2026年の排出ガス規制に準拠できず
ポルシェのGT部門責任者であるアンドレアス・プレウニンガー氏によれば、最高出力510psを誇るポルシェ911 GT3の自然吸気フラット6は、ターボ化も電動化もされずに販売されるのはあと2年程度だという。
【画像】510馬力の高性能スポーツカー、自然吸気フラット6もこれで最後?【改良新型ポルシェ911 GT3を写真で見る】 全17枚
この4.0L水平対向6気筒エンジンは2018年デビューの「991.2」世代からGT3に搭載されており、911 S/T、911 GT3 RS、718ケイマンGT4 RS、718スパイダーRSにもさまざまなチューニングで使用されている。
過給器やハイブリッド要素を備えていない2つのポルシェエンジンのうちの1つであり、もう1つは、718ケイマンGTS 4.0と718ボクスターGTS 4.0に搭載される4.0Lフラット6だ。
しかしプレウニンガー氏は、現在の形ではますます厳しくなる排出ガス規制に準拠できないため、改良新型911 GT3(10月19日発表)がその最後のモデルになる可能性を示唆している。
2026年から適用される新基準ユーロ7について、プレウニンガー氏はAUTOCARにこう語った。「法律が施行されなければ、永遠に生き続けることができます。電動化やターボなしでユーロ7に対応できるとは思えません。(現状では)あと2年はこのクルマを売ることができますが、市場次第です」
911 GT3における1つの解決策は、911 GTSで採用されている新しいハイブリッドシステムのバリエーションに変更することだろう。3.6Lターボエンジンと電気モーターを組み合わせ、最高出力480psを発揮するものだ。ライバルとなるランボルギーニやフェラーリは現在、すべてターボかハイブリッドのパワートレインを採用している。
しかし、プレウニンガー氏によると、GT3とGTSでは使用状況が異なるため、別のパワートレインが必要だという。
「GTSにとって、これは素晴らしい(パワートレイン)です。ストレートではGT3と同じくらい速いし、スタートダッシュではもっと速いかもしれない」
「ですが、そこは気にしていません。GT3にとってストレートとは、2つのカーブのつなぎ目なんです。このシステム自体は、スポーツカーを電動化するための正しいアプローチですが、GT3で使わないのには理由があります。標準のカレラに搭載されているトランスミッションであるPDK IIを使う必要があるのですが、これは “スポーツ” PDKよりも20kg以上重いのです」
Q&A – ポルシェGT部門責任者、アンドレアス・プレウニンガー氏
――改良型911 GT3の最高出力は以前と変わりません。510psを維持することも難しかったのでしょうか?
「新型車はユーロ6 “AP” に準拠しており、窒素酸化物を3分の1、粒子状物質の排出を40%削減しています。9000rpmで(同じ)パワーを維持すること、ターボチャージャーや電動化を避けること、これが最大の課題でした。なぜなら、それがお客様の望むものではないことはわかっているからです。また、ターボチャージャーや電動化は車体後部に重量を加えてしまいます」
「そのため、クルマを重くして純粋さを損なうのではなく、ファイナルドライブ比を下げて、もう少し生き生きとしたクルマにしたいと考えました」
――GT2モデルを復活させる予定は? ノルドシュライフェでプロトタイプと思われる車両を見たことがあります。
「あれはあくまでもコンセプトカーであって、発売間近のニューモデルではありません。わたしの内なる願いはGT2 RSを作ることですが、今後数か月以内に実現することはないでしょう」
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みんなのコメント
自動車生産国がバッテリーの製造国をリスク分散して選んだとしても、
原料の多くは中国産。 中国次第で翻弄されてしまう構造。
対して水素なら多くの国で生産できる。
内燃機関も活かせる。
早々に電動化に偏るのは危険だと思う。