新車値引き情報 [2021.12.24 UP]
X氏の値引き大作戦 カローラクロスから38.8万円引き!
巨大ディーラーが暴挙!? まさかのゼロ回答に唖然!! 必殺・越境作戦で大逆襲!!!
【プロローグ】 頃は9月、半期決算シーズン! 新車を購入するには絶好のタイミング!……と思いきや、今回は事情がちょっと違うようです。
事前に実施した作戦会議で松本さん曰く、
「いま新車の納期がえらいことになっています。コロナ禍の影響で半導体などの部品が供給不足に陥って自動車メーカーが減産を強いられたため納車が遅れに遅れています。つまり、各地の販売店は9月中の登録(売り上げ)を増やしたくても、ままならない状況に陥っているわけです。したがって、今年の決算商戦は例年のようには盛り上がらないと思いますよ。しかも、Xさんが本命にあげているカローラクロスは発売直後の新型で値引きは渋いし、トヨタの全販売系列で扱っているといっても東京は巨大ディーラー、モビリティ東京が大きな勢力を持っているので、以前のようにいかないと思います。苦戦を覚悟しましょう」
なるほど。となると、私の得意技「越境作戦」が決め手となりそうです。埼玉県との県境近くに住まいがあるので東京vs埼玉の争いに持ち込むことができるわけです。
問題は下取り車ヤリスクロスの処分。これまでの買い替えではほかにもクルマがあったので納車を待たずに買い取り専門店に売却ができましたが、最近断捨離ならぬ断車離をしてしまったので、今回はそれができません。そこで納車日が確定してから売却先を決めることにします。
今回もいつものように付属品はいっさいなし、車両本体のみのスッピン状態で購入します。ナビやETCはインターネットで入手してDIYにて装着。フロアマットなども社外品を安く買います。
なお、せっかちなので短期決戦でいきます(笑)。
【9月4日(土)】 まずはマツダへ。この店では3年ほど前にロードスターを購入しています。気心の知れたセールス氏がいるので、事前に電話で予約を入れておきました。
どことなくホンワカとした温和な感じの40歳代で少し頼りない感じですが、ロードスターの時はかなり頑張ってくれたので期待しています。
狙いのCX-30に試乗。マツダ車のハンドリングとATのダイレクト感は以前から気に入っています。足元も思ったより広く、後部座席の居住性も合格点。あとは値段だけです。
お店に戻って商談を開始。
X「今回は追い金50万円以下での購入が目標なんだけど……」
セ「わかりました! 120%頑張りますよ」
提示してきた諸費用込みの総額は約281万円。
X「支払い総額は250万円にできるよね」
セ「31万円引きですか……さすがにそこまでになると上司に掛け合わないと無理ですよ」
泣きが入ったのを聞きつけたのか、タイミングよく、店長さんが挨拶に出てきました。
店長「Xさん、初めまして。前回ロードスターをお買い上げいただいたと聞いております。今回もよろしくお願いします」
下取り車“ヤリクロ”の査定額は190万円とのこと。
セ「この下取り額は11月末の納車時までキープできます」
X「納車が確定した時点で下取りに出すか、買い取り専門店に売るかを決めます」
セ「今日・明日に契約していただけませんか?」
X「ヴェゼルやカローラクロスも気になっているので、もう少し検討させてください」
セールスさんの口ぶりでは31万円引きが実現しそうだし、“ヤリクロ”を1年前に購入したときの支払い総額は219万円(値引き約26万円)だったので、下取り額の190万円は思ったより高く付きました。
出足は好調です(翌日、電話で「上司からも250万円にOKをもらいました」との連絡がきました)。
その足で近くのホンダへ。
早速、展示してあったヴェゼルをチェック。今乗っている“ヤリクロ”と排気量は同じ1500ccですが、室内はワンランク上の質感を持っているし、センタータンクのおかげで後席の空間はピカイチです。
提示してきたヴェゼルの総額は約270万円。ナビなしなのに案外高い。
セ「Xさん、下取り額が出ました。凄くイイですよ!」
セールスさんは“凄くイイ”を強調するばかりで、肝心の下取り額をなかなか教えてくれません。
ようやく提示してきた額は180万円。出し惜しみした割にはそれほどでもなかった。
X「それでヴェゼルの値引きはどうなの?」
セ「ヴェゼルは新型となったばかりなので、値引きはどなた様でも1桁です。先日、ホンダの社員にも9万円引きで買ってもらいました」
いかに売れ行き好調の新型と言っても一桁(9万円)の値引きでは買う気になりません。
セ「ご存じのように半導体の不足で納車が遅れていますが、いますぐ契約していただければ、年内に間に合います。11月末には納車できそうですよ」
X「別に急いでいないので、来年の納車でもかまいませんよ。ところでガソリン車の試乗車はないですか?」
セ「ないですね」
そっけない返事に、こちらのテンションはダダ下がり。
ホンダは社員も一桁値引き!? “モビリティの壁”に激突!
【9月11日(土)】 あらかじめ電話でアポを取ってから日産へ出向きました。応対してくれたのは50歳代のスマートなセールスさんです。
エクストレイルに試乗。ボディは思ったより大きく、存在感がありますが、走りはイマイチで、もっさりした印象。後席の居住性は合格です。
一番安いグレードを選び、付属品いっさいなし、ナビも不要という条件で依頼しましたが、出てきた見積書には付属品が24万円分も計上されていました。おかげで総額は約301万円となっています。
X「ここにあがっている付属品、必要性を感じないんですよね。すべて削ってくださいね」
これで総額は277万円に。
X「で、値引きは?」
セ「付属品を削られてしまうと、20万円が精一杯ですね」
いかに車両本体のみのスッピン状態と言っても、末期モデルで「20万円が精一杯」はないでしょ。“ヤリクロ”の下取り額で挽回するのかと思いきや、提示してきたのは180万円と平凡でした。
その後、店長さんが挨拶に出てきましたが、進展はなし。こちらも途中から戦意を喪失してしまい、和気あいあいと談笑して終了です。
そうそう、ひとつだけいいことがありました。半導体の供給不足という非常事態にあっても納期が早い! なんと「いまなら10月中に納車が可能」だそうです。
【9月12日(日)】 短期決戦でいくと決めているので、そろそろエンジン全開で攻めます。「今日で決めるぞぉ~」的な1日の始まりです。
朝イチでスバルに電話を入れて試乗を予約。すぐに出向きました。セールスさんは30歳代のハンサム系。偶然にも3年前、BRZの商談時に応対してくれた人でした。
狙いはXVのガソリン車ですが、試乗車はハイブリッド車。実は、XVにハイブリッドがあるとは知らなかった(笑)。エンジンが違うのは誤算でしたが、居住性はチェックできます。
後席の足元空間は合格ですが、トランクルームが浅くて狭いのが×。ちなみに、ボクサーエンジンの独特なサウンドを楽しみにしていましたが、昔と違って静かで、ほとんど聞こえません(笑)。
お店に戻って商談開始。値引きなしの総額は約298万円と出ました。
X「今回は下取り額を差し引いて追い金50万円以内で購入しようと思っています。値引きはいくらですか?」
セ「XVは12万円が基本ですが15万円引きまでなら何とかできると思います」
最初から30万円以上の値引きを期待していたのですが、その半分でした。
下取り額はここでも180万円。どうやらこれが新車ディーラーの相場のようです。
X「下取り額と値引きを差し引いた追い金は100万円を超えてしまいます。アイサイトの機能は落としたくないのでグレードを下げることもできません」
セ「車庫証明手続きとか、ご自分で取りますか?」
X「やってもいいけど、希望の追い金50万円にはほど遠いですね」
その後、値引きの上乗せを迫ったが、色よい返事はなし。
いよいよ本命のカローラクロスを攻めます。すでに馴染みのセールスさん(埼玉のトヨタA店)からメールで見積もり(値引き20万円)をもらってあるので、これをベースに他社との商談を進めるつもりです。
お昼過ぎ、都内のトヨタB店に乗り込みました。さて、地元はどう出てくるか?
担当セールスさんは若手の爽やか系です。
X「カローラクロスはまだ発売されていないけれど、先行オーダーはすでに開始されていますよね」
セ「はい、正式発売はまだですが、すでにたくさん注文をいただいています。いますぐにご注文をいただいても納車は来年の4月頃になります」
X「現有車のヤリスクロスは車検がたっぷり残っています。だから納車は急いでいません。4月でも5月でも大丈夫ですよ。それより問題は追い金なんです。なんとか50万円を切りたいんですよね」
セ「わかりました。とりあえず総額を出してみましょう」
希望のSグレードにメーカーオプション12万2100円とディーラーオプションのエントリーナビキット(7万2820円と安いので付けることにしました)を加えて諸費用込みの総額は約279万円。
X「で、値引きはどんな感じですか?」
セ「ゼロです」
唖然……。
はっきりと言い切られてしまいました。あまりの仕打ちにめずらしく動揺してしまいました。なんとか平然を装うのが精一杯です(汗)。この人、売る気があるんかな。
さらに追い討ちがかかる。
セ「下取り車のヤリスクロスの査定結果ですが、現在の相場でしたら159万円ですが、来年4月の引き渡しということになると、120万円くらいに下がるかと……」
再び唖然……。
まったく話になりません。この店舗は中古車販売も併設しているのだから、昨今の中古車価格の高騰をしっかりつかんでいてもいいはずですが……。
作戦会議で松本さんが「東京はかつてあった4系列の販売店が合併して“モビリティ東京”という巨大なディーラーに生まれ変わっているためトヨタ同士の競合が起こりにくくなっています。そのせいか強気な売り方が目立ちます」と説明していたけれど、まさか、ここまでとは思っていませんでした。
超高取りを納車まで確約! 敵失で値引き15万円UP!!
気を取り直して、得意技「埼玉への越境作戦」を仕掛けることにしました。
トヨタA店に乗り込みました。馴染みのセールスさんからは1年ほど前に現在の“ヤリクロ”を購入しています。
清潔感のあるスポーツマンタイプで、御年31歳。我が家の三男と同い年です。学生時代から野球をしているそうで、A店の野球部に所属し、エースピッチャーとのこと。商談もズバリ、真っ向から直球で勝負してくれると期待しています。
セ「すみません、まだ先行予約の段階なので実車はもちろんカタログもありません。提供できるのはタブレットの資料のみです。でも、うちでは『正式発売前にセールス一人が3台の予約受注を取る』というノルマがあるんですよね。だから、ぜひお願いします!」
おっ、東京と違って売る気満々! 営業はこうでなくちゃ! 松本さんが作戦会議で「商談の際、セールスマンがノルマとか目標台数などの内情をばらしてきたら攻め込むチャンスです。無理がききますよ」と言っていていたのを思い出して、心の中でニンマリ。
事前にもらった見積もりでは総額約280万円から値引き20万円となっていましたが、装備・仕様を見直して新たに見積もりを依頼しました。
提示してきた条件は車両本体とメーカーオプション(12万2100円)/エントリーナビキット(7万2820円)から値引き23万4960万円で、支払い総額は255万円。
注目の下取り査定額は……。
おおっ、205万円!
思わず「こんな値を付けて大丈夫!?」と言いそうになったほどです。それにしても、我が地元・東京が提示してきた下取り額「現在159万円/納車時120万円」というのはなんだったのであろうか……。
ともあれ、これで追い金は希望の50万円ぴったりに。
セ「Xさん、納期なんですが、先行オーダー枠がまだ少しだけ残っているんです。今日、ご契約いただければ、11月中の納車も可能だと思います。もちろん下取り額の205万円は納車時まで確約しますよ。いかかでしょうか?」
X「はい、文句のつけようがありません。契約します!」
これで作戦は終了……。
……と思いきや、今回はこれで終わりではなかったのです。まさかのどんでん返しが待っていました。
その夜、トヨタA店のセールスさんから電話が入りました。
セ「Xさん、すみません。いま本部から連絡がきたんですが、ご希望のSグレードに関しては『来年2月からの生産』となっているんだそうです。あらかじめメーカーから通達があったそうなんですが、本部が各支店に連絡していなかったというミスをしていたようなんです。本部の言い分は『お客様にお詫びして2月以降まで納車を待ってもらいなさい』ってことなんですが、11月の納車ってことで気持ちよくご契約していただいたのに、さすがにいまさらそんなことは言えません」
X「2月以降になったら下取り額が大きく下がってしまうんじゃないの? 205万円って査定額は中古車価格が高騰しているいまだから出せたんでしょ? 来年になると、新車の納車の遅れが一段落して中古車価格が下がってくる可能性があるって言われてるよね。我が家にはヤリスクロスしかないから『下取り車を先に引き渡してくれ』って言っても、それはできないよ」(松本さんからの情報を交えて話しました)
セ「Xさん、そこで、ご相談があります。Sグレードではなく、ワンクラス上のZグレードに変更していただけないでしょうか? Sに比べてZの車両本体価格は24万円高くなりますが、当社のミスなので値引きを増額し、エントリーナビを無料サービスにして、なんとか支払い総額を5万円のアップに抑えさせていただきます。どうか、これでお願いします!」
X「はい、断る理由はどこにもありませんね(笑)」
ということで、最終条件は車両本体とメーカーオプション10万100円から31万5106円引き、エントリーナビキット(7万2820円)から7万2820円引きで、値引き合計は38万7926円! 支払い総額は260万円。下取り査定額205万円を差し引いて、追い金は55万円となりました。
購入データ
From東京都
TOYOTA カローラクロス
Z
トータル値引き 38.8万円
値引き採点 5
車両本体とメーカーオプション10万100円から31万5106円引き+エントリーナビ7万2820円の無料サービスで合計38万7926円引き(値引き率は13.8%)。下取り205万円は超・破格!
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