2021年のWSBK(スーパーバイク世界選手権)王者であるトプラク・ラズガットリオグル(BMW)は、2025年シーズンにMotoGPへ転向する可能性があり、3つのブランドからオファーが届いているという。
ラズガットリオグルのMotoGP転向はこれまでも度々噂が持ち上がってきた。2024年6月現在新たに噂されているMotoGP転向説は、彼の母国トルコの政治家であり、WSSチャンピオンで今はマネージャーを務めるケナン・ソフォーグルが、現所属のBMWとの間でWSBKを離れ来年MotoGPに参戦するオファーを受け入れる交渉を進めていると表明したことが火元となっている。
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ラズガットリオグルは2024年にBMWへ移籍したばかり。既にBMWでも優勝を記録し、先日行なわれたエミリア・ロマーニャ戦ではレース1、スーパーポールレース、レース2の3レース全てで勝利してBMWの歴史に名を刻んだ。ランキングでも暫定トップを走っており、今年再びチャンピオンとなる可能性は十分あるという状況だ。
そして彼とBMWは2年契約を締結している。そのため、ソフォーグルの前述の発言を受けて、BMW側も声明を発さざるを得なかった。そこにはこう記されている。
「我々はトプラクと共にWSBKで達成している成功を嬉しく思っている。今シーズン、そして来シーズンと我々は契約を結んでおり、これ以上の憶測を煽るつもりはない」
BMWは今回の憶測に対して憤りを示しており、マネージメントするソフォーグルに対しても叱責している。そしてこの事態を受けてソフォーグルはMotoGP転向についてのトーンを弱め、あくまでもBMWとの話し合いを重視する姿勢を示すようになった。
「我々はBMWと2年契約を結んでいて、全てが上手くいっている。順調に進んでいることから、トプラクはMotoGPへの夢を真剣に見始めた。彼の良好なパフォーマンスはMotoGPのチームからも多くの興味を惹いている」
motorsport.comトルコ版にソフォーグルはそう語った。
「ふたつの要因が組み合わさって、トプラクは『今MotoGPへ行きたい』と言い始めた。(MotoGPの)チームもトプラクを希望している。ここまでは全て順調だ。しかし我々はBMWとの合意を尊重しなくてはならない。私とBMWとのミーティングでは、トプラクがこれまでやってきた仕事を終えた後、MotoGPへ行きたがっていることを伝えた」
「BMWはまだ我々に明確な回答は出していない。もしBMWが『トプラクは引き止めたい。契約を尊重しよう』となったなら、我々はそれを尊重するだろう」
ソフォーグルはそう語る一方で、離脱の可能性はあるとも釘を刺した。
「契約の詳細についてはあまり説明したくないが、我々には離脱の可能性もある。しかし我々はこれまでの契約でも『契約は破棄だ。別の場所に行くぞ』なんて態勢をとったことはない」
「しかし、もし互いが合意して問題がないのなら、我々はMotoGPへ行けるだろう。トプラクを欲しがっているチームらがあるんだ。交渉はあった。ただそこでは毎回、『BMWが許可を出せばいけるが、そうでないなら行けない』と伝えてきた。BMWとの関係が終わるにしろ、全ては今後数週間で決まってくる」
そして当事者たるラズガットリオグルは、motorsport.comトルコ版に対し、MotoGP転向の可能性について次のように語った。
「ケナンと一緒に決定を下している。たしかに僕は今、9割MotoGPのことを考え始めている。それが来年になるか、2026年になるかは時間をかけて見ていくことになる。会って話をしているチームもあるんだ」
「でもそこに公式な合意があるわけじゃない。もし実現するなら、来年(MotoGPに)行きたいし、そうでないなら2026年に行くことを考える。全てが望み通りに行けば、2週間ほどで全てが明確になってくるだろう」
「BMWとは2年契約を結んでいるけれど、2025年にMotoGPに行きたいと思っている。もちろんBMWはハッピーではないだろうし、彼らがそう思うのはよく分かる。でも僕のキャリアを考えると、できるだけ早くMotoGPへ向かったほうが良いだろう」
なおラズガットリオグルは自らに興味を持っているMotoGPのチームについては、それがどこかは明らかにしていない。
ただ、その中のひとつはヤマハだということは認めている。一度WSBKでは袂を分かってしまったが、変化がいい方向に進んだのかもしれない。
「彼らは話をしているブランドのひとつだ。良いオファーとプロジェクトが共に来たら、MotoGPでもあるかもしれない」とラズガットリオグルは語る。
「ケナンは3つのブランドと話をしている。これまでのシーズンでもMotoGPからオファーを受けたけど、さほど真剣ではなかった。今は違うチームが僕を欲しがっているんだ」
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