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海外F1記者の現場勘|角田裕毅はレッドブルに、自身の力を”最大限”証明してきたはず……そして気になるホンダとの関係

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海外F1記者の現場勘|角田裕毅はレッドブルに、自身の力を”最大限”証明してきたはず……そして気になるホンダとの関係

 セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング)の不調が続く中、早くも後任候補の名前が噂されているが、今季好調な走りを続ける角田裕毅(RB)が”最有力候補”とする論調は少ないように見える。

 先日のハンガリーGPでも、唯一1ストップ戦略を成功させてポイントを獲得するなど、速さだけでなくタイヤマネジメントという点でも、非凡なところを見せている今季の角田。そんな角田を、海外のF1取材陣はどう見ているのか?

■海外F1記者の現場勘|角田裕毅はレッドブル陣営内で“過小評価”されている? 「まるで実力を把握したくないかのよう……」

 レッドブル・レーシングの絶対的エースであるマックス・フェルスタッペンの母国、オランダ版のmotorsport.comでF1レポーターを務めるロナルド・ボーディングに、「レッドブルは角田を過小評価していると思うか?」と尋ねてみた。

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 簡単に答えると、過小評価していると思う。

 RBがジュニアチームであるなら、なぜ角田裕毅がそのジュニアチームで4年目を迎えているにもかかわらず、レッドブル・レーシングのテストを受けられなかったその理由を説明するのは難しい。昨年から今年にかけ、彼がレベルアップしていることを考えると、これはさらに驚くべきことだ。

 2022年限りでピエール・ガスリーがレッドブル・ファミリーを去った後、角田はキャリアにおける次のステップを踏み出さねばならなかった。ニック・デ・フリーズがチームに加入し、レッドブル陣営の内部では常にプレッシャーがかかっていたはずだ。しかし角田は、2023年以降もF1でのキャリアを続けていくためには、内部闘争に負けるわけにはいかないことは分かっていた。

 でも実際には、まったく逆のことが起きた。角田はデ・フリーズを圧倒し、今年はダニエル・リカルドと比較しても同じことが起きている。

 レッドブルでのチャンスを得るために、角田がもっと自分を証明するための方法は他に何かあるだろうか? 私はシルバーストンで、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表に、角田がレッドブルでのテストを受けたことがない理由について尋ねると、彼はこう言った。

「ユウキはレッドブル・レーシングのドライバーだ。彼はレッドブル・レーシングと契約している。そして彼が素晴らしいパフォーマンスを発揮していたので、契約を延長した。彼のパフォーマンスについては、よく分かっているつもりだ。だから、いずれテストを受けられるかもしれない。どうなるか分からないけどね」

 ホーナー代表は、RBのドライバー全員がレッドブル・レーシングと契約を結んでいるため、契約上の問題はなく、レッドブルのマシンに乗せることができると正しく指摘している。しかし本当のところは、レッドブルの首脳陣は角田のスピードについては評価しているものの、彼がF1のトップチームに所属することに伴うプレッシャーに耐えられるかどうか、そこに確信を持てていないということだろう。そのため、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして角田を起用するというリスクは冒していないのだ。

 フェルスタッペンのチームメイトというシートは、F1で最も難しいシートのひとつであると言える。そのことは、ガスリーやアレクサンダー・アルボン、そしてペレスの言葉を聞いてみてほしい。

 個人的には、角田がF1にデビューして以来数年の間に背負ってきた、無線で過激な発言をするという汚名が、今でも人々の彼に対する印象に影響を及ぼしていると思う。でも、それが今でも事実かどうかは疑問だ。

 いくつかの事件は別として、角田はデビュー当初と比べると、かなり落ち着いている。確かに、レッドブルがフェルスタッペンと組ませるというリスクを負いたくない理由も理解できる。しかし角田の立場からすれば、リアム・ローソンもしくはリカルドが昇格することになれば、自分の方が一貫して速かったのに……と、辛い気持ちになるのは間違いない。

 そして最後の疑問は、ホンダがレッドブルを離れ、アストンマーティンとの提携を開始する2026年以降、角田に何が起きるのかということだ。ホンダのある人物は、角田がレッドブル・パワートレインズのPUを搭載するマシンでレースをすることになっても、経済的なサポートを続けることができると私に話してくれた。しかし同時に、彼がビッグチーム(つまりレッドブル)のドライバーとして考慮されないのであれば、さらに何年もの間ジュニアチームに留めておくことに何の意味があるのか? そういう疑問も浮かぶ。

 これは難しい問題だ。特に角田本人としては、ここ1年半でやってきた以上のことは、証明のしようもないはずだから……。

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