短い期間で改良を繰り返すマツダ。製品を常にリフレッシュすることで商品力を向上させることが狙いだ。12月3日、CX-5とCX-8の改良が行われたのだが、この改良が大きいものだったので、マツダ3、マツダ6とともに紹介しよう。
特別仕様車「ブラックトーンエディション」についてもご紹介!
納車2年待ちの大人気! ミツオカの「バディ」はなぜそれほどまでに支持されたのか!?
【画像ギャラリー】改良でその輝きを取り戻せるか?? CX-5 CX-8ら新型車をギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年12月のものです
文/ベストカー編集部、写真/MAZDA、ベストカー編集部、撮影/茂呂幸正
初出:『ベストカー』 2021年1月10日号
■CX-5&CX-8 一部改良 新世代「マツダコネクト」搭載!
●CX-5/CX-8 一部改良ココがポイント!
・2.2Lディーゼルの最大出力が向上(190ps→200ps)
・マツダコネクト新世代化
・CX-8上位グレード質感強化
まずはCX-5、CX-8共通の改良内容から。CX-5は2019年12月以来の改良、CX-8は2019年10月以来の改良となる。大きいところでは、走りの改善としてSKYACTIV-D2・2Lの最高出力が強化された。
CX-5の外装は特に変更はなし。新マツコネ搭載に伴い、内装が一部変更されているぞ
ディーゼルのパワーアップは走り好きには嬉しいかぎりだ
これまでは190psを4500回転で発生させていたが、10psアップの200psとなり、4000回転で発生させることになった。より低回転域から最高出力が発生するので、よりパワフルな走りとなる。
2.5L/2L NAガソリンエンジンも制御が変更され、追い越しや信号発信など素早く加速したいシーンでよりドライバーの意図に応じた加速をするようになった。
マツダ3から採用されている新世代のマツダコネクトが今回の改良モデルから搭載されることに。
MAZDA3から登場した新世代マツダコネクトを搭載!
新世代マツダコネクトの採用で、コマンダーも新世代に対応。マツダ3搭載のものとは、HDMI入力端子の被災用など一部機能が違う
一新されたUIデザイン、ナビ性能の向上やコネクテッドサービスへの対応など、改良前から大幅な進化を遂げている。
画面サイズはマツダ3と同じ8.8インチのほか、より大型化された10.25インチも用意されておりこれも嬉しいポイントだ。また、360度モニターもCX-5/CX-8の全グレードで標準装備された。
CX-8の上位グレード「Exclusive Mode」に新設定された「プラチナクォーツメタリック」。光の当たり方や角度によってほんのりとホワイトゴールドっぽい色に見える
リアデザインは変更なし。パワーゲート用のセンサーがバンパー底部に追加された
ここまでが共通の改良内容。ここからはCX-8だけに追加された改良内容を紹介する。
「ハンズフリー機能付きパワーリフトゲート」「ワイヤレス充電」が新たに採用されたほか、上位グレードのエクスクルーシブモード、Lパッケージの質感が向上した。
CX-8に追加されたハンズフリー機能付きパワーリフトゲート。このように足をリアバンパー底部のセンサーに近づけるとリアゲートが自動で開く
グリルデザインもこの2つの上位グレードはデザインが変更され、ブロックメッシュパターンが採用されてより質感が高まった。
Exclusive Mode。フロントグリルがブロックメッシュパターンに、色はガンメタリック
Exclusive Mode。内装はナッパレザーにオーバーンとピュアホワイトの2色が用意される
L Package。フロントグリルがブロックメッシュパターンに、色はグロスブラック
L Package。内装はレザーにブラックとレッドの2色が用意される
エクスクルーシブモードにのみ設定される新外装色プラチナクォーツメタリックは上品で美しい。ソウルレッドと違い、オプション費用がかからない。
強力なライバルが多いSUV市場でCX-5、CX-8は輝きを取り戻せるか?
■マツダ CX-5 20S PROACTIVE 主要諸元
・全長×全幅×全高:4545×1840×1690mm
・ホイールベース:2700mm
・最小回転半径:5.5m
・車両重量:1520kg〈1610kg〉
・エンジン:直4DOHC〈直4DOHCディーゼル+ターボ〉
・排気量:1997cc〈2188cc〉
・最高出力:156ps/6000rpm〈200ps/4000rpm〉
・最大トルク:20.3kgm/4000rpm〈45.9kgm/2000rpm〉
・トランスミッション:6AT〈6AT/6MT〉
・WLTCモード燃費:14.6km/L〈17.4km/L・6AT、19.5km/L・6MT〉
・価格:290万9500円〈322万8500円〉
〈〉はCX-5 XD PROACTIVE
■CX-8 25S PROACTIVE(6人乗り)主要諸元
・全長×全幅×全高:4900×1840×1730mm
・ホイールベース:2930mm
・最小回転半径:5.8m
・車両重量:1750kg〈1830kg〉
・エンジン:直4DOHC〈直4DOHCディーゼル+ターボ〉
・排気量:2488cc〈2188cc〉
・最高出力:190ps/6000rpm〈200ps/4000rpm〉
・最大トルク:25.7kgm/4000rpm〈45.9kgm/2000rpm〉
・トランスミッション:6AT
・WLTCモード燃費:12.4km/L〈13.8km/L〉
・価格:344万5200円〈382万8000円〉
〈〉はCX-8 XD PROACTIVE(6人乗り)
■MAZDA3も一部改良! SKYACTIV-Xがパワーアップ! 通称「SPIRIT1.1」デビュー
●MAZDA3 一部改良ココがポイント!
・SPCCI燃焼制御を最適化し、e-SKYACTIV Xの性能向上
・1.8Lディーゼルも出力向上
・ACCの作動上限車速引き上げ
マツダ3も11月19日に一部改良された。登場以来不満を挙げる人が多かったエンジンパワーの部分にメスが入った格好だ。
スプリング、フロントバンプストッパーの特性変更、ダンパーの減衰特性変更により車両応答の質感とダイナミクス性能(走る、曲がる、止まる)を向上させた
マツダ内部で「スピリット1.1」と呼ばれていた改良型SKYACTIV-Xがe-SKYACTIV Xと名称を変えて搭載。
ACCが高速域に対応したのも嬉しい。はじめからそうしてほしかったと感じる人も多いだろう
SPCCIの燃焼制御を最適化することで、ほぼすべてのエンジン回転域でトルクと出力が向上し、最高スペックも180psから190psに、トルクも22.8kgmから24.4kgmとなった。
この改良、なんと改良前モデルにもソフトウェアアップデートにて無料適用する方向で現在マツダが検討中とのこと。
SKYACTIV-D1.8も改良され、最高出力が116psから130psに向上。3000回転より上でよりトルクフルになり、パワフルな加速が持続的に続くようになる。
180ps/22.8kgm→190ps/24.4kgmへと最高出力/最大トルクが向上したe-SKYACTIV X。アクセル操作に対する応答性も向上し、加速感アップ
100周年特別記念車の2020ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー受賞記念モデルも登場。外装色はソウルレッドクリスタルメタリック。受賞記念モデル専用オーナメントがつく
ほかにも、サスペンションの改良により車両応答の質感を向上させたほか、6速MTをSKYACTIV-G 2.0に追加、55km/hまでしか動作していなかったACCを、それ以上の高速域にまで対応させた。
大幅な進化を遂げたマツダ3、日本での売上を伸ばせるか注目だ。
●MAZDA3 X L Package諸元表
・全長×全幅×全高:4460×1795×1440mm
・ホイールベース:2725mm
・エンジン:直4DOHC+スーパーチャージャー+モーター〈直4DOHCディーゼル+ターボ〉
・排気量:1997cc〈1756cc〉
・最高出力:190ps/6000rpm〈130ps/4000rpm〉
・最大トルク:24.4kgm/4500rpm〈27.5kgm/1600-2600rpm〉
・モーター:6.5ps/6.2kgm〈─〉
・トランスミッション:6AT/6MT〈6AT〉
・価格:338万463円〈297万3055円〉
※〈〉はXD L Package。最小回転半径、車両重量、WLTC燃費の値はメーカー準備中
CX-5、CX-8、MAZDA3 価格表
■MAZDA6も一部改良!
マツダ6もCX-5、CX-8と同じ12月3日に一部改良が施された。
内容は、外装色にポリメタルグレーメタリックが追加(100周年特別記念車を除く全車)されたほか、100周年特別記念車に2.5Lターボエンジンを追加設定した。
CX-5やCX-8に投入されたエンジン改良や新型マツコネは、次回以降の改良までお預けか?
MAZDA6の100周年記念車のベースは25S LパッケージとXD Lパッケージだったので、ガソリン派には待望のターボ追加となる
■CX-5/CX-8/MAZDA6/MAZDA2に設定 ブラック基調のスポーツスタイルが登場!!!
●「特別仕様車ブラックトーンエディション」ココがポイント!
・待望のスポーツスタイル追加
・各車種、価格は最量販であるL PackageとPROACTIVEの間に設定
CX-5、CX-8、マツダ6、マツダ2に、スポーツスタイルの特別仕様車「ブラックトーンエディション」が追加された。
撮影車両はポリメタルグレーメタリックだったが、CX-8専用色のプラチナクォーツメタリックを除く全カラーから選択できる
これは2020年1月に開催された東京オートサロンでマツダが出展した「モータースポーツコンセプト」を特別仕様車に落とし込んだクルマたちだ。
グリルとアルミホイールがブラック塗装されるほか、ブラックのシートに赤のステッチを入れてグッと大人スポーツに仕上げた。
こちらはCX-8の内装。CX-5、MAZDA2も同じテイストとなる。ハーフレザーシートは座り心地がよく、赤のステッチがオシャレにキマっている
マツダ6のみ、既にブラックのシートがあるため、今回はバーガンディカラーのシートにグレーのステッチを採用する。
マツダ6のフロントシート。バーガンディカラーのシートはかなり攻めた配色で所有欲をくすぐられる仕上がりになっている
特別仕様車ブラックトーンエディション価格表
* * *
こうして現行マツダ車のラインアップを並べて見てみると、ほんの15年ほど前は「大幅値引きといえばマツダ」と言われていた頃が遠い過去の話に思えてくる。
イメージを統一した高級感ただようデザインと一本筋の通った走行性能で、マツダはあきらかに「ハイブランド化」の道を狙っていることがよくわかる。
もちろんそうした路線の成功には「イメージ」が重要であり、現時点ではまだ足りないところや追いついていない部分もある(マツダ3の一部のグレードは価格に比べて質感がやや追いついてなかったり、各販売店営業マンの対応は「高級車を売る店員」と言うにはちょっと物足りないと感じるところもある)。
それでも、マツダのこうした一歩ずつ高級路線を進む姿勢は高く評価したいし、成功を祈りつつエールを送りたい。
【画像ギャラリー】改良でその輝きを取り戻せるか?? CX-5 CX-8ら新型車をギャラリーでチェック!!!
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みんなのコメント
乗り潰すのならCX-5のディーゼルでも良い様な気がしてきたな。