■「10人乗れる」SUVって凄い!
高度な経済発展を続け、人口においても中国を抜いて世界一となったインド。
クルマの文化や歴史も日本とは大きく異なる同国では、日本では見られないユニークなモデルが現在でも販売されています。
なかでも注目となるのが現地の自動車メーカー「フォースモーターズ」の展開するSUV「シティライン」ですが、これは一体どのような特徴を持つクルマなのでしょうか。
【画像】「えっ…!」これが斬新すぎる「4列シートSUV」です!(24枚)
フォースモーターズは、インドのムンバイに本拠を置き、設立から60年を超える歴史を持つ自動車メーカーです。
同社はドイツの自動車メーカー「メルセデス・ベンツ」との業務提携を通じて大きく成長し、現在は小型商用車やSUVのみならずバスやトラックなど幅の広いラインナップを展開。
今回取り上げるシティラインも、SUVでありながら車体構造はトラック譲りのラダーフレームを採用する、タフな商用車にカテゴライズされるモデルです。
シティラインのデザインは、かつて業務提携していたメルセデス・ベンツの「Gクラス」を思わせる、角張った軍用車のようなスタイリング。
しかしよく見ると、ヘッドライトなどはオリジナリティの高いディテールとなっており、独自の個性を主張しています。
ボディサイズはかなり大柄で、全長5120mm×全幅1818mm×全高2027mm。
この長く広大な車内空間に4列のシートを搭載し、2人+3人+2人+3人の座席配置によって、大人10人が快適に着座可能という見事なパッケージングを実現させました。
パワーユニットには、かつてメルセデス・ベンツが開発し、現在はフォースモーターズがライセンス生産している2.6リッター直列4気筒ディーゼルエンジンを搭載。
このエンジンは最高出力90馬力・最大トルク250Nmを発揮し、5速MTのトランスミッションを組み合わせて、大きなボディを力強く走らせます。
また、サスペンションはフロントが独立懸架式のダブルウィッシュボーン式、後輪が板バネのリーフスプリング式という強度の高い設計を採用。
先述したラダーフレームの車体構造もあわさり、シティラインはボディ、足回り、エンジンのすべてが強靭な構造となっています。
しかしその一方で、快適装備や安全装備は必要最低限。
2023年に新型として登場した最新モデルでありながら、先進安全支援機能はもちろんラジオやスピーカーすら標準搭載されていないのは、自動車文化の異なるインドならではの設定でしょう。
フォースモーターズの公式サイトでは、シティラインのアピールポイントとして、「大型の窓」「スタイリッシュなウィンカー」「ボディ同色の前後バンパー」が掲げられており、日本で展開されるモデルでは近年見られないほどに潔い仕様となっています。
そんなシティラインの車両価格は、159万3953ルピー(約280万円)。
立派なデザインやボディ構造、10人が乗れる実用性を備えた大型SUVとしては、極めてコストパフォーマンスの高い価格設定となっています。
さらに快適装備や先進安全機能が追加されたなら、もし日本で販売されたとしても人気のモデルとなりえるのではないでしょうか。
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