『クラス1』規定の合意によってますます近くなってきたスーパーGTとDTM。2019年に予定されている日本とドイツでの交流戦を前に、DTMに参加している3メーカーの首脳陣にDTMの今季、そしてスーパーGTとのコラボへの期待を聞いた。第1回目はアウディスポーツのディータ・ガス代表に直撃した。
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──今シーズン、ここまでのDTMでの戦いにどのような印象を持っていますか。
「今シーズンはチャンピオンを狙うのは現実的ではないので、それぞれのレースでベストな結果を出すために集中しています。昨年の冬に空力面のレギュレーションが大幅に変更され、昨シーズン、ドライバー、マニュファクチャラーそしてチームとタイトルを独占したアウディの最大の強みがなくなってしまいました。今シーズンは厳しい戦いです」
──厳しい状況のなか、自動車メーカーとしてのアウディがモータースポーツ活動を行う一番の目的は何ですか?
「理由は主に2つです。ひとつはアウディの技術力を広くお客さまに披露すること。もうひとつはアウディ・ブランドの訴求です。自動車メーカーにとってブランドイメージ構築のためのマーケティング活動はとても重要で、そのためにモータースポーツは非常に大きな役割を果たしています」
──今シーズン限りでメルセデスが撤退しますが、今後、DTMが自動車メーカーを惹き付けるためには何が必要だと思いますか?
「今のDTMには、自動車メーカーを惹き付けるために必要なすべてがそろっていると感じています。クルマのパーツの多くが共通部品に統一されて参入コストが下がり、費用対効果の高いシリーズです。さらに共通部品の採用はマシン性能の拮抗にもつながり、新しいメーカーも参戦開始直後から、ある程度、良い戦いができるはずです。アウディとしてはフォーミュラEにも力を入れており、Eモビリティなど新しいテクノロジーへのチャレンジを行う一方で、伝統的なモータースポーツであるDTMには参戦を続けます」
──『クラス1』レギュレーションが発表されましたが、内容には満足していますか?
「満足しています。(クラス1によって)現在DTMに参戦している我々にとっても、これからの参入を考えている自動車メーカーにとっても、さらに魅力あるシリーズになる事は間違いありません。DTMには(メルセデス撤退後)3社目のメーカーが必要ですが、新しいチームを誘致できる基礎は整ったと思います」
──ところで、スーパーGTを実際に見たことがありますか? その時の感想を教えてください。
「2年前にSUGOに行きました。すごく霧が出て予選開始が遅れたのを覚えています。カントリーサイドのサーキットで木に囲まれ、アップダウンやタイトなコーナーが多いところは、『小さなニュルブルクリンク』の様で面白いコースだと思いました(笑)」
「スーパーGTそのものについても、とても良い印象を持ちました。パドックの雰囲気、ピットウォークの人の多さなど、とてもうまく運営されていました。DTMと比べると、SGTの方が少し地に足の着いた純粋に『スポーツ』といった感じですね。DTMは、マーケティング活動にかなり力を入れていて少し豪華すぎる傾向もあります……」
「個人的にはスーパーGTのスポーツ色の濃い雰囲気が好きですが、それぞれに理由や目的があっての事なので、どちらも素晴らしいシリーズだと思います。レースそのものも、DTMで行われるマキシマムアタックのスプリントレース、スーパーGTで見られるGT300との混走やロングディスタンスの戦いと、それぞれ異なった魅力があると思います」
──『クラス1』レギュレーションによって、スーパーGTとDTMのマシンが戦うシリーズの実現は可能だと思いますか?
「もちろんです。アウディがワークスとしてスーパーGTに参戦するかどうかは分かりません。今のところは具体的な計画はありませんが、間違いなく興味深いプロジェクトになると思います」
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