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キャデラックとの7年間の旅を終えるバン・デル・ザンデ、プチ・ル・マンでは“有終の美”を目指す/IMSA

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キャデラックとの7年間の旅を終えるバン・デル・ザンデ、プチ・ル・マンでは“有終の美”を目指す/IMSA

 レンガー・バン・デル・ザンデは、今週末ロード・アトランタで開催される『モチュール・プチ・ル・マン』を、キャデラックでの7年間のキャリアの最後を「華々しく飾る」機会と見ている。

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権を代表するイベントであるロレックス24・アット・デイトナ(デイトナ24時レース)で二度の総合優勝を誇る彼は、ミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタでの10時間レースの準備段階で、これがGMブランドでの最後のスタートになることを明らかにした。

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 バン・デル・ザンデは2018年にウェイン・テイラー・レーシング(WTR)に加わって以来、キャデラック・ドライバー陣の常連だった。インディアナを拠点とするチームで3シーズンを過ごした彼は、2021年に現所属チームであるチップ・ガナッシ・レーシング(CGR)に移籍している。

 このオランダ人ドライバーのキャデラックでのハイライトは、デイトナで達成した2019年と2020年の連続優勝、そしてプチ・ル・マンでの2度の優勝だ。

「キャデラックは、僕たちが何のためにここにいるのかを、つねに非常によく理解してくれていると思う」とバン・デル・ザンデはSportscar365に語った。

「彼らはレーシングブランドであり、本当にレースをしたいと思っている。それと同時に、ガナッシのようなチームの一員であることは名誉なことだった。このスポーツから生まれたふたつのビッグブランドとつながりを持つことができたのは、僕にとって本当にクールな冒険だったと言える」

 01号車キャデラックVシリーズ.Rでペアを組むバン・デル・ザンデとセバスチャン・ブルデーは、10月12日(土)に決勝が行われる2024年シーズンの最終戦を前に、ポイントリーダーのフェリペ・ナッセ/デイン・キャメロン組(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/6号車ポルシェ963)に164ポイント差をつけられており、逆転でGTPタイトルを獲得するのは不可能ではないものの難しい状況にある。

 バン・デル・ザンデは自身も認めているように、タイトル獲得の可能性には焦点を当てておらず、むしろプチ・ル・マンをキャデラックとガナッシとともに最高の状態で自分の章を締めくくる機会と捉えている。

「プチでフィニッシュすること自体が功績だ」とバン・デル・ザンデ。「タフなレースだ。何かがうまくいかないと、すぐに捕まってしまう」

「だが、同時にプチ・ル・マンは、ドライバーとしての自分にとって、ガナッシと一緒に最後の大成功を収めるチャンスでもある」

「チャンピオンシップでなにかを期待するのは現実的ではない。選手権2位がせいぜいだろう。果たして、それは本当に僕たちが戦うべきものだろうか? そうではないと思う」

「もちろん、本当にチャンピオンシップを獲りたかった。だけど、そうはいかなかったから、この最後のレースで優勝したいんだ」

■チャンピオンに輝くチャンスはあった

 バン・デル・ザンデは、これまで何度もキャデラックでタイトルに近づいてきた。その最たる年は2020年だ。この年はエリオ・カストロネベスとリッキー・テイラーのアキュラ・チーム・ペンスキー組にわずか1ポイント差で敗れ涙をのんだ。

「たくさん勝ってきたと思う。でも、もっと勝ちたかった」と彼は言った。

「過去の選手権を振り返ると、かなりの苦労やトラブルがあった。毎年思うことだが、それらがひとつでも少なければチャンピオンシップを制することができたと思う」

「だから、ある意味では少し残念だったし、とくにガナッシとの4年間はもっと優勝したかったのだけど、それが現実だ。選手権に出場するのであれば、チャンピオンシップで優勝することが究極の目標だが、ついに果たせなかった。だから、そのことについては間違いなく満足していない」

 キャデラック時代の一番の思い出について尋ねられた彼は、「全体像」と「バーで自慢できるような勝利」を超えたところに目を向ける意欲を示した。

「レースに携わっている人々やレースの外にいる人たちにとっては、デイトナで2度の優勝したことがつねに記憶に残っていると思う」とバン・デル・ザンデは語った。

「しかし同時に、僕がこの選手権で非常に気に入っているのは、セブリングやプチ・ル・マンのようなレース、数年前に出場したミド・オハイオのようなレースだ」

「中には大観衆が見ないレースもあるが、トラック上での楽しさやレースに勝つために懸命に戦わなければならないドッグファイトの数を考えると、それは僕の記憶に残るものなんだ」

「大局的に見れば、大きな勝利はバーで自慢できるもの、テレビで自慢できるもの、そして記憶に残るものだ。しかし、僕が個人的に誇れる瞬間は、誰も見ていないレースでもあるんだ」

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