タイムを出すよりも走りを楽しむ、ライトウエイトスポーツカーでキマリ!
これからサーキットでスポーツ走行にチャレンジしたいと思っている人にとっては、どんなクルマが走りを楽しむのに”ちょうどイイ”のか知りたいところ。ここでは初心者向け、すなわち手軽さやコスト的なことも踏まえて、サーキットユーザーに人気のある代表的な車種(ジャンル)をピックアップしてみた。
競技やレースに出るのであれば、結果を残すためにストイックな車種選択も必要になってくるが、ここは、あくまでも初心者向けのエンジョイ路線。週末のレジャーとして”思いっきりアクセルを踏んで日頃のストレスを発散したい!!”というところが狙い目だ。もちろんサーキットと自宅の行き帰りも自走が前提である。
だとすると、比較的いまどきの新しい車種のほうがイイだろう。しっかりとメンテナンスの行き届いたクルマならば多少古くても大丈夫だが、初心者にとってはちょっと荷が重い。走るための準備だけでも時間とコストがかかってしまう。また、メンテナンスが不十分だと、せっかくサーキットに走りに来たのに数周でトラブルが出て、満足に走れなくなるということもあり得る。これでは手軽さに欠ける。ストレス発散のはずが、逆効果にもなりかねないのだ。
あとは、サーキット経験のない人が、いきなりウン百馬力の大排気量高級スポーツカーをチョイスするのもあまりオススメできない。もちろん完全否定ではないが、サーキットで楽しいのは、”クルマを操る”感覚。初心者の場合は、逆にドライバーの腕が大パワーに負けてしまうだろう。そういう意味では、サーキットでのスポーツドライビングにそこそこ慣れてからステップアップしたほうが無難。もしくは、インストラクターが手取り足取り教えてくれるような、高級スポーツカーを対象としたレッスン付きのサーキット走行会を選ぶといい。
これらを踏まえてのズバリ!! オススメは、いわゆるライトウエイトスポーツカーというジャンル。重心が低くて運動性能に優れた、小型の軽量スポーツカーのこと。なぜなら、先に申し上げた、”クルマを操る感覚”をドライバーが感じやすいから。そして、そういったクルマはスポーツドライビングをより楽しむための、アフタパーツが豊富にそろっているのも強みだ。
では、ライトウエイトスポーツカーにはどんなクルマがあるか見て行こう。どれもサーキット走行で人気のある車種ばかりだ。
決して馬鹿にはできない現行の軽スポーツ
小さくて、軽いことがライトウエイトスポーツカーだとすると、文字通りの“軽カースポーツ”もサーキットを楽しく走らせることができるクルマとして十分候補に挙げられる。“いま、マニュアルに乗る”のキャッチフレーズで登場した、「スズキ」の『アルトワークス(HA36S)』、軽オープン2シーターの人気を二分する「ホンダ」の『S660』、「ダイハツ」の『コペン』の現行車種3台は大勢のサーキットフリークからも愛されている。3車種とも、どれも軽い車体にターボエンジンが搭載されていて、軽自動車のイメージを覆すほど走りはパワフル。もっと走りを充実させたいヒト向けのチューニングパーツも豊富だ。サーキット走行会では、普通車を凌ぐタイムで走る姿は決して珍しくない。軽カーで普通車をぶち抜く意外性も大いにストレス発散になる。
ワンメイクレースが人気の『86&BRZ』
程度の良い中古車もだんだんと値段がこなれてきたせいか、サーキットへ行っても、20代半ば~後半ぐらいの若くて元気な「トヨタ/スバル」『86/BRZ』オーナーの姿を見ることが多くなってきている。ご存知のとおりワンメイクレースも行なわれており、速く走らせるノウハウやチューニングパーツの数は群を抜いて豊富。サーキット層も多く、オーナー同士でそんな情報を共有しながら腕を磨いて行くのも楽しみのひとつだ。そんな意味でも「トヨタ/スバル」『86/BRZ』は、しっかりとパワーも堪能できるFRのライトウエイトスポーツカーとして入門者にも最適なクルマ。リア駆動を思いのまま操縦できるようになるとサーキットでの楽しさは倍増するはずだ。
ライトウエイトの代名詞 『マツダ・ロードスター』
2シーターオープンカーのなかでも、国内で最も有名であろう「マツダ」の『ロードスター』。初代のNA型から始まる『ロードスター』も4代目はND型と呼ばれる。このNDは、他メーカーのスポーツカーと比べてもハイパワーを売り物としていないところが、じつに『ロードスター』らしいところ。エンジンは1500ccにダウンサイジングされ、最高出力も130馬力と控えめ。サーキット走行でも、ライバルと争うというよりは、ストリートの延長線で、優雅にかつクルマの運転そのものを楽しむのがいお似合いだ。とは言え、トータルバランスに優れたFRマシンとして奥深さや完成度の高さは十分に味わえる。
軽量ボディ+1.4Lターボ 新型『スイフトスポーツ』
日常の使い勝手もよく、手軽にサーキット走行を楽しめるコンパクトスポーツカーとして人気なのが、ZC31以降の、ZC32、ZC33、「スズキ」の『スイフトスポーツ』。そのなかのZC33が、昨年秋に登場した新型。31、32が1.6リッターNAエンジンだったのに対して、”33″は1.4リッターの直噴ターボになり140psを発生し、歴代最高の出力。しかも、新型の車重は1トン切り、新車の価格帯も200万円以下。軽自動車までとは言わないがこの車重の軽さに140馬力は、専門家をもアッと言わせるほど走りは軽快。そのためサーキットでは、それを受け止める足まわりの強化はしておきたい。
本格派にも根強い人気の「ホンダ」VTEC系
EGやEK型式と言えばひと昔どころかふた昔前のクルマになるので初心者向けではないが、ストイックな競技系の方々に、まだまだ人気の古い目のシビック。レースカーそのものに仕立てて、甲高いVTECサウンドを響かせて走る姿が定番。そんな流れを汲む「ホンダ」ファンが、次の世代の『シビック タイプR(FD2)』や『S2000(AP1/AP2)』などを持ち込み、目を三角にして……というよりは、オトナな感じでサーキットを転がしているシーンもよく見かける。ホンダ車専門のチューニングパーツメーカーからリリースされている、吸排気系やコンピューターによるライトチューンが主流だ。
こだわりのインポート系もじわじわ増殖中
ライトウエイトスポーツカーはもちろん世界にもたくさんある。インポートカーでサーキット走行を楽しむ人たちも多い。国産にはないヨーロッパ仕込みのオーラを放つコンパクトカーが走っている姿は掛け値なしでお洒落。インポート系も挙げるとキリがないが、エンジョイ系のサーキット走行で見かける確率が高いのが、『フォルクスワーゲン ゴルフ』や『BMW ミニ』といったところ。それらのスポーツグレードはフルノーマルでも、十分にサーキット走行を楽しめるポテンシャルを持っているのはさすがといえるだろう。
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