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Mk8.5へ進化! フォルクスワーゲン・ゴルフへ試乗 ステアに「ボタン」復活 マルチな実力を底上げ

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Mk8.5へ進化! フォルクスワーゲン・ゴルフへ試乗 ステアに「ボタン」復活 マルチな実力を底上げ

ドイツの高い製造品質が表れた容姿

自動車業界で、謙虚に成功を積み重ねてきたモデルの1台といえるのが、フォルクスワーゲン・ゴルフ。欧州では、圧倒的な販売数を誇ってきた。かつては15年連続で、この市場での最多販売モデルに君臨していたほど。

【画像】マルチな実力を底上げ! Mk8.5 VWゴルフ 競合クラスのハッチバックたち 全137枚

8代目の発表は2019年で、基礎骨格はMQBプラットフォーム。ファミリー・ハッチバックのアイコンでありつつ、歴代で最も大胆に再定義へ挑んだ内容といえた。

ハイブリッド・エンジンに、デジタル化されシンプルな内装、洗練された乗り心地と操縦性、高度な運転支援システムが、現代的で上品なスタイリングに包まれていた。

そんな8代目もモデルライフの半分が過ぎ、フェイスリフトの時が来た。バッテリーEVへ注力する同社だが、内燃エンジンで走るゴルフも大切な存在なのだ。

小改良後の英国仕様では、115psか150psの1.5Lと、203psの2.0Lという、4気筒ガソリンターボをラインナップ。GTIも2.0L 4気筒だが、20ps増しの265psを獲得しつつ、MTが選択肢から省かれた。

スタイリングは、ボンネットのプレスラインが際立った。シャープになったヘッドライトは、光源が標準でLEDに。フロントバンパーやVWのロゴ、テールライトの点灯パターンなども一新。アルミホイールのデザインは、5種類が追加されている。

ライバル以上に、先進的な容姿というわけではない。しかし、ジョルジェット・ジウジアーロ氏が描き出した初代に通じる要素が、巧みに散りばめられている。上品で不快な印象は残さない。ドイツの高い製造品質が、カタチに表れたようだ。

ステアリングにハードボタン復活 反応も良し

サスペンションは、150ps以下のグレードでリアがトーションビーム式になるが、それ以外は前後とも独立懸架式。ダンパーは若干引き締められ、サブフレームとリンク、ブッシュ類も改良を受けた。

オプションのアダプティブダンパーは、状況に応じて減衰力が変化し、乗り心地や姿勢制御を改善。左右個別に硬さを変えることで、敏捷性も高められる。トルクベクタリング・システムも、このダンパーと協調して機能する。

ステアリングラックは、上位グレードで可変レシオが組まれる。今回の小改良で、固定レシオも若干クイックになった。

車内を見ていくと、ステアリングコラムとシートの調整域が広く、ベストな運転姿勢を探しやすい長所は変わらず。空間の広さはクラス最大ではないが、競争力は高い。低コストを感じるプラスティック製部品が点在するとはいえ、知覚品質も優れる。

ダッシュボードなどのデザインは、改良前と変わらず。批判を受け、ステアリングホイールからはタッチセンサーが消え、実際に押せるハードボタンが復活している。

インフォテインメント用タッチモニターは、標準が10.4インチ、オプションは12.9インチと、従来から約2インチ拡大。メーター用モニターは10.4インチで、同社最新のMIB4システムが稼働する。

ソフトの反応は素早く、メニュー構造も新しい。高解像度化され、位置も若干変わり、晴天でも見やすくなった。音量や温度の調整を担うタッチセンサーは、イルミネーションを獲得。これも反応が良くなった。

洗練された1.5TSI 鋭く非常に正確な操舵感

試乗車は、1.0L 3気筒ガソリンターボから1.5L 4気筒ガソリンターボへ変更された、115psのゴルフ 1.5TSI。最大トルクは22.3kg-mで、レスポンスに優れ粘り強い。トランスミッションは6速MTで、0-100km/h加速は9.9秒だ。

マイルド・ハイブリッドとの相性は、7速デュアルクラッチAT(DSG)の方がスムーズさで勝る。それでも、MTでも爽快に加速し、走行中の車内は静か。かなり控えめなハイブリッドだが、低域でのトルクは予想以上に太い。

フェイスリフト後の8代目ゴルフでは、1.5TSIの洗練性は最上位レベル。動力性能は若干物足りないものの、高速道路では、右足を僅かに傾けるだけで素早く20km/h程度上乗せできる。

DSGは、マニュアルモード時の変速が若干遅め。Sモード時は、回転数を引っ張りすぎる傾向があるようだ。それでも、それ以外の印象は素晴らしい。

ステアリングホイールは適度に重く、鋭く反応し、非常に正確。姿勢制御も優秀で、安定した操縦性が運転する魅力を作っている。

コーナーでの回頭性は、ステアリングの切り始めは比較的穏やか。僅かなロール(左右方向)やピッチ(前後方向)の傾きが、シャシーの状態を理解するのに役立つ。

さらに90度ほど回していくと、機敏なシャシーが顕になり、軽快さが楽しい。スタビリティ・コントロールの介入は優しく、望めば少しのスライドも許してくれる。

乗り心地を重視するならマルチリンク式

16インチ・ホイールでの乗り心地は、路面の凹凸が巧みに吸収され良好。しかし115psの場合、アダプティブダンパーが組まれるダイナミックシャシー・コントロール(DCC)は選べず、荒れた区間では振動とノイズが大きめだ。

18インチでも、目立った乗り心地の変化はない様子。若干、車内のノイズが大きく感じた程度だ。

もしゴルフをお考えなら、オプションのDCCは検討したい項目の1つ。滑らかな乗り心地と、ダイナミックな操縦性を両立できる。そうすれば、比較的お手頃な価格帯にある、実用的で洗練され、運転も楽しめるハッチバックへ仕上がるだろう。

150ps以上のリアに組まれるマルチリンク式サスペンションなら、さらに上質。落ち着いた乗り心地を実現している。予算が許すなら、こちらを指定したい。

飛び出たマンホールなど、鋭い入力をしっかり吸収し、高速道路ではしっとり。それでいて、引き締まった姿勢制御も犠牲になっていない。

試乗で気になった点が、車線維持支援機能。エンジンを始動するたびに自動でオンになり、高精度な操舵感に介入してくる。オフにすれば、優れた直進性で反応を予想しやすい、いつもの印象へ戻る。

運転支援システムは、歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキにアダプティブ・クルーズコントロール、道路標識読取り、ドライバーモニターなどを実装。オプションで、レベル2に準じた車線維持支援が装備される。いずれも効果的に機能していた。

燃費も優秀 従来の強みを維持し快適性は向上

ゴルフ 1.5TSIの燃費は、今回の平均で21.2km/Lに届いた。運転の楽しさを備えたハッチバックとして、優秀な結果といえるだろう。

従来通り、優れた経済性と実用性、洗練性を高度に叶え、運転する楽しさも享受できる8代目ゴルフ。成功モデルとしてのハードルは高いが、フェイスリフト後はインテリアも一新され、操作性が良くなった。快適性も向上したといっていい。

◯:洗練されたマイルド・ハイブリッド 快適性を犠牲にせず、僅かに引き上げられた操縦性
△:若干煩雑になったスタイリング 伝統的な強みといえた、高品質さがもう少し欲しい

フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5TSI(欧州仕様)のスペック

英国価格:2万7035ポンド(約546万円)
全長:4284mm
全幅:1789mm
全高:1456mm
最高速度:202km/h
0-100km/h加速:9.9秒
燃費:17.2-18.5km/L
CO2排出量:122-132g/km
車両重量:1304kg
パワートレイン:直列4気筒1498cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:115ps
最大トルク:22.3kg-m
ギアボックス:6速マニュアル(前輪駆動)

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みんなのコメント

4件
  • П П
    0-100km/h加速9.9秒で546万円もするの?
    シビックタイプRどころかスイスポにもボロ負けアルトワークスといい勝負だな。
    アウトロー自動車メーカーだからまた何か悪い事してて、買ってから悪事が発覚するとゴミになってしまう可能性がある。賢明な日本人なら手を出さないメーカーでしょう。排ガス検査の不正プログラミングで信用は地に落ちているのに値付けは強気という不思議。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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