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ホンダも弱気な新型アコードはオワコン…ではなく意外な美点も発見

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ホンダも弱気な新型アコードはオワコン…ではなく意外な美点も発見

ミドルクラスセダンはオワコンのイメージが悩みだが…

新型アコードに試乗する機会を得ることができました。ホンダ青山ビルを10時半に出発して、16時半までに戻ってくるという条件なので、かなり遠くまで行くことも可能です。

というわけで、昨年末に開通した渋谷入口から首都高速3号線に進入、そのまま東名高速方面に向かい、目指すは新東名の制限速度120km/h区間。片道200km以上になってしまいそうですが、6時間あれば往復できるだろうという読みです。高速走行における新型アコードの快適性や、アコードが採用する2モーター型フルハイブリッド「e:HEV」の120km/h巡行でのフィーリングなどをチェックしていきます。

さて、新型アコードのプロフィールをざっと説明すると、パワートレインは前述のように2.0Lハイブリッドで、基本的にモーターで駆動するタイプ。ただし、高速道路では条件次第でエンジンでダイレクト駆動するモードをもっているのが特徴です。車体サイズは全長4900×全幅1860×全高1450mm、ホイールベース2830mm。車両重量は1560kgとなっています。グローバルにいうとDセグメントのセダン。かつてはメインストリームのカテゴリーでしたが、最近は世界的にみても勢いが衰え、いわゆるオワコン的なイメージも強くなっているのが、このサイズのセダンに共通する悩みでしょうか。

そのため新型アコードもルーフ後端をなめらかにするなどクーペ的なシルエットを取り入れ、セダンの堅苦しいイメージを、スタイリッシュやスポーティといった要素に変えようとしているのが見て取れます。とはいっても、日本仕様はモノグレード設定で、数が売れるモデルでないことはメーカーも認識している模様。価格は465万円で、ガラスサンルーフや18インチアルミホイール、ナビゲーションシステムなどは標準装備。もちろん、先進運転支援システムであり、先進安全機能である「ホンダセンシング」も標準装備です。

今回の高速走行ではホンダセンシングに含まれるACC(追従クルーズコントロール)やLKAS(車線中央維持ステアリングアシスト)といった機能をフル活用。そうした面も含めてドライバーの疲労度などを確認していきます。

高速区間はWLTCモード燃費と同じ22.8km/Lを記録

新設計のプラットフォームを用いるフルモデルチェンジによって着座位置を25mm下げたというパッケージ変更が効いているのか、低く座っているというのは高速巡行での疲労軽減につながります。たしかに視点が高いほうが視界は広がりますが、その反面ロールやピッチングが気になる部分も出てくるもの。とくに120km/h巡行のようなシチュエーションでは実感が強まります。

ちょっと意外だったのは120km/h巡行時だけでなく、ほぼ全域においてエンジンのダイレクト駆動とモーター駆動を切り替えながら走行していたこと。ただ、そうした切り替えはインフォメーションディスプレイの表示を見ないとわからないレベルです。スポーツカーのような刺激はないので、その意味ではつまらないと感じる面もあるかもしれませんが、高速クルーザーとしてパフォーマンスに不満を感じることはないハイブリッドシステムといえます。

新型アコードでは電子制御の可変ダンパーシステムによってコンフォート/ノーマル/スポーツという3つのモードで、サスペンションやパワートレイン、ステアリングフィール、エンジンサウンドといった要素の味つけをトータル的に変えることができるのですが、高速巡行ならコンフォートがおすすめ。サスペンションが段差などをいなしてくれるのでスムースで気持ちよく走ることができるのです。一方、スポーツモードはサスペンションからのコツコツとした突き上げが気になるほか、パワートレインのメリハリが強くなるため、街中をキビキビと走りたいときに向いているという印象でした。

往復400kmの試乗でもっとも感心したのは燃費性能でした。メーター表示の区間燃費はWLTCモードと同じ22.8km/L。ミニバンやSUVは車体の前面投影面積が大きくなりがちで、高速になるほど空気抵抗が増えるので燃費の落ち幅も大きくなりますが、全高が低いセダンにはそうしたネガはありません。そのため高速巡行時の燃費が優秀だということは想像していましたが、120km/h巡行を筆頭に大人しく走ったわけではなく、これだけの実燃費が出たのは予想以上。アコードはレギュラーガソリン仕様なので、高速移動が多いユーザーであれば経済的メリットもありそうです。

そんなわけで、自動車のカテゴリーとしてはすっかりオワコン化しているセダンのニューモデルであるアコードですが、高速走行でのアドバンテージがあることが確認できました。それだけで465万円という価格に見合うだけの価値があるかといえば微妙かもしれませんが、ハイブリッド用バッテリーなどを後席下にレイアウトすることでトランク容量も573Lと広く、またトランクスルーを実現するなど、積載性も劣っているわけではありません。また、ラゲッジスペースをトランクとして切り離したことでノイズの侵入が抑えられキャビンの静粛性が高いことも、セダンボディのメリットでしょう。

なお、高速走行の疲労軽減に欠かせないADAS性能については、先行車との距離を保ち、速度を調整するACC機能はこのカテゴリーとしても優秀という印象。モーター駆動ならではの微妙なコントロールは、とくに減速時において機械ブレーキではなく、モーターの回生ブレーキをうまく使っていたという印象です。一方、ホンダではLKASと呼ぶ車線中央維持ステアリングアシスト機能については、現代のクルマとして標準レベルという印象で、特筆するほどの良さも、目立った欠点もないといったところでした。

そうそう、肝心の疲労度ですが、ほとんど疲れを感じなかったというのが正直なところ。長距離移動が多いユーザーなら、アコードのようなミドルクラスセダンという選択肢を検討する価値は高いと思います。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

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みんなのコメント

120件
  • このクラスのセダンは世界的にオワコン?アコードに関してはいまだドル箱でしょう。
    日本でセダンがオワコンというのはその通り。
  • こういう小馬鹿にしたような記事タイトル、何とかならんの?

    バイトか契約社員か知らんが、ウェブ自動車メディア記者ふぜいが、ほんと失礼だよなあ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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