現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > R8へ迫る走りを4ドアで アウディRS7(初代) 560psに実用性を融合 英国版中古車ガイド

ここから本文です

R8へ迫る走りを4ドアで アウディRS7(初代) 560psに実用性を融合 英国版中古車ガイド

掲載 15
R8へ迫る走りを4ドアで アウディRS7(初代) 560psに実用性を融合 英国版中古車ガイド

サルーンの車内空間にスーパーカー級の走り

スタイリッシュでありながら、優れた実用性と高い走行性能を両立させた例ほど、魅力的なモデルはないだろう。アウディR8級の走りに、日常的な使い勝手を求めるなら、RS7 スポーツバックという選択肢がある。

【画像】R8へ迫る走りを4ドアで アウディRS7 スポーツバック 同時期のRS6 アバント 現行モデルも 全119枚

サルーンと同等の車内空間にスーパーカーへ迫る走りを融合し、クーペ風ボディをまとうRS7は、従来的なモデルの存在意義を危うくする。快適に大柄な大人4名を移動させながら、0-100km/h加速を3.9秒でこなせるのだから。

最高速度は、形式的に249km/hでリミッターが掛かる。しかし、新車当時に1500ポンドのオプションを支払えば、304km/hまで引き上げることが可能だった。

低く滑らかなボンネットに収まるのは、休日の早朝に真価を発揮させるのにふさわしい、4.0LのV型8気筒ツインターボ・エンジン。当時のベントレー・コンチネンタルGTとベースを共有し、560psの最高出力と71.2kg-mの最大トルクを叩き出す。

この数字は、同時期のメルセデス・ベンツCLS 63 AMGより50ps以上もパワフル。BMW M6をも上回る。現在でも、これ以上の動力性能が必要になる場面はないはず。

もっとも、RS7の場合は急がずとも実力が表面に表れている。アウディR8と同様に、駐車場に停まっているだけで速く走りそうなスタイリグは大きな魅力。風洞実験で形状を煮詰めたような容姿は、とても印象的だ。

アウディらしく高品質なインテリア

そんな注目度の高い初代RS7だが、欧州で販売が始まったのは2013年。2015年にフェイスリフトを受け、ヘッドライト・ユニットが新しくなり、バンパーの造形がシャープになった。

インテリアはアウディらしく高品質。日常的に触れる場所にはレザーが惜しみなく用いられ、殆ど触れないようなプラスティック製パネルもソフトタッチ加工されている。バング&オルフセンのオーディオシステムも、オプションで用意されていた。

当時のモデルらしく、ダッシュボードには実際に押せるハードボタンが多く、インフォテインメント用モニターは小さく解像度も荒い。内装のデザインは年代を感じさせる。

郊外の一般道でムチを入れれば、10年前のモデルなことはすぐに忘れるはず。アウディのレン・シュポルトという称号を与えられるだけあって、四輪駆動システムが生むトラクションで走る道を選ばない。

知的なトルクベクタリング・システムのおかげで、シャシーの限界に迫っても安定性は失われにくい。ただし、ステアリングホイールには殆ど路面の感触が伝わらない。コーナーでの充足感は、高いとはいえないだろう。

RS6 アバントという兄弟モデルが存在し、実用性では及ばない。RS7は滑らかにカーブを描くルーフラインの影響で、荷室は少々狭い。それでも、リアシート側の空間に不足はない。大きなリアハッチを開けば、家族旅行に充分な容量の荷室が広がる。

スタイリッシュで実用的で、すこぶる速い初代アウディRS7 スポーツバック。R8の4ドア版として、内燃エンジン時代の終わりに楽しむのも悪くはないはずだ。

新車時代のAUTOCARの評価は

シリアスなドライバーは、ステアリングホイールの感触の薄さなど、クルマとの一体感の低さを嘆くかもしれない。しかし、現実的に展開できる圧倒的なスピードが、運転の楽しさを生んでいることは間違いない。

アウディRS7は、国土の広い市場にとっては理想的なモデルといえる。数名の大人と少なくない荷物を、高速で快適に遠くまで移動させることができる、スタイリッシュなクーペ風サルーンだ。(2013年11月6日)

専門家の意見を聞いてみる

アレックス・グリーン氏:フォンテイン・モーターズ社

「アウディRS7はRS6 アバントと兄弟関係にありますが、仕上がりはかなり異なります。動的能力は同等ながら、スタイリッシュで洗練され、上品さが漂いますね」

「コストパフォーマンスが高く、実用性も犠牲にしない高性能モデルをお探しなら、RS7ほど有力な選択肢はないでしょう。RS6 アバントより中古車価格はお手頃という点も魅力です。圧倒的な動力性能と優れた品質が、現実的な費用で手に入ります」

「維持費や部品代は、確かに少々高額です。燃費も良くはありません。しかし、値段と速さを天秤にかければ、これに勝る選択肢はかなり少ないはずですよ」

購入時に気をつけたいポイント

リコール

アウディはリコールを英国で複数出している。その1つは、ターボチャージャー内のエンジンオイルの循環系が詰まり、パワーロスとエンストに繋がる可能性があるという内容。これは2013年から2017年のRS7が対象だった。

もう1つは、エアコンの補助ヒーターのコネクターが正しく接続されておらず、不調や出火に繋がる可能性があるというもの。これは、2014年後半に製造されたRS7が対象。正規ディーラーで対応済みか確認しておきたい。

エンジン

バルブの開閉時間を調整するカムシャフト調整コントロール・バルブが緩み、エンジンの回転が安定しなくなる場合がある。幸い、内部構造へのダメージはないようだ。メーターパネル内の警告灯で、その兆候を教えてくれる。

タイヤとブレーキ

車重がかさみパワフルなRS7なだけに、タイヤやブレーキの減りは速い。購入時には、タイヤの残り溝や銘柄、ブレーキパッドの厚み、ディスク面の状態を確かめたい。メンテナンスに掛けられた予算の判断材料にもなる。

トランスミッション

一部のオーナーは、7速ATの内部から金属音が聞こえることを報告している。予め試乗し、異音がないか確かめたい。もし聞こえるなら別の個体を探すか、英国では5000ポンド(約80万円)ほど掛かる載せ替え費用を準備したい。

知っておくべきこと

この時代のアウディで共通する弱点といえるのが、酸素センサーの寿命が短いこと。数年毎に交換が必要な場合もあり、メーターパネル内の警告灯で教えてくれる。英国での交換費用は200ポンド(約3万円)前後になる。

高性能モデルなだけに、基本的な整備は非常に重要。これまでもハイペースで運転されてきたはず。可能なら、アウディの認定中古車を選びたい。予め過去の整備記録を確かめ、購入後に詳しいショップやディーラーで点検・整備してもらうのも良いだろう。

英国ではいくら払うべき?

2万7000ポンド(約432万円)~2万9999ポンド(約479万円)

走行距離が10万kmを超えるような、フェイスリフト前の初代RS7を英国では購入できる価格帯。複数オーナーの場合が多い。しっかり整備記録は確認したい。

3万ポンド(約480万円)~3万4999ポンド(約559万円)

走行距離が10万km以下へ短くなる。状態も良くなり、保証が付いている例も多い。フェイスリフト後のRS7も含まれてくる。

3万5000ポンド(約560万円)~3万9999ポンド(約639万円)

フェイスリフト前の例なら、かなり走行距離が短くなる。フェイスリフト後でも、走行距離は6万km以下が多いようだ。カーボンパッケージなど、好ましいオプションを搭載する例も英国では探せる。

4万ポンド(約640万円)~4万8999ポンド(約783万円)

走行距離が3万kmを切るような、素晴らしいコンディションの初代RS7を英国では狙える。珍しいボディカラーも出てくる。

4万9000ポンド(約784万円)以上

2016年から2017年式の、モデル末期の初代RS7を英国では探せる。613psを誇った、限定のパフォーマンス・エディションも執筆時に発見できた。

英国で掘り出し物を発見

アウディRS7 スポーツバック4.0 TFSIクワトロ 登録:2015年 走行距離:2万5700km 価格:4万5975ポンド(約735万円)

アウディの正規ディーラーが認定中古車として売るRS7。走行距離はかなり短く、1万ポンド(約160万円)以上のオプションが装備されている。状態は間違いないだろう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ベストカーWeb
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
ベストカーWeb
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ベストカーWeb
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
ベストカーWeb
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
AUTOSPORT web
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
AUTOSPORT web
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
くるまのニュース
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
AUTOSPORT web
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

15件
  • ワイドアンドローでフルタイム四駆はこの車種だけ。
    こんな特徴ある車種は他にないよ。
    当時海外インプレでR8の4ドアだとまで言われた名車。
  • 新型になってから売れなくなっちゃったからね。この頃が一番かっこよかった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1891.01980.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

328.01990.0万円

中古車を検索
RS7 スポーツバックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1891.01980.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

328.01990.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村