ハイブリッド仕様/ガソリン仕様を改良
執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)
【画像】レクサスUX 2つの特別仕様【デザイン/内装を見る】 全100枚
7月7日。レクサスはSUVモデル「UX」の日本仕様をマイナーチェンジして、「UX250h」「UX200」として発売した。
レクサスのSUVラインナップは、大きいサイズのモデルから「LX」「RX」「NX」「UX」と揃っており(BEVのRZを除く)、UXは最もコンパクトなクロスオーバーSUVとなる。
現行世代が初代にあたり、「クリエイティブ・アーバン・エクスプローラー」をコンセプトに、新たなライフスタイルを探求するきっかけ「CUE」となることを目指し、2018年に発売された。
以来、2022年5月末時点で80以上の国・地域で累計約25万台を販売している。ハイブリッドモデルやバッテリーEV(BEV)といった電動モデルを拡充し、電動車の比率はグローバルで約80%を達成しているという。
レクサスの世界戦略モデルの1台であるUXは、じつは今年の5月にここで扱うマイナーチェンジ・モデルが既にワールドプレミアされている。その時点で「日本仕様の発売は、2022年の夏ごろを予定」とアナウンスされており、今回、予定どおりに日本仕様が発表されたというわけだ。
では、レクサスのラインナップの中で電動化を牽引するモデルであるUXの概要を紹介していこう。
新ボディカラー/内装の変更について
今回のマイナーチェンジは、見た目よりも中身を重視した内容といっていいだろう。
したがって、エクステリアは基本的に大きくは変わっていない。タフな力強さを強調する厚みのあるボディと、俊敏な走りを想起させる張り出したフェンダーが特徴のエクステリアはそのままだ。
ただし、ボディカラーには強い陰影により造形を際立たせるソニックイリジウムを新規設定。また、2021年8月に発売した特別仕様車「Fスポーツ・スタイル・ブルー」に専用設定していたソニッククロムを全モデルに設定した。
インテリアでは、ユーザーの利便性向上のため、マルチメディアシステムやコネクティッドサービスを刷新した。
大型化&高解像度化した12.3インチのタッチディスプレイを全車に標準設定するとともに、直感的な使いやすさを追求した最新のマルチメディアシステムを搭載。
Gリンク機能を拡充して日常使いに即したサービスを提供したり、OTAアップデートによるマルチメディアシステムの最新化により、ユーザーのライフスタイルに寄り添っていく。
さらに、ディスプレイのタッチスクリーン化に伴い、インパネおよびコンソール周辺の形状やスイッチレイアウトを最適化し、充電用USBコネクター(タイプC)をコンソール前方に2つ新設するなど、使い勝手を向上している。
スポット溶接、20打点追加 走りの変化
ボディ・走行性能については、サイドドアやバックドア周辺ボディ開口部のスポット溶接打点を、計20点追加したのがニュース。ボディ剛性を向上させている。
そのうえで、EPS(電子制御パワーステアリング)やショックアブソーバーなどを最適合し、トヨタ テクニカルセンター シモヤマで走り込みを実施。
あらゆる走行シーンで減速・操舵・加速がシームレスに繋がる気持ち良さなど、ドライバーの意図に忠実でリニアな応答を追求している。
また、ブリヂストン製の18インチ・ランフラットタイヤを新規開発し、トレッドパターンなどを工夫することでロードノイズを低減し、レクサスの原点である静粛性も高めた。
なお、バージョンLでは標準装備の18インチ・タイヤをランフラットタイヤから新規設定のノーマルタイヤに変更し、走りの上質感を高めるとともに、乗り心地と静粛性を向上させている(ランフラットタイヤはメーカーオプション)。
パワートレインとラインナップ
前述したように、今回マイナーチェンジされた日本仕様のUXは「UX250h」「UX200」の2モデル。
「UX250h」は、2L直4のM20AーFXS型エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド。トランスミッションは電気式無段変速機。駆動方式は、2WD(FF)と4WDが設定されている。
「UX200」は、2L直4のM20AーFKS型エンジンにトランスミッションはダイレクトシフトCVTを組み合わせる。駆動方式は2WDのみとなる。
なお、現段階ではバッテリーEVの「UX300e」は設定されていないが、近い将来には追加設定されるものと思われる。
走りを追求した「Fスポーツ」では、パフォーマンスダンパーとAVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンションシステム)を標準設定し、ハンドリング特性をシャープにしながら乗り心地と静粛性をアップ。
インテリアでは、Fスポーツ専用のスポーツシート/ステアリング/シフトノブ/メーター/アルミ製スポーツペダルに加えて、アルミ製フットレストとスカッフプレートを新設定した。
ADASは大幅アップデート
コンパクトSUVといえどもプレミアム・ブランドのレクサス車らしく、UXはさまざまな先進装備が充実している。
予防安全技術の「レクサス・セーフティシステム+」は機能を拡充。単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上により、昼間の自転車運転者や夜間の歩行者も検知可能な「プリクラッシュセーフティ」の対応領域を拡大した。車線内で操舵をアシストする緊急時操舵支援などの機能も追加している。
また、「レーントレーシングアシスト(LTA)」の支援範囲の拡大や、「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)」にカーブ速度抑制機能を加えた。
さらに、LTA制御中にドライバーの無操作状態が継続した場合、音・表示でドライバーに操作を促し、ハザードとホーンで車外に異常を知らせながら自車線内に減速停車して事故被害低減を支援する「ドライバー異常時対応システム」も追加している。
専用のスマホアプリをインストールすれば、スマホがデジタルキーとなる機能も設定。スマホ画面の操作でドアのロック/アンロックが可能になるほか、スマホを携帯した状態でスタートスイッチを押せばエンジンを始動できる。また、スマホ間でデジタルキーを受け渡せるため、離れた場所での車両の貸し借りも容易に行える。
他にも、センターディスプレイに表示するパノラミックビューモニターでは、直近で撮影した路面の映像を合成表示し、車両下方の状況・タイヤ位置の把握を補助する「床下透過表示機能」を追加した。
特別仕様 エモーショナル/グレイスフルか
マイナーチェンジと同時に、2車種の特別仕様車「Fスポーツ・エモーショナル・エクスプローラー」と「グレイスフル・エクスプローラー」が設定された。
まず「Fスポーツ・エモーショナル・エクスプローラー」は、UX250h/UX200 Fスポーツをベースに、走りのイメージを際立たせた、精悍な仕様。
外観では、ブラックルーフを組み合わせた2トーンカラーを設定し、切削光輝+ブラック塗装のアルミホイールとブラック塗装のドアミラーとともに、引き締まったスタイルとなっている。
内装には、ブラックを基調としたフレアレッドのアクセントを施したほか、運転席・助手席ともベンチレーション&ヒーターを標準設定。
パノラミックビューモニター(床下透過機能付き)やブラインドスポットモニター、パーキングサポートブレーキ(前後方静止物+後方接近車両)も標準設定している。
「グレイスフル・エクスプローラー」はUX250h/UX200バージョンCをベースに、エレガントで洗練されたスタイルに仕上げた。
内装は、専用カラーのモーヴ(薄く灰色がかった紫色)をシート、ドアトリム、アームレストに設定して、落ち着きがある室内空間とし、運転席・助手席ともベンチレーション&ヒーターを標準設定。
外観では、スピンドルグリル、ヘッドランプ、アルミホイールにシルバーのアクセントを施し、加えてボディカラーと同色のフェンダーアーチモールを設定。
またパノラミックビューモニター(床下透過機能付き)やブラインドスポットモニター、パーキングサポートブレーキ(前後方静止物+後方接近車両)、ハンズフリーパワーバックドア(挟み込み防止機能・停止位置メモリー機能付き)を標準設定した。
改良新型UXの価格/発売日
レクサスUXのマイナーチェンジ車の発売日は7月7日。
日本仕様の価格は下記のとおりとなっている。
ハイブリッド仕様 UX250h
UX250hバージョンL:519万2000円(2WD)/545万7000円(AWD)
UX250h Fスポーツ:504万1000円(2WD)/530万6000円(AWD)
UX250hバージョンC:460万3000円(2WD)/486万8000円(AWD)
UX250h:435万9000円(2WD)/462万4000円(AWD)
ガソリン仕様 UX200(FFのみ)
UX200バージョンL:483万6000円(2WD)
UX200 Fスポーツ:468万5000円(2WD)
UX200バージョンC:424万7000円(2WD)
UX200:400万3000円(2WD)
特別仕様 Fスポーツ・エモーショナル・エクスプローラー
UX250h Fスポーツ・エモーショナル・エクスプローラー:
526万8000円(2WD)/553万3000円(AWD)
UX200 Fスポーツ・エモーショナル・エクスプローラー:
491万2000円(2WD)
特別仕様 グレイスフル・エクスプローラー
UX250hグレイスフル・エクスプローラー:
488万8000円(2WD)/515万3000円(AWD)
UX200グレイスフル・エクスプローラー:
453万2000円(2WD)
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