マークX “GRMN”は2015年に限定100台で発売され好評を得たが、それから約3年を経て進化を遂げた2代目が350台の限定で2019年3月に発売される。この6速MT搭載の大排気量セダンを松田秀士レポーターがミニサーキットで全開テストした。
新型マークX GRMNは、インテリアも走りも大人っぽくなった
2015年に100台限定で発売された「マークX GRMN」が第2世代へと進化した。さっそくミニサーキットで開催された試乗会に参加したので、その詳細を紹介していこう。
えっ! ナンバープレートに、アルファベットが入っているのはなぜ?【くるま問答】
初代は86 GRMNを生産したトヨタ自動車の元町工場で100台限定生産された。元町工場の持つ専門性の高い生産技術によってカーボンルーフが標準装備され、ロッカー部分に16点のスポット溶接増しなどを行い、ボディ剛性をアップ。
それに合わせたサスペンションのチューニング、エンジンの最適化などが行われて、走りに特化したモデルとして好評を得た。
今回の2代目は3.5L V6エンジンのコンピュータをさらに最適化しながら、6速MTなどの基本コンポーネンツをキャリーオーバーしている。
大きく進化した部分は3点。まず1点目はスポット打点を増加してさらにボディ剛性を高めたこと。2点目は6速MTのディファレンシャルギア比を最適化。3点目はレクサスESなどにも採用されている新開発のスイングバルブアブソーバを採用したこと。
では新旧モデルを乗り比べながら、その違いをレポートしよう。旧型は、86 GRMNでも話題になったカーボンルーフが標準装備だが、これは新型ではオプションとなった。カーボンルーフの有無による重量差が10kg。車体のいちばん高いところでの10kgという差は大きい。
カーボンルーフに関しては元町工場で製作しているのがポイント。以前に86 GRMNの生産現場を見学したが、カーボン成形の技術力が高く、またフィッティング技術も高い。
走行中にこの点での大きな差は感じられなかったが、リアタイヤがグリップを失ってからカウンターステアで修正する時の修正舵が少なく、滑っている時間も短い。タイヤのサイズと銘柄は同じだから、ボディのコントロール性が向上しているように感じる。
いちばん大きな違いを感じるのは、ディファレンシャルギア比がこれまでの4.083→3.615へとハイギアード化されたこと。じつは、このサーキットには旧モデルの方がギア比が合っているので、この点に関しては高速道走行など多目的ユースを睨んだ変更だろう。
もうひとつ、乗り味が変わった。普通に乗った場合、サスペンションがソフトになったと感じるだろう。これは新アブソーバの採用によるものだが、減衰のごく初期を強くしてタイヤへの面圧をしっかりかけて応答を上げ、その先の乗り心地に効く領域をソフトにしているのだ。
このためロールが深くなったように感じるのだが、高速コーナーでの限界レベルが上がり、限界域での滑り出しがマイルドになっている。
内装に目を向けると、ウルトラスエードだったステアリングは本革仕様に変更され、各種ステッチもシルバーで統一。旧型のスパルタンな走りも今なお魅力的だが、新型はインテリアを含めて、走りそのものが大人っぽくなったと感じられた。(文:松田秀士/写真:井上雅行、トヨタ自動車)
マークX GRMN 主要諸元
●全長×全幅×全高:4795×1795×1420mm
●ホイールベース:2850mm
●重量:1560kg
●エンジン型式・種類:2GR-FSE・V6DOHC
●排気量:3456cc
●最高出力:318ps/6400rpm
●最大トルク:380Nm/4800rpm
●燃料・タンク容量:プレミアム・71L
●トランスミッション:6速MT
●タイヤサイズ:前235/40R19、後255/35R19
●価格(税込み):513万円
[ アルバム : マークX GRMN はオリジナルサイトでご覧ください ]
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