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ポールスター2 詳細データテスト 過剰ではないハイパフォーマンスEV 運動性も快適性も高い足回り

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ポールスター2 詳細データテスト 過剰ではないハイパフォーマンスEV 運動性も快適性も高い足回り

はじめに

吉利傘下のボルボから派生した、プレミアムEVブランドのポールスターは、多忙になろうとしている。今後1年半で、3/4/5の3モデルが発売され、これまでよりフルラインナップメーカーへと近づく。しかし、そうなっても、すでにEVシフトを果たした走り志向のドライバーに向いたブランドであり続けるのだろうか。

【画像】写真で見るポールスター2とライバル 全15枚

今回のテスト物件は、その点でポールスターにとっての柱となるモデルだ。これはクロスオーバーハッチバックである2の、フェイスリフト前のラインナップにおける特別なパフォーマンスバージョンだ。

競合するのは、フォード・マスタング・マッハE GTやキアEV6 GT。しかし、フィロソフィはそれらと異なり、もっとトラディッショナルなパフォーマンスカーのユーザーにより響くクルマとなっている。

2021年、ポールスターはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで1台のプロトタイプを公開した。それは、2のポテンシャルの限界を探る、徹底したドライバーズカーだった。

ポールスター2エクスペリメンタルと銘打たれたそれは、幅広く、かなりエキゾティックにアップグレードされたシャシーやサスペンション、ブレーキシステムを用い、限定モデルとしての市販化への大きな期待を呼んだ。その結果が、今回のBSTエディション270だ。

英国導入台数はたったの40台。ポールスターは表面的には同じクルマに異なるカラーやトリムを与えたBSTエディション230を追加して、品薄状態の是正を図るとアナウンスしたが、それも少数に限られる。

意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆

ポールスターほど、シャシーやサスペンションの開発に専念する設計者に率いられた自動車ブランドもないのではないだろうか。しかし、よりスペシャルなニッチモデルである2BSTエディション270は、サスペンションやボディのアップグレードやモディファイに投じられたコストと労力が、そのキャラクターを明確にしている。

ポールスターの狙いは、ドライバーとクルマとの一体感のクオリティを、ライバルよりも深く意義深いものにすること。そのひとつが、ひたすら胃袋を押し付けるような加速力ばかりを高めるのではなく、もっと幅広い速度域で評価できるクルマに仕上げることだ。

BSTバージョン270は、カタログモデルのロングレンジ・デュアルモーター・パフォーマンスパックと同じ永久磁石同期電動機を積む。最高出力は476ps、最大トルクは69.4kg−mで、キアEV6 GTの585psには水を開けられている。0−100km/h加速は、テスラ・モデル3パフォーマンスAWDの3.1秒に届かない。

モーターそのものと同じく、トルクベクタリングのソフトウェアやモーターの調整にも変化はない。しかしBSTエディション270のサスペンションに、ポールスターは全力を投入した。車高は25mmダウンし、コイルスプリングはパフォーマンスパックより20%ハードだ。

ホイールも新規設定で、前後幅が半インチ異なる鍛造21インチ。タイヤは専用開発のピレリPゼロ・エレクトだ。その裏側には、パフォーマンスパックと同じブレンボの4ポットキャリパーを装着。加速性能は向上していないが、車両重量の上乗せもない。

大きく進歩しているのはダンパーだ。フロントには、オーリンズの特別な2ウェイ調整式ダンパーを採用。普通ならモータースポーツの世界でしか見かけない、リザーバー別体タイプだ。リアには、内製のデュアルフローバルブ式1ウェイ調整ダンパーに再チューンを施している。

さらに専用装備しているのは、アルミのフロントストラットバー。ただしリアには、ポールスター2エクスペリメンタルに見られたようなブレースは備わっていない。

ちょっと驚いたのは、とくに軽量化が施されていないことだ。公称重量は2113kg、テスト車の実測値は2161kg。このサイズのドライバーズカーとしては、かなりの重さだ。

内装 ★★★★★★★★☆☆

パワートレインと同じく、インテリアも無理に手を加える必要はないという作り手の主張が聞こえてくるようだ。だいたいにおいて、それで済んでいる感じだ。なぜなら、ポールスター2の室内は、デビューから3年経っても変わらずに見た目も感じも心地よく、考え抜かれた設えで、素材的にはシンプルだがそれでも魅力的な場所だからだ。

シンプルさとエルゴノミクスのみごとさは、このクルマの変わらぬテーマだ。着座位置は思ったより低く、寝そべり気味なドライビングポジションが取れる。クロスオーバーというよりスポーツセダン的でうれしくなるくらいだ。

操作系のレイアウトとディスプレイの大きさは、うまくやりくりされている。センターコンソールからセンタートンネルにかけては無駄なものがなく、収納スペースとして利用している。操作系は主要なものも二次的なものもすべてが大きめで、エルゴノミクス的にも上々の出来。ずんぐりしたオーディオの音量調整ノブにも、それは明らかだ。

エネルギー回生レベルを調整できるパドルは備わっていない。いっぽうで、使い勝手に関してオミットされているものはほとんどない。収納部も多く、シートを挟んでドアポケットの反対側にもポケットがある。贅沢なデコレーションがないのも逆にいい感じで、混乱も見られない。

フロントシートはアップグレードされていないが、おそらくすでに横方向のサポートを十分確保するように造られていて、走り向きな感じはそれなりにある。同時に、きわめて快適でもある。ただし、ちょっとフラットで、ポールスターの特徴であるブロンズ色のシートベルトを装着しても味気ない感じはする。

前席スペースは背の高い乗員にとっても上々で、後席はヘッドルームが大人にはやや不足気味だが、レッグスペースは広い。荷室はこのクラスとしては平均的だが、固定用のフックやストラップが備わり、床下のストレージもかなりの容量がある。

走り ★★★★★★★☆☆☆

これが加速性能で最速のEVではないことをおわかりいただくのに、長々と説明する必要はない。なにしろ、これはそのつもりで造られたクルマではないのだから。われわれが計測した競合モデルの0−97km/h加速タイムは、BMW i4 M50も、ジェネシスGV60スポーツ・プラスも、フォード・マスタング・マッハE GTも、このポールスターより速かった。

とはいえ、それでもポールスター2 BSTエディション270が遅いと感じることはまったくない。スロットルペダルの調整には、おなじみの円熟味や連続性があり、シャープなレスポンスとイージーで直観的なドライバビリティのバランスもみごとだ。

ローンチコントロールモードもあり、クルマを静止させたままモーターのパワーを少し上げようとすると、ほぼ偶然にそれが立ち上がる。しかし、それを使おうと使うまいと、発進のしかたにはほとんど差がない。

ほぼドライなコンディションでは、完全オフにはできないスタビリティコントロールとトラクションコントロールを弱めに調整しても、前後どちらもホイールスピンの兆候すら出ない。強まったボディコントロールは、気付くほどのスクウォットが出るのを防ぐ。

だから、発進から力強い直線加速まで、ほんのちょっとのスパイスも感じられない。あまりにもスムースで、暴力的な感覚を鎮めている。ドラマティックさも、エキサイティングさも、ほどほどにすぎない。

しかし、速度が上がっても、ライバルのいくつかよりハードな加速をキープする。80−161km/hは5.3秒で、ポルシェ・タイカンRWDパフォーマンスパックの5.8秒を凌ぐのだ。

ポールスターは、速いEVを送り出す多くのメーカーが、ドライバーに一体感をもたらすような方法を避けた。回生ブレーキを調整するパドルがないので、コーナーが近づいたときにエンジンブレーキのような減速を意図的に使うことができない。また、切り替え式の合成エンジン音も用意しなかった。

だから、パワーソースに関わろうという欲求をかき立てる要素はなにもない。ただそこにはシームレスなパワーデリバリーがあるだけで、爆発的なスタートダッシュをすることも、特別なクライマックスを用意することもない。

BSTエディション270は、右足の踏み込み具合に対してひたすらリニアに加速する。ブレーキは、EVにありがちなファジー感こそあるものの、制動力は十分すぎるほどだ。現実的な実力のあるパフォーマーだ。おもしろみには欠けるが。

使い勝手 ★★★★★★★★★☆

インフォテインメント

縦型画面のインフォテインメントシステムは、はじめからスマートフォン、とくにGoogleとAndroidとの接続を考慮した設計だ。ソフトウェアはAndroidベースで、いったんGoogleアカウントを同期すれば、Googleベースのスマートフォンとの統合がベストだ。なお、iOSのApple CarPlayは有線接続のみ対応する。

このシステムのAndroid/Googleが基礎となるソフトウェアはまた、音声認識とコネクテッドナビゲーション機能の有効性を高めていて、どちらもベリーグッド。3年間のデータストリーミング接続料金は車両価格に含まれており、オンラインでの音楽ストリーミングなどが利用できる。

実体のカーソルコントローラーのようなデバイスは用意されていないが、メニューの階層構成がうまく、アイコンが大きいので、画面上でのタッチ操作も容易。腕を軽く伸ばせば届く位置にあるのも、操作性を高めている一因だ。

燈火類

LEDピクセルライトは標準装備。ハイビームでの照射距離も、ロービームの広さもすばらしい。アクティブビーム機能は、必ずしも周囲の眩惑を心配しないでいいものではなかった。

ステアリングとペダル

ペダルは足元のかなりセンター寄りにある感覚で、ブレーキは左足でのほうが踏みやすく感じるかもしれない。ステアリングコラムの調整範囲は適正だ。

操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆

ここをおいてほかに、BSTエディション270が印象付けるべく挑まなければならない領域はない。本当に期待値が大きいのもここだ。しかしながら、走り甲斐のある道に取り組むシャシーを作るには、ほかの数多くのことがより大きな意味を持つことがわかった。

通常のポールスター2では望めないことをする部分はいくつかある。運動性のクオリティは価格に見合ったもので、ロングドライブも快適にこなしてくれる。

しかし、欠けている部分はより明らかだ。横グリップそのものやハンドリングのアジリティ、バランス、安定感で、本当に人を惹きつけるスポーティなクルマと呼べるレベルには達していない。

もっとも驚かされるのは、ダンピングの衝撃的なクオリティと上質さだ。テストは出荷状態のセッティングで行ったが、フロントダンパーは伸びと縮みの双方をハードにもソフトにもかなり変更できる。

それでも、英国のA級道路やB級道路の凹凸にフィットできるようなファインチューニングを、なにか必要とするような乗り味ではない。緊密なボディコントロールは、驚くほどプログレッシブだ。

田舎道での乗り心地は硬く、張りつめた感じを覚えるが、落ち着きなく手に負えないようなところはまったくない。横方向のボディコントロールとダンパーのサポートは、どちらも秀逸だ。

大きめの入力は、不自然なほど厳然と吸収してしまい、縮んだサスペンションにもトラベルを使い切ってしまいそうな恐れは感じない。それどころか、タフな路面をものともせず飛ばせることこそが、走りをもっともうまく引き上げる要因だ。

ポールスターのシャシー補強とサスペンション改修は、BSTのパワーステアリングに重く手応えのあるフィールをもたらす。とくに、パワーアシストを最小限にセットした場合にはそうだ。たとえばハードにコーナリングすると、フロントモーターが外輪側にやや余計な要求をした場合に、それをはっきり感じることができる。

しかし、パワーを落としスロットルを抜いてシャシーを曲がるよう仕向けようとしても、得られるものはきわめて小さい。また、前後も左右も、トルクベクタリングが取り立てて効いているという証もない。攻めた走りをしても、パワーで曲がる感じはないのだ。

おそらく、北欧の寒いコンディションにはピッタリなのだろう。さもなくば、ポールスターはBSTエディション270に、並外れて熟成された運動性を意図しているのかもしれない。しかし、このクルマのシャシーは、やや鈍く、イマジネーションを本当にかき立てるものではない。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

シャシーとサスペンションを硬めたことで、きわめてわずかながら通常のポールスター2より乗り心地がノイジーになっている。しかし、許容範囲内だ。

騒音計は、48km/hでも113km/h以上でも、2021年に計測したロングレンジ・シングルモーター仕様より1dBA大きい数値を示したのみだ。しかし、80km/hと113km/hでは上回っていない。ただしこのギャップの接近ぶりには、コンディションの差も影響しているだろう。

エントリーレベルのポルシェ・タイカンと比べれば、数字的にはうるさいことになるが、ドライバーシートでそれが気になるほどではない。その運転席は、長距離乗っても快適で、ほとんどのテスターが満足するアジャスト性を備えている。

プライマリーライドの快適性については、サスペンションがひときわ適度に感じられ、カントリーロードでのほとんどの入力を、高速道路のジョイントと同じくらい難なくこなす。

高価なダンパーは、ほとんどの間、バネ下重量をまるで空気のように軽く感じさせる。乗り心地の落ち着きに影響を与えるのは、もっとも短く鋭い入力だけだ。

うまくチューニングされたドライバーエイドのパイロットアシストは、より距離の長いクルージングでの快適性を大きく高める。長距離を、そのプロセスに気を使うことなく走りたいときにはありがたい。しかし、このクルマのドライバー中心志向を引き出せることは、いつでもできる。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

ポールスター2の残存価値は、ここまでかなりいい線を保っている。BSTエディション270に限定した残価予想はまだ出ていないが、高い価値を維持すると予想しても外しはしないだろう。ベースとなったパフォーマンスパックが、アウディQ4 E−トロン・スポーツバックほどではないにせよ、同等仕様のテスラ・モデル3より上なのだから、そう考えていいはずだ。

そうした背景があり、また、2モーターでフルオプションのポールスター2が6万ポンド(約990万円)することを考えると、6万8990ポンド(約1138万円)のBSTエディション270が法外な値付けだというポールスターの支持者はいないだろう。

このクルマのレア度と特殊な構成要素を考えると、この金額を正当化するのは難しくない話だ。たとえ、同じ価格帯でBMW i4やポルシェ・タイカンが手に入るとしてもだ。

スペック

レイアウト

ポールスター2のCMAプラットフォームは、ボルボのC40/XC40、リンク&コーの1~3と共用される。1モーター前輪駆動と、2モーター四輪駆動を用意しているが、2024年モデルから1モーターは後輪駆動になる。

スティールのシャシーは、駆動用バッテリーを前後シート下とセンタートンネル内へ、H字型に配置。前後重量配分は51:49だ。

パワーユニット

駆動方式:フロント・リア横置き四輪駆動
形式:永久磁石同期電動機
駆動用バッテリー:リチウムイオン・400V・78.0kWh(グロス値)/75.0kWh(ネット推定値)
最高出力:476ps/-rpm
最大トルク:69.4kg-m/-rpm
最大エネルギー回生性能:100kW
許容回転数:-rpm
馬力荷重比:225ps/t
トルク荷重比:32.9kg-m/t

ボディ/シャシー

全長:4606mm
ホイールベース:2735mm
オーバーハング(前):860mm
オーバーハング(後):1011mm

全幅(ミラー含む):1990mm
全幅(両ドア開き):3620mm

全高:1473mm
全高:(テールゲート開き):2200mm

足元長さ(前):最大1120mm
足元長さ(後):最大770mm
座面~天井(前):最大1020mm
座面~天井(後):最大910mm

積載容量:405L

構造:スティールモノコック
車両重量:2113kg(公称値)/2161kg(実測値)
抗力係数:0.28
ホイール前/後:8.5Jx21/9.0Jx21
タイヤ前・後:245/35 R21
ピレリPゼロ・エレクト
スペアタイヤ:なし(パンク修理剤)

変速機

形式:1速リダクションギア
ギア比
リダクション比:8.57:1
1000rpm時車速:15.4km/h
113km/h/129km/h時モーター回転数:7268rpm/8307rpm

電力消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:4.0km/kWh
ツーリング:4.2km/kWh
動力性能計測時:2.3km/kWh

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):-km/kWh
中速(郊外):-km/kWh
高速(高速道路):-km/kWh
超高速:-km/kWh
市街地:-km/kWh
混合:5.0~5.1km/kWh

公称航続距離:455~488km
テスト時航続距離:303km
CO2排出量:0g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動機械式、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.5回転
最小回転直径:11.9m

ブレーキ

前:400mm通気冷却式ディスク
後:390mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS、ESC、EBD
ハンドブレーキ:電動式・全自動

静粛性

アイドリング:-dBA
全開走行時(145km/h):74dBA
48km/h走行時:60dBA
80km/h走行時:64dBA
113km/h走行時:68dBA

安全装備

ABS/ESC/パイロットアシスト/DAC/RSI/RCW
Euro N CAP:5つ星(LR DM、2021年)
乗員保護性能:成人93%/子供89%
交通弱者保護性能:80%
安全補助装置性能:83%

発進加速

テスト条件:強風・湿潤路面/気温12℃
0-30マイル/時(48km/h):2.2秒
0-40(64):2.9秒
0-50(80):3.6秒
0-60(97):4.5秒
0-70(113):5.6秒
0-80(129):6.8秒
0-90(145):8.1秒
0-100(161):9.8秒
0-110(177):11.8秒
0-402m発進加速:12.8秒(到達速度:183.3km/h)
0-1000m発進加速:23.7秒(到達速度:209.2km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
フォード・マスタング・マッハE GT
テスト条件:乾燥路面/気温13℃
0-30マイル/時(48km/h):1.8秒
0-40(64):2.5秒
0-50(80):3.3秒
0-60(97):4.2秒
0-70(113):5.3秒
0-80(129):6.8秒
0-90(145):9.5秒
0-100(161):13.7秒
0-110(177):20.6秒
0-402m発進加速:13.2秒(到達速度:159.3km/h)
0-1000m発進加速:25.6秒(到達速度:184.9km/h)

キックダウン加速

20-40mph(32-64km/h):1.4秒

30-50(48-80):1.4秒

40-60(64-97):1.6秒

50-70(80-113):1.9秒

60-80(97-129):2.3秒

70-90(113-145):2.7秒

80-100(129-161):3.1秒

90-110(145-177):3.7秒

100-120(161-193):4.7秒

110-130(177-209):8.5秒

制動距離

テスト条件:強風・湿潤路面/気温12℃
30-0マイル/時(48km/h):8.5m
50-0マイル/時(80km/h):22.8m
70-0マイル/時(113km/h):45.6m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.66秒

ライバルの制動距離ライバルの発進加速
フォード・マスタング・マッハE GT
テスト条件:乾燥路面/気温13℃
30-0マイル/時(48km/h):8.1m
50-0マイル/時(80km/h):21.9m
70-0マイル/時(113km/h):43.1m

結論 ★★★★★★★☆☆☆

ポールスター2 BSTエディション270の背景にある考え方は、賛同しやすいものだ。「自分たちのEVはすでに速いのだから、手応えやグリップ、バランスにフォーカスして、わたしたちがわずかなひとびとをも驚かすことができないのか確かめてみよう」といったところだ。

このクルマのトルクベクタリングには、これまでなかったようなハンドリングの落ち着きを本当に活かせるほどの性能がないので、走りの楽しさには限界がある。そして、よりうまくモーターを調整し、2.1tの車両重量をもう少し削れたなら、もっと変身ぶりを味わえただろう。

今のままでも、BSTエディション270は通常のポールスターより間違いなく楽しいし、優秀さを感じさせる領域もある。しかし、ポールスターとしても、この手のクルマとしても、まったく新たな高みに達したというより、磨きをかけた程度にすぎない。

それでもやはり、われわれはこのクルマを祝福したい。というのも、本当に考え抜かれたパフォーマンスEVが価値を持ち、これほど不自然に作り込まれていないクルマつくりが賞賛されるマーケットは確かにあるからだ。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダースややお堅いクルマ、という印象だが、ホットなEVに乗ったことがあり、それほどのパフォーマンスがこの世のどこで必要なのが疑問に思ったドライバーは、このポールスター2をスルーしてしまうのではないだろうか。好ましい本物感はあるのだが。

イリヤ・バプラートスカンジナビア系ブランドは、えてして控えめなクルマをつくる。それはわかっているのだが、このクロームな仕立ては、エキサイティングなはずのクルマに似合うものだろうか。また、ルーフのストライプデカールが、ガラスルーフからの光を遮るのは気にならなかったのだろうか。個人的にはどちらも気に入らない。

オプション追加のアドバイス

フル装備なので、唯一の選択はグレーのラッピングか、ボンネットからルーフ、トランクへ至るブラックのストライプの有無のみだ。われわれなら、どちらも選ばない。

改善してほしいポイント

・駆動力配分を、もっとリア寄りにしてほしい。もしくは、可能ならドライバーがアジャストできるようにしてほしい。もっと走りを調整できるように。
・回生ブレーキをマニュアル調整するためのパドルをつけてもらいたい。ほかのブランドはそれでうまくいっているのに、なぜこのクルマにはないのだろう?
・キャビンには、もう少しパフォーマンスカーらしいマテリアルやタッチがあるとうれしい。

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みんなのコメント

4件
  • ボルボディーラーでかえるようにしてほしい
    いずれボルボもEV専売メーカーになるんだから
  • 日本では出ませーん
    クソが
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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