米国GMはキャデラックブランドのラグジュアリーコンバーチブルEVのコンセプトモデル「ソレイ(SOLLEI)」を発表した。
ビスポークデザインの未来を示す今回のコンセプトカーは、熟練者によるカスタムデザインの可能性を徹底追求したことがトピック。具体的には、流麗かつ威風堂々としたエクステリアや表現力豊かでアーティスティックなインテリア、そしてパーソナライゼーションと自然のつながりを高次元で融合させたアクセサリーパーツなどを創出して、ビスポークラグジュアリーの未来像を提示する。バイオテクノロジー企業のマイコワークスと共同開発した革新的なバイオベース素材を、キャデラックとして初採用したことも訴求点だ。なお、車名のソレイは太陽(SOL)とレジャー(LEI)に由来。キャデラックならではのゆったりとしたオープンエアを楽しむライフスタイルからインスピレーションを得て命名している。
GMがキャデラックのラグジュアリーエントリーEVモデル「オプティック」を発表
主な特徴を紹介していこう。
まずエクステリアは、キャデラックならではの大胆かつ流麗なプロポーションを体現。途切れのないサーフェイスと伸びたAラインは車体の長さを際立たせ、合わせて低いテールデザインがダイナミックかつエレガントなプロポーションを形成する。また、ミッドのボディラインはヘッドランプからテールランプをシームレスに繋げ、調和のとれたデザインとして統一。さらに、従来のドアハンドルに代わってボタンを配備し、すっきりとしたボディラインを演出する。広い後席スペースへのアクセスを容易にする目的で、低くて伸びやか、かつワイドなスタンスのクーペドアを設定したことも訴求点だ。ボディカラーについては、1957年と1958年のキャデラックモデルに用意された“マニラクリーム”を現代の技術で再現して採用。キャデラックの職人によって入念に調合され、手作業による塗装を施す。一方でトップ部には、“デイブレイク”と称する専用のメタリックルーフ生地を導入した。
インテリアに関しては、キャデラックの“アート・オブ・トラベル”のデザイン哲学を受け継ぎ、ドライバーと同乗者すべての旅行体験を高めるように設計。すべてのディテールは日常を非日常へと変えるために意図的にデザインされ、ライトアップされたデコレーションやユニークな装飾が、キャデラックブランドの比類ない美学に表情を添える。また、無染色のウッドパネルに包まれたキャビン空間は、自然な色と木目の変化を引き立て、表面は触れると凹凸が感じられるオープンポア仕上げを採用。それぞれのパーツは、寄木細工の技法を用いて手作業でカットしてはめ込み、フロントドアからコンソール、そしてリアコンパートメントへと目を引く美しいアクセントとして昇華する。さらに、ウィンドシールドはキャデラックの天然素材の使用へのこだわりを強調するように、削り出しのブラッシュドアルミニウムで美しく縁取った。パワーガラスドアとクリスタルグラスを備えた完全一体型のドリンクセラーを設定し、レジャーと旅行をシームレスに融合させたことも、ソレイのアピール点である。
パーソナライゼーションと自然のつながりを高次元で融合させたエクイップメントの導入も見逃せない。複数のゾーンと各ゾーンには、126色のカラーオプションを含む高品質なアンビエイト照明を採用。また、“サンバースト”をテーマにしたユニークな照明とグラフィック、同モチーフのパーフォレーションおよびキルティングや刺繍を施したシートパターン、ピンクの虹彩顔料によって微妙に色が変化してサンライズ効果を生み出すファインナッパーレザーの表皮、“バスク”と称する質感あるフロアマット素材などを装備して、ソレイならではの個性を強調する。バードウォッチング愛好家のために、3Dプリントされたアクリル製のバードコール、手描きの鳥のイラストが描かれた革装丁の日誌、ペンや鉛筆を収納できる革製のツールロールなどを収める、ブラッシュドメタルとレザーで包まれた特注のケースをアクセサリーとして設定したことも、ユニークなポイントだ。さらに、開発陣はサステナビリティにもこだわり、コンソールの充電マット、ドアポケット、カスタムアクセサリーに、マイコワークスのファインマイセリウム技術を用いたバイオベースのプレミアム素材を使用し、しかも柔らかな色合いの虹色仕上げを施して独自の高級感を演出している。
なお、今回公開されたソレイは既存の最高級EVモデル「セレスティック(CELESTIQ)」をベースとしていることから、披露されたアイデアが将来的に市販モデルに活かされることが期待される。
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