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デジタル化、電動化、運転支援、進化するVWのハッチバック「ゴルフ sTSI Active」

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デジタル化、電動化、運転支援、進化するVWのハッチバック「ゴルフ sTSI Active」

 フォルクスワーゲン(VW)の「ゴルフ」といえば、1974年にデビューしたFF、2BOXのコンパクトカー。当時、イタリアの新鋭デザイナー、ジウジアーロが手がけたボディーは、直線主体の2BOX 2/4ドア(メーカーは3/5と表現していた)で、後にルーフを切り取ったカブリオレも加わっている。ゴルフはドイツ国内をはじめ、EU各国でベストセラーカーになった。米国でも販売された。日本に、初代が登場したのは1974年。日本でも「ゴルフ」の人気は高まり、たちまち輸入車の車名別ランキングで首位に立った。

 初代が発売されて以降「ゴルフ」は世界中のコンパクトカーを生産している自動車メーカーのクルマづくりのお手本になった。最新モデルは8年ぶりに2021年に新しくなった8代目。新型の開発コンセプトは「デジタル化」「電動化」「ドライバーアシスタンスシステム」の3点。これらが大幅に進化した。

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 パワーユニットは、ガソリン3種、ディーゼル1種が、2BOXハッチバックとステーションワゴンに分けられている。ガソリンは直3、1.0ℓと直4、1.5ℓ、直4、2.0ℓターボ。ディーゼルは直4、2.0ℓターボ。いずれも7速DSG(セミAT)と組み合わされ、マニュアルミッションの設定はない。

 今回試乗した「eTSI」には、直3,1.0ℓターボが搭載されている。最高出力110PS、最大トルク200Nmを発生する。このエンジンと1.5ℓエンジンは「電動化」で48Vベルト駆動式スタータージェネレーターとリチウムイオン電池を組みあわせたマイルドハイブリッドシステムが投入されている。スタータージェネレーターは、スターターのほかに小型電動モーターやジェネレーターとしての役割も果たしている。スタート時のエンジンをサポートすることで、力強い発進が可能になった。

 実際にモーターは13PS、62Nmの力を発揮し、スタート時などでのアシストを行なっている。この効果が最初に体感できるのは、アイドリングストップからのスタート時だ。3気筒、1.0ℓという小排気量、アンダーパワーなエンジンのはずなのに、スタートショックと音が全くない。しかも走り出しからのトルク感も分厚い。むしろ、エンジン音に関しては、加速中の1500回転あたりのほうが大きく感じる。走行中にアクセルオフにすると、ほとんどの状況下で、エンジンが停止し、コースティングに入る。状況によって再びエンジンが始動するが、これはエンジン回転計を見ていなければわからない。それほど、音、ショックがない。

 今回のテーマのひとつ、デジタル化だが、デジタルメータークラスターを標準装備した。各操作系も機能に応じて、タッチスクリーンやタッチスライダー、ボタンを操作することで行なうのだが、タッチ式というのは、運転者が走行中に操作をするのに、目で確認しなければならないので、クルマの操作系としては安全性の視点から疑問だ。早くボイスコントロールにしてほしい。

 7速ATはシフトレバーは、つまみぐらいに小型化され、コクピットは広く感じる。8代目の「ゴルフ」は、フロントマスクからサイドビュー、テールにかけて、「ゴルフ」らしさを保ちつつ、アップデートされたデザインを踏襲している。ボディーサイズは7代目と大きく変わっていない。全幅も1.8m以下(1790mm)に抑えられているので、都会の立体駐車場での使い勝手もよい。

 室内も前席の着座位置をレバーで上げても圧迫感もなく、乗降時に頭がドア開口部にぶつかることもない。後席の着座位置はやや低め。床のトンネルは大きく、前席のコンソールが張り出しているが、頭上のスペースは十分。身長180cmクラスが座ることができる。後席は背もたれが4対6で分割前倒しになり、アームレストだけでも荷室とつながる。前倒しした背もたれはやや斜めだが、広い荷室スペースになる。

 荷室だが、左右幅は1m以上あり、奥行は約750mm、床下はフルサイズのスペアタイヤが収納されている。動力性能は、スタートからの軽快さで、直3、1.0ℓのターボエンジンは6200回転までスムーズに上昇する。Dレンジ7速の100km/hの巡航は2000回転。0→100km/hの加速は10秒なので、決して速くはないが、中間加速と中間速度域での軽さが楽しめる。スポーティなファミリーカーという位置付けでいいだろう。

 ただし、ノーマルモードでのハンドリングは、やや重め。コーナーでの抵抗も強めなところは、ドイツ車らしい剛堅さが感じされる。それでも、街中での実用燃費は、12~15km/ℓ、高速巡航では18km/ℓ以上を達成しているので、燃費性能に不満はない。

「ドライバーズアシスタンシステム」も初採用の同一車線内全車速運転支援システムは、210km/hまでの作動が可能。ハンドルは静電容量式センサーを採用し、前走車と車間や自車の走行レーン中央維持をサポートしてくれる。そのほかクラスを超えた装備を標準にしている。1.5ℓのターボエンジンはアイドルストップからの始動時の音や振動はやや大きく、0→100km/hの加速もDレンジで8秒台と、1.0ℓターボよりも速いのだが、5000回転あたりのエンジン音の高まりはノイジーだ。さらに燃費に関しても、試乗期間中12km/ℓに達することはなかった。「ゴルフeTSIアクティブ」の車両本体価格は338万9000円。ファミリーの足代わりに使うのならば、1.0ℓターボで十分だ。



■関連情報
https://www.volkswagen.co.jp/ja/models/golf.html

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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みんなのコメント

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  • 今時、横置き1L 直3ターボで12〜15km/Lははっきり言って燃費悪過ぎだろう。VWが会社ぐるみの不正をしてまでディーゼルを激推ししていた理由が分かる。縦置き2Lボクサー四駆のインプレッサでさえ、もう少しまともな実燃費というのは悲しすぎる。
  • ナンチャッテハイブリッドじゃ、話にならん。
    だからEVに走ったものの、挫折気味。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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