現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【KTM 790アドベンチャー】 守備範囲の広さピカイチの優等生、なのに過激だったりもする。/国内試乗レポート

ここから本文です

【KTM 790アドベンチャー】 守備範囲の広さピカイチの優等生、なのに過激だったりもする。/国内試乗レポート

掲載 更新
 【KTM 790アドベンチャー】 守備範囲の広さピカイチの優等生、なのに過激だったりもする。/国内試乗レポート

KTMが放つ新世代の冒険バイク「790アドベンチャー」シリーズの国内メディア向け試乗会が開催。前回はアフリカで究極のオフロードを体験したが、日本での日常使いはどうか、という視点でレポートしたい。まずはオンロード向けのSTD仕様に試乗してみた。REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

KTM・790アドベンチャー・・・・・1,490,000円

【スズキ GAG(ギャグ)】本気半分・冗談半分⁉️ 原付レーサーレプリカの元祖(1986年)/カスタムアーカイブ

単気筒とVツインのいいとこ取り

 790アドベンチャーはKTMの中では「トラベル」のカテゴリー、つまり旅バイクの位置付けなのだがそこはKTM。「READY TO RACE」のブランドコンセプトが示すとおり、妥協のない走りの性能が与えられている。
 注目したいのはまずエンジン。昨年デビューした790デュークにも搭載されたKTM初の水冷並列2気筒エンジン「LC8c」が軽くてコンパクト。単気筒並みのサイズ感でありながら、滑らかなパワーと路面をつかむトラクション感は1090や1290といったKTMのビッグアドベンチャー系に積まれるVツイン「LC8」に近い。言うなれば単気筒とVツインのいいとこ取りで作られているのだ。


ガチな足まわりに電制も最新だ

 そして足まわり。フロント21インチとリヤ18インチという本格的なオフロード向けスポークホイールに、高速道路でも頼もしいラジアルマウントのダブルディスクを装備。走破性の高さを示す指標でもある前後サスペンションのストローク量に関しても、オンロード向けのSTD仕様でさえ200mmも与えられている(オフロード向けの「R」仕様は240mm)。
 さらに電子制御も最新だ。今や大排気量スポーツモデルでは常識となったABSやトラコンも最新のコーナリング対応タイプ。つまり車体を傾けて旋回中でも効くわけだ。ライドモードも標準の3モード(ストリート、レイン、オフロード)に加え、クルーズコントロールも装備。クイックシフターもアップ&ダウン対応とするなど最先端を行っている。


ヤジロベエのような安定感

 日本国内での試乗ということで、まずはオンロード寄りに最適化されたサスペンションとタイヤを装備したSTD仕様に乗ってみた。跨ってみた印象として、まず軽い。そして足着きが良い。爪先ツンツンになってしまうことが多い従来のビッグアドベンチャーと比べると、このライポジだけでだいぶ安心感がある。イメージとしてはやや背の高いネイキッドといった感じ。200kgを切る車重だけでなく低い位置に振り分けられたラリーマシンタイプの燃料タンクのおかげで、20リットルの大容量にも関わらず、取り回しや低速走行でもヤジロベエのような安定感があるのだ。ハンドル切れ角も大きく、極低速でもガクガクせずに粘ってくれるエンジンのおかげで狭い道でのUターンも楽々だ。

思ったよりフットワークも軽かった

 コーナリングはヒラヒラと軽くまさに自由自在。大径ホイールの影響を感じさせない軽快なフットワークにあらためて感心した。アフリカの峠道ではややまったりとしたツアラーっぽいハンドリングに思えたのだが、ちょっと印象が変わった。速度域がより低く路面のミューが良い日本の公道にも790アドベンチャーは十分マッチしているようだ。
 LC8cはバランサーのおかげで振動が少ないスムーズな回転フィールが特徴で、中速域に厚いフラットトルクを活かしてどこでも気持ち良く走ってくれる。スロットルレスポンスもリニアで直結感があり、右手をひねるだけでフロントアップに持ち込めるなどコントロールもしやすい。こうした扱いやすい出力特性だからこそ、自分のような普通のライダーがアフリカの砂漠にも挑めたわけだ。


守備範囲がメチャクチャ広い

 高速走行で効果的なハイスクリーンやタンデム前提のダブルシート、頑丈な作りの本格的なリヤキャリアなど旅の装備も必要十分なレベル。比較的シンプルなコックピットまわりも含め、いろいろと過剰なデバイスで混乱するより純粋に走りを楽しんでほしいというKTMの意図が伝わってくる。スポーツツアラーに引けをとらないオンロードでの走りと快適性に加え、巨大アドベンチャーではなかなか入っていけない林道や山深いキャンプ場などにも直接アクセスできる(できそうに思える)走破力も併せ持つなど、守備範囲の広さが790アドベンチャーの魅力だろう。

⚫️足つきチェック(ライダー身長179cm)

⚫️ディテール解説

こんな記事も読まれています

“小ワザ”が効いた最新収納アイテムをピックアップ!【特選カーアクセサリー名鑑】
“小ワザ”が効いた最新収納アイテムをピックアップ!【特選カーアクセサリー名鑑】
レスポンス
【MotoGP】ファビオ・ディ・ジャンアントニオ、VR46残留決定か。ドゥカティとの直接契約でファクトリーバイクをゲットへ
【MotoGP】ファビオ・ディ・ジャンアントニオ、VR46残留決定か。ドゥカティとの直接契約でファクトリーバイクをゲットへ
motorsport.com 日本版
「クルマ良い感じ!って初めて言いました(笑)」山下健太、猛暑の中記録した2番手タイムにかつてない自信。SF後半戦台風の目となれるか?
「クルマ良い感じ!って初めて言いました(笑)」山下健太、猛暑の中記録した2番手タイムにかつてない自信。SF後半戦台風の目となれるか?
motorsport.com 日本版
トヨタが新型「ランクル70ナロー」発売!? 2人乗り&フェンダー無し仕様、実車公開! 日本復活でアンダー400万円もあり得る?
トヨタが新型「ランクル70ナロー」発売!? 2人乗り&フェンダー無し仕様、実車公開! 日本復活でアンダー400万円もあり得る?
くるまのニュース
レッドブル育成ハジャーが今季3勝目! トップチェッカーのクロフォードは、アンセーフリリースに泣く……宮田莉朋17位|FIA F2シルバーストン フィーチャーレース
レッドブル育成ハジャーが今季3勝目! トップチェッカーのクロフォードは、アンセーフリリースに泣く……宮田莉朋17位|FIA F2シルバーストン フィーチャーレース
motorsport.com 日本版
Moto3ドイツ決勝|古里太陽、堂々トップ争い演じ2位獲得! アロンソ今季6勝目でリード拡大
Moto3ドイツ決勝|古里太陽、堂々トップ争い演じ2位獲得! アロンソ今季6勝目でリード拡大
motorsport.com 日本版
トヨタエンジン搭載の「“自家製”フェラーリ」!? 7億円超えスーパーカーを「気合」で再現! もはやホンモノな「DIY ラ・フェラーリ」とは
トヨタエンジン搭載の「“自家製”フェラーリ」!? 7億円超えスーパーカーを「気合」で再現! もはやホンモノな「DIY ラ・フェラーリ」とは
くるまのニュース
サーキットでのラップタイム短縮を実現! ブリヂストンからハイグリップスポーツタイヤ「POTENZA RE-10D」が登場
サーキットでのラップタイム短縮を実現! ブリヂストンからハイグリップスポーツタイヤ「POTENZA RE-10D」が登場
VAGUE
60年以上の歴史を持つ「レッドドット・アワード」をロータスが受賞!「エレトレ」と「エメヤ」の卓越したデザインが世界最大のコンペで認められました
60年以上の歴史を持つ「レッドドット・アワード」をロータスが受賞!「エレトレ」と「エメヤ」の卓越したデザインが世界最大のコンペで認められました
Auto Messe Web
1気筒あたり3バルブを採用。グロス200psを達成したシリウスダッシュの搭載で三度注目される!【GTmemories12 A183Aスタリオンダイジェスト(5)】
1気筒あたり3バルブを採用。グロス200psを達成したシリウスダッシュの搭載で三度注目される!【GTmemories12 A183Aスタリオンダイジェスト(5)】
Webモーターマガジン
ルクレール「速さはなかったが、有意義な一日」フェラーリ、スペイン版アップデートのテストを継続/F1第12戦
ルクレール「速さはなかったが、有意義な一日」フェラーリ、スペイン版アップデートのテストを継続/F1第12戦
AUTOSPORT web
ルーキーイヤーとは違うんだ! サージェント、会心の予選ラップに満足感示す。来季F1シート未定も「最後まで戦う。僕はファイターだ」
ルーキーイヤーとは違うんだ! サージェント、会心の予選ラップに満足感示す。来季F1シート未定も「最後まで戦う。僕はファイターだ」
motorsport.com 日本版
ENEOSアンバサダーに大泉洋と川口春奈が就任
ENEOSアンバサダーに大泉洋と川口春奈が就任
レスポンス
ちっともカワイくない……けどこれもミニ!? みんな大好き「MINI」の知られざるファミリーたち
ちっともカワイくない……けどこれもミニ!? みんな大好き「MINI」の知られざるファミリーたち
WEB CARTOP
ぶっちゃけ見た目はそんな変わってないけどどうよ? 旧型オーナーが「新型N-BOX」に「乗り換える価値」はあるのか考えてみた!
ぶっちゃけ見た目はそんな変わってないけどどうよ? 旧型オーナーが「新型N-BOX」に「乗り換える価値」はあるのか考えてみた!
WEB CARTOP
炎天下 サウナ状態のクルマ いち早く冷やすためのポイントは?
炎天下 サウナ状態のクルマ いち早く冷やすためのポイントは?
乗りものニュース
何もしてないのに「バッテリー上がり」した! 真夏の「突然のトラブル」どう防ぐ? いつか起こり得る「エンジンかからない」どう対処するのがOKか
何もしてないのに「バッテリー上がり」した! 真夏の「突然のトラブル」どう防ぐ? いつか起こり得る「エンジンかからない」どう対処するのがOKか
くるまのニュース
フェラーリF1、スペインで投入したアップデートを諦め、旧仕様に戻して戦うシルバーストン。サインツJr.「高速での安定性が少し増した」
フェラーリF1、スペインで投入したアップデートを諦め、旧仕様に戻して戦うシルバーストン。サインツJr.「高速での安定性が少し増した」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

95.2105.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.0120.0万円

中古車を検索
ストリートの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

95.2105.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.0120.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村