5月10日、前日よりベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催されているWEC世界耐久選手権第3戦『スパ・フランコルシャン6時間レース』のフリープラクティス3回目(FP3)が行われ、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車ポルシェ963(ケビン・エストーレ/アンドレ・ロッテラー/ローレンス・ファントール)が全体ベストタイムをマークした。
4名の日本人ドライバーが参戦するLMGT3クラスは、マンタイ・ピュアレクシングの92号車ポルシェ911 GT3 R(アレックス・マリキン/ジョエル・シュトーム/クラウス・バハラー)が予選前最後のプラクティスで一番時計を記録している。
【タイム結果】2024年WEC第3戦スパ・フランコルシャン FP3
9日(木)に開幕したWECスパは、予選日のレースウイーク2日目も晴天に恵まれた。全長7.004kmのグランプリコースでは定刻の11時00分より60分間のプラクティス3が開始され、シグナルグリーンにあわせて待機していた全37台のマシンが次々にトラックへ繰り出していく。
ハイパーカークラスでは大半のマシンが序盤に予選シミュレーションを実施。初日のFP2でここまでの週末ベストとなるタイムを叩き出したエストーレ駆る6号車ポルシェ963をはじめ、51号車&50号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)、母国レースに臨むドリス・ファントールの15号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT)、TOYOTA GAZOO Racingの7号車と8号車トヨタGR010ハイブリッドなどが2分04秒台のタイムで上位に並んだ。
このアタック合戦の様相は、レ・コンブで82号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(TFスポーツ)がスピンを喫したために導入されたフルコースイエロー(FCY)によって断ち切られる。セッション開始15分後から6分間続いたFCYの解除後は多くのマシンがロングランの確認に移行している。
チェッカーまで残り9分の段階で2度目の短いFCYが出されたほか、残り5分を切ったところで起きた38号車ポルシェ963(ハーツ・チーム・JOTA)のブランシモンでの激しいコースオフや2号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラックVシリーズ.R)のスピンが見られたFP3は結局、序盤に2分04秒125を記録した6号車ポルシェがトップで終了。51号車フェラーリが0.215秒差の2番手につけた。3番手は2分04秒357をマークした93号車プジョー9X8で、50号車フェラーリ499Pを1000分の17秒上回った。
地元ベルギーチームのWRTが運営する15号車BMWが5番手。第二の“ホーム”で戦うトヨタの7号車と8号車は2分04秒473と04秒511で6番手&7番手となり、8番手となった35号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)までが2分04秒台に入っている。
LMGT3クラスは終盤にタイムの更新があり92号車ポルシェに乗り込んだマリキンが、暫定トップにつけていた85号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(アイアン・デイムス)を破ってクラス首位でFP3を終えた。
現在ランキングトップにつけているマンタイの1台は2分20秒947というタイムを刻み、ライバルに0.261秒の差をつけてみせた。小泉洋史組82号車コルベットはコース上でのストップから立ち直り、こちらもセッション終盤に自己ベストタイムをマーク。エースのダニエル・ジュンカデラが2分21秒594を刻みクラス3番手に食い込んだ。
4番手以下は54号車フェラーリ296 GT3(ビスタAFコルセ)、91号車ポルシェ911 GT3 R(マンタイEMA)、60号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(アイアン・デイムス)、27号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3(ハート・オブ・レーシングチーム)と続き、クラス8番手となった59号車マクラーレン720S GT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ)までがトップから1秒以内に入っている。
佐藤万璃音組95号車マクラーレンは直後の9番手だ。その他の日本勢は、宮田莉朋組78号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)がクラス12番手、姉妹車で木村武史が乗り込む87号車レクサスは18番手。Dステーション・レーシングの777号車アストンマーティンは17番手となっている。
ル・マン24時間レースの“前哨戦”に位置づけられるWECスパは、このあと現地14時45分(日本時間21時45分)より、決勝レースのスターティンググリッドを決定する予選とハイパーポールが実施される。
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