭は、迷うことなくトヨタ・ハリアーを推す。メイングレードとなるハイブリッドなら「HV Z 4WD」の乗り心地が、大径19インチタイヤ装着にして素晴らしい。「HV Z」のFFは、無論、出足からのモーターによるウルトラスムースな加速感、車速を問わない車内の静かさが印象的だが、19インチタイヤによる乗り心地はガソリン車と比較して重厚かつやや硬め。タイトでスポーティな乗り心地を好むユーザー向けと言えるかも知れない。
では、HVでより乗り心地に振った18インチタイヤ装着車はどうか。「HV G」はたしかに乗り心地面にフォーカスを当てれば19インチよりいいに決まっている。ほとんどトヨタの上級サルーン的な乗り心地だ。そしてパワーユニットが発するノイズも最小限。が、その全体的な静かさが、逆に19インチとは違う、専用開発ではない18インチタイヤの、荒れた路面でのロードノイズの発生を助長。けっこう耳についてしまうのが惜しまれる。ロードノイズの小ささという点では、意外にもより大径、エアーボリュームの小さい19インチタイヤが優れているのだ。
そして、19インチタイヤを履く「HV Z」の4WDに乗ってみると、FFに対して車重が約60kg増しになるため、乗り心地面で有利になり、その静粛性の高さと合わせてまるで高級車のような乗り心地、走りが味わえるのである。
しかし、同じハリアーでも上には上がいる。それはシステム出力306馬力、EV走行可能距離93kmを誇るプラグインハイブリッドのハリアーPHEVだ。その乗り心地、走りはオールシーズンタイヤ(225/55R19)を履いていながら、その路面を問わない乗り心地の良さ、上質さはもはや感動に値し、かつてのクラウンのような滑らかで重厚な高級サルーンを思わせる乗り味を示してくれるのだ。
すでに説明したように、ハリアーはハイブリッドモデルでもトヨタの上級サルーン的乗り味が自慢だが、その上をいく極上の快適感があるということだ。これは、1950kgもの車重、その低重心化に合わせた足まわりでコンフォート寄りのセッティングが施されているからに違いない。
その点、トヨタRAV4のPHEVモデルもハリアーPHEVに近い快適感が得られる1台となる。
上質な乗り心地は200万円台から狙える!
さらにトヨタ車では、224万円から手に入る、カローラクロスも意外なほどサルーン的乗り味を示す。HV車が優位なのは当然だが、しかしガソリン車のZ、2WDグレードでも、出足から濃厚かつスムースでトルキーなエンジンフィールを味わえ、乗り心地はちょっと前のトヨタの高級車並みの上質でしなやかでおおらかなタッチを示してくれる。
意地悪く段差や荒れた路面、ゼブラゾーンを走らせても、高いボディ&足まわり剛性としなやかな足まわりが見事にいなし、フラットな快適感を保ったまま走破してしまうのだから、驚くしかない。とくに低中速域で、そうした印象が強くなる。
走行性能、走破性で一流の三菱アウトランダーPHEVも、「まるで高級車な走りが味わえるSUV」である。自然なドライビングポジション、シートのかけ心地の良さに加え、高出力ツインモーター4WDによるモーター駆動のウルトラスムースかつ力強い加速感、圧巻の静かさ、そしてもちろん高い走破性が自慢だが、乗り心地に関しても、高い車体剛性(部分によって最大40%UP)、足まわり剛性の高さを始め、先代のトレーリングマルチからマルチリンクにグレードアップされたリヤサス、ワイドトレッド化もあって、255/45R20サイズという大径タイヤ(転がり抵抗と燃費に特化したBSエコピア)を履いていながら、じつに滑らかで体にやさしい乗り味を示してくれるのだ。
3ゾーンフルオートエアコンによる前後席の空調環境も文句なし。アウトランダーはいまや三菱自動車の役員も乗られる三菱のフラッグシップモデルなのだから、乗り味の高級感が不可欠でもあるのだ(低速域でキツい段差を乗り越えたときの、足まわりから入ってくる音、振動は要改善だが)。
最後に紹介するのはマツダ車。とくに3列シート仕様もあるCX-8の乗り心地はアメリカンとも言うべきゆったりとしたタッチで、とくに2.2リッタークリーンディーゼルターボは、ディーゼルとは思えない、下手なガソリン車を上まわる全域の振動、騒音の小ささ、伸びやかな加速感、よりトルキーな動力性能、力強い加速感が魅力。低重心感覚ある乗用車ライクな運転感覚(Gベクタリングコントロールも効いている)も好ましい。
また、同マツダ車のクロスオーバーSUV、MX-30の乗り味も、万人向けとはいえ、段差の乗り越えや荒れた路面の走行でさえマイルドで乗員にやさしいタッチを示してくれる。人馬一体、Gのつながりをアピールしているマツダ車としては、回頭感も加速性能も比較的マイルドにしつけられているものの、逆に言えば、誰もが自然に安心して運転でき、同乗者も快適に乗っていられる、上級感ある走りが味わえるということだ。
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みんなのコメント
2023年になっても可哀想な人はいるもんですね