●文:ライドハイ編集部(根本健)
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タンク&ボディがフレームと同じワントーンの、洗練されたネイキッドがデビュー
ドイツ人デザイナーのハンス・ムートがデザインしたKATANAで、4気筒ビッグバイクの世界でリーダーへの追送を成し遂げ、RG250Γ(ガンマ)/400/500Γ/GSX-Rシリーズで400~1000ccまでレーシーなレプリカ路線でライバルをリード。パフォーマンスからハンドリングまで、スズキは1980年代から先陣争いで常にリードする座を手に入れていた。
こうしてひと通り性能面の先進性で頂点に位置すると、スズキはスポーツバイクの将来に対し、腰を据えて模索するようになっていった。
そのひとつの答えが、ニューウェイブを意識したバンディット(BANDIT)。250ccにも兄弟車を持つが、メインは400ccクラスだ。
―― 【1989 SUZUKI BANDIT 400】
さまざまパフォーマンスマシンを見てきたライダーが、ライフスタイルとして接するシーンを思うとき、パフォーマンスだけではない洗練さを纏ったスポーツネイキッドに辿り着く…、そんなコンセプトを体現して、バンディットは思いきりお洒落なデザインで1989年に登場した。
ネイキッドだからとパイプのアップハンドルにせず、前傾気味のセパレートハンドルでスポーティーさを醸し出し、この低いハンドル位置とガソリンタンクが干渉するため、フロント側にマイナス曲面の“逃げ”があり、これをデザインの特徴とする斬新さだ。
しかもタンクやシートボディのカラーリングを、美しく曲げられたパイプフレームにも使う、お洒落なワントーンにまとめる魅力的なルックスで、国産メーカーの中でひと際センスのよさを漂わせていた。
VCエンジンの赤いヘッドでパフォーマンスもアップ。しかし、ネイキッドはお洒落とは逆のカルチャーがブームに…
とはいえ、エスカレートし過ぎたレーサーレプリカブームの反動として、ライバルからもネイキッドバイクのニーズが意識され始めていた。ただバンディットと異なるのは、洗練されたデザインの反対側にある、シンプルなオートバイらしさへの原点復帰がイメージされていたことだった。
トータルコーディネイトとしてのまとまりではなく、なによりシンプルで各パーツが主張する、ややワイルドさを感じさせる流れが求められると判断していたのだ……
※本記事は2023年3月24日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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