高速道路でも出没する「クマ」
全国でクマの出没件数や、人身被害の発生の増加が深刻化していますが、それは高速道路でも同様のようです。北海道の高速道路を管轄するNEXCO東日本北海道支社の管制センター(札幌市)で、その対応の現状を聞きました。
高速道路に出没する動物で、クルマなどへの被害が大きい大型なものは、シカとクマが挙げられますが、どちらも件数が増えているようです。
北海道管内でシカの出没事案は2023年度に375件、事故やロードキルも87件起きているとか。これに対し、クマは同年度の出没件数44件、事故・ロードキル件数も4件あるといいます。
動物が出没するのは、主に土工部です。道路の周りの法面などに防護柵を設置しており、北海道ではその高さを1.4mから2mに上げているとのことですが、それでも、シカは「飛び越えてくることがある」、クマは「上ってしまう」のだそうです。
クマ被害は夏に増加。ただ、高速道路に出没するのはたいてい、子グマだといいます。防護柵を上ってしまうのは、わんぱくゆえの側面があるとのこと。
本線に出没した場合は、その区間を通行止めにしているといいます。そしてパトロールカーが急行するものの、結局は「見守るしかないんです」と、苦労を語りました。
一方、SA/PAで出没した場合は、ただちに札幌の管制センターからエリア内へ放送を行い、避難を呼び掛けているといいます。
対策としては、侵入防止用に「電気柵」を導入したり、「モンスターウルフ」と呼ばれる、音と光を発するオオカミを模した“かかし”のようなものを導入しているものの、抜本的な解決には至っていないといいます。
高速道路は管制センターで24時間365日、その状況が監視されており、ある程度、守られた空間といえます。しかしながら、一般道でも目撃例が相次いでいます。もし警戒標識などがあれば、スピードを落として走行するなどの対応が必要かもしれません。
ちなみに、北海道の高速道路で特にクマの出没が多いのは、道央道の八雲IC、落部IC付近や、奈井江砂川IC付近だそうです。
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地元民は危険箇所は他車と走らず常にハイビームでペース落とす。
ハイビームなら目が光り、事前に対応できる場合も多い。