大型キドニーグリルに変化あり 新型BMW iX登場 航続距離701kmと新機能追加で競争力アップ

効率性を大幅向上　最高出力は659psへ

BMWのフラッグシップEVである「iX」が一部改良を受け、出力と効率性の向上により航続距離が701kmに伸びた。

英国では5月に発売予定で、価格は7万4400ポンド（約1430万円）から。アウディQ8 eトロンやボルボEX90といった高級電動SUVのライバルとなる。

スタイリングには若干の変更が加えられただけだが、内部は大きく進化している。BMW iXのプロダクトマネージャーであるマリサ・ハマーセン氏は、「可能な限りのあらゆる分野で効率を最適化すべく努力した」と述べた。その一例として、点灯時の電力消費量が少ない新型ヘッドライトの採用が挙げられる。

また、電力損失を減らす新しいシリコンカーバイド・インバーターの導入、駆動系の調整、電子機器の改良などを実施。パフォーマンスを最大限に引き出す設定や、効率を最大限に高める設定など、新しい走行モードも追加された。

これまで通り、英国仕様のiXには3つのバリエーションが用意され、それぞれにデュアルモーター式の四輪駆動パワートレインが搭載される。性能向上を強調するために、従来のiX 40とiX 50はそれぞれ「iX 45」と「iX 60」に名称変更し、高性能モデルのM60は「M70」となった。

エントリーグレードのiX 45は、最高出力408ps（従来比82psアップ）と最大トルク71.3kg-mを発生する。新型の94.8kWhバッテリーを使用し、電費は4.8km/kWhで、航続距離は最大602kmである。スポーツおよびMスポーツ仕様で提供されるiX 45の英国価格は7万4400ポンド（約1430万円）で、若干の値上げとなった。

iX 60はMスポーツ仕様のみで、価格は9万2200ポンド（約1770万円）から。最高出力544ps、最大トルク78.0kg-mを発生する。英国仕様の航続距離は、新型109.1kWhバッテリーにより685kmを実現した。これは、従来型から最大55kmの増加となる。iX 45とiX 60の最高速度は200km/hに制限されている。

M70は、ローンチコントロールモード使用時で最高出力659psと最大トルク112kg-mを発生する。専用の高性能バッテリー（108.9kWh）を搭載し、航続距離は600km。最高速度は250km/hで、価格は11万3300ポンド（約2180万円）である。これは、従来のiX M60の12万4605ポンド（約2390万円）から大幅な値下げとなる。

iX 45は175kWの速度で充電できるが、上位モデルはどちらも最大195kWに対応する。

BMWによると、今回導入されたバッテリーは、使用可能なエネルギー量を約30％増やした新しいセル技術を採用しているという。改良型iXはAC充電器で22kWでの充電も可能で、効率性を高めるための新たなヒートポンプも搭載している。また、航続距離を25％伸ばすことができる「マックスレンジ」など、新機能が備わる。

各モデルの出力特性に合わせ、シャシーとサスペンションが調整された。引き続きエアサスペンションではなくスチールサスペンションを採用し、ダンパーの改良によりコーナリング時の安定性を高めている。英国では21インチと23インチのホイールから選択できる。

最上位のM70には、アクティブ・リア・ステアリング、改良されたライドコントロール、Mスポーツブレーキが標準装備される。

全モデルに共通する主なエクステリアの変更点は、大型キドニーグリルだ。このグリルパネルの内部には、運転支援システム用のセンサーの多くが収められている。新デザインでは、キドニーグリルとLEDヘッドライトの両方に縦のライン要素が取り入れられており、ハマーセン氏によると、これは「キドニーの存在感を減らす」ことを意図したものである。

内装では、Mスポーツ・パッケージ装備車には、新しい多機能シートやMステアリングホイールなどが追加されている。

改良型iXは引き続きドイツのディンゴルフィン工場で生産され、今年上半期に納車が開始される予定である。

Comments

[rav********]

＞スタイリングには若干の変更が加えられただけだが、
ここをもっと大きく変更すべきでしょ。特にアホみたい大きさのキドニーグリル。自分らじゃどうにもできないから放置なのか？

[gafa]

4の呪いまだ続くのか、、、