スーパーGTの第2戦富士450kmのGT300クラスを制したのは、ポールポジションからスタートした56号車リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平)だった。最終的には2位となった2号車muta Racing GR86 GTと僅か0.579秒差だったが、名取は2号車との戦いで、GT500車両をうまく”使う”ことができたと語った。
スタートドライバーを務めたのはオリベイラだったが、オリベイラは初日から大いに手応えを感じていたという。
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「力強い週末だったし、フリー走行からマシンのポテンシャルを感じていた。そして、ミスなく週末を過ごすことができた」
オリベイラは優勝者記者会見でそう語った。
「戦略は今朝決めたけど、正しい戦略だったと思う。2号車は僕らとは異なる戦略だった。最後はすごく接近した戦いだったけど、僕らは勝つために良い仕事をしたと思う」
「チームとヨコハマ、そして日産にありがとうと言いたい。予選と決勝でフルポイントを獲得できたのは嬉しいね」
チームメイトの名取は、オリベイラがレース前半にリードを広げてくれたおかげで、楽な戦いができたと振り返った。
「ここまでマシンを作ってくれたチームの皆さん、そして僕を起用してくださった日産/ニスモの皆さんに感謝したいです。そして僕が乗る前にJPさんが良いスタートを決め、マージンをかなり稼いでくれたので、楽にレースをすることができました」
そう名取は言うが、1周目にピットインして2回の給油義務のうち1回を消化するという戦略を採った2号車mutaには先行されることになった。
「2号車はロングランは強そうだということがFPから分かっていました。実際にかなり速くて、追いつけそうで追いつけませんでした。でも、GT500が絡んだ一瞬の隙を突いて抜くことができました。その後、追い詰められるシーンもありましたが、その時もGT500を利用して、差を広げることができました。そして、勝利に繋がりました」
GT500をどう活かしたのか? そう尋ねられた名取は、次のように語った。
「2号車がGT500に抜かれた隙に、かなり差を詰めることができました。ストレートでは僕らの方がトラクションもかかるし、スピードも速いということが分かっていたので、最終コーナーで仕掛けるのが得策だと思っていたんです」
そう名取は説明する。
「Bコーナー(ダンロップコーナー)で真後ろについて、テール・トゥ・ノーズになった瞬間に、最終コーナーで仕掛けようと思いました。そのまま1コーナーでオーバーテイクすることができたんです」
「抜いた後も、僕らがGT500のマシンに抜かれた時に差を詰められないよう、うまく譲ることを優先したんです」
これで66kgのサクセスウエイトを積むことになる56号車リアライズ。ただ次戦鈴鹿はGT-R勢にとっては得意とするコースであり、チャンピオン獲得に向けても重要な一戦になるはずだと意気込む。
「鈴鹿は僕らに合っているコースだと思う。66kgを背負っても、マシンの挙動は合うはずだ。ストップ&ゴーのコースではないしね。トップ5、できるだけ良いポジションでフィニッシュしたい」
オリベイラはそう語ると、名取も次のように語った。
「鈴鹿では66kg積むことになりますが、GT-Rが得意としているサーキットですし、鈴鹿での獲得ポイント次第で後半戦が左右される重要なレースだと思います」
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