マンタイ・レーシングの25周年記念
text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
【画像】マンタイとコラボレーション【特別仕様車を911 GT2 RSと写真で比較】 全93枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
新型ポルシェ911 GT2 RSクラブスポーツ25は、マンタイ・レーシングの25周年を記念して製作された、非常に限定的で強烈なサーキットマシンだ。
ベースとなっているのは、991世代の911 GT2 RSクラブスポーツ。6月のニュルブルクリンク24時間レースで勝利した911 GT3 Rの、「グレロ」と呼ばれるマンタイ独特の鮮やかなカラーにインスパイアされた特注のカラーリングが施されている。
生産台数はわずか30台で、価格は52万5000ユーロ(約6800万円)から、納車開始は1月を予定している。
2019年に発売されたレトロな外観の「935」と同じ3.8Lフラット6が採用され、7速PDKを介して700psをリアアクスルに送り出す。また、サーキットでのパフォーマンス向上を目的とした改良が加えられている。
例えば、中央に配置された大型のラジエーターは、長距離走行時のエンジン冷却性能を強化し、熱によるダメージを防ぐ。また、フロントウイングレットによりダウンフォースが強化され、エアロダイナミクス最適化のためアンダーボディは完全にフラットになっている。
印象的なのは、フロントボンネットに設けられた2つの巨大な通気孔が、フロントから取り入れた空気をルーフから大型のリアウイングに送ることだ。リアウイングは新型911 GT3と同様に吊り下げ式となっており、強力なダウンフォースによりリアアクスルを路面に押さえつける。
ユニークなヘッドライトデザインも、クラブスポーツ25の特徴だ。マンタイがル・マンを制した911 RSRに採用されていたものにインスピレーションを得て、このクルマのために特別に開発された「4ストライプ」のライトデザインは、「効率的にサーキットを照らす」という。
独特のキャラクターを表現
1996年にオラフ・マンタイがレーシングチームを設立して以来、マンタイとポルシェは密接な関係を築いてきた。
マンタイは、現在ニュルブルクリンクの市販車ラップレコード(6分43秒3)を保持している911 GT2 RSのチューニングでも知られている。
マンタイ・レーシングのマネージング・ディレクターであるニコラ・レーダーは、次のように述べている。
「ポルシェ・モータースポーツと共同で設計・開発した特別仕様車911 GT2 RSクラブスポーツ25により、マンタイは25年の歴史の中で新たな節目を迎えました。このモデルは、当社の基本理念である『より完璧に近づける』ことを見事に体現しています」
「チューニングにおいては技術的な機能が優先されています。911 GT2 RSクラブスポーツ25が独自のキャラクターを持っているのはそのためであり、わたし達のブランド価値である『率直、細心、柔軟、妥協しない』を反映するものでもあります」
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