メルセデスAMGが完全独自開発した「GTクーペ」に、小川フミオが乗った!
電子制御てんこ盛り!
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クルマっていえばエンジン。エンジンっていえばやっぱりV8だよなぁ……という人に、ぜひ勧めたいのがメルセデスAMGのGT63 4MATIC+クーペだ。2023年8月に披露された新型に、24年7月、いよいよ試乗が叶った。大排気量多気筒エンジンの魅力を堪能できる仕上がりだ。
14年に初代がデビューしたとき、長いボンネットに、後車軸の上に腰かけるというぐらい後退したキャビンというオーソドクスなスポーツカーレイアウト、それに、大トルクを活かした迫力の走りが印象的だった。
9年ぶりにフルモデルチェンジした新型は、洗練度が上がりつつ、太いトルクによる力強い走りの魅力はしっかり継承されている。
新型GT63 4MATIC+クーペの特徴は、スポーティな走りを追求するための軽量化がひとつ。アルミニウム、マグネシウム、繊維複合材などをふんだんに使い、同時に剛性アップも実現している。
もうひとつは、それでいて、フレキシブルな操縦性をもつこと。ガンガンとばしても楽しいいっぽう、あんなカッコをしているのに、街中を流していても楽チン。いい意味で多面性をもったモデルなのだ。
430kW(585kW)の最高出力と800Nmの最大トルクという、大パワーを発生する4.0リッターV8エンジンをフロントに搭載。パワーだけを追求するのでなく、低速では振動を伝えないようソフトに、高速やスポーティな走りのときにはシャシーと一体化するようにハードにと、自動制御するダイナミックエンジンマウントを採用している。
あらゆる点で凝っているのが特徴だ。変速機は湿式多板クラッチを採用した9段の「AMGスピードシフトMCT」。新型では従来の後輪駆動から、前後トルク配分を連続可変する「AMG 4マチックプラス」なる駆動システムへと変更された。
AMG 4マチックプラスは、前後トルク配分をドライブモードや走行状態に応じて調整していくシステム。前後50対50から、完全な後輪駆動まで、切れ目なく変化させていく。
加えて、足まわりはAMGアクティブライドコントロールサスペンション。後輪操舵システムも装備される。操縦性に関するところには、もれなく手のこんだ電子制御が採用されているのが、新型GT63 4MATIC+クーペの特徴だ。
唯一無二ともいえるスポーツモデルトータルの印象としては、まったくもって不自然さがない。パワーに振りまわされることもない。あらゆる運転スタイルにフィットする。
ドライバーズシートに身をあずけ、長いボンネットの眺めと、V8エンジンによるドローン音を聞くだけでも、新型GT63 4MATIC+クーペに乗った意味があると思える。
コンフォートモードで走るのも悪くないが、430kWエンジンによるパワフルさの片鱗を味わうにはドライブモードを「S(スポーツ)」、あるいは「S+」にすると、このクルマに乗ってよかった! と、思えるだろう。
足まわりがしゃっきりして、さきにダイナミックエンジンマウントのおかげだろうか、クルマと運転している自分との一体感が生まれる。電子制御の力とはいえ、二面的なキャラクターをじつにうまく作り分ける技術には感心。
新型はホイールベースが70mm延長されているし、オプションで前席の背後に荷物置きではなく、小さなシートを設けて2プラス2も選べる。それでもスポーツモードに入ったときの動きは、ピュアスポーツカーに近い。
思い切りドライブを楽しむには、全幅1985mmという車体幅が少しやる気をそぐけれど、できればサーキットで適度なスポーツ走行を……というのがいちばんの楽しみかもしれない。
空力性能と冷却性能を適宜最適にするため、自動で内部のルーバーが角度を変える電子制御式エアパネルが組み込まれた台形のフロントグリル。ここには、あえて太い縦バーが入れられ、吊り目タイプのヘッドランプユニットとともに、かなりアグレッシブな印象。その下に大きなエアダムがそなわる。
それでも、このデザインが好きで、ふだん乗りにも使いたいってひとがいたら、もてあますことなく乗っていられると思う。試乗車には、クロスステッチ(菱形のステッチ)が入ったマキアートベージュ色のナッパレザーのオプションシートも装着されていて、車内の印象はラウンジのよう。
スポーツカーメーカーなら、ここまでラグジュアリアスな雰囲気は選ばないかもしれないが、そこが、セダンからSUVまで手がけるメルセデスAMGの独自性になっている。「Sクラス」のオーナーが乗り換えて、なんのためらいもなく、おなじように操作して走りだせる。
既発のメルセデスAMG SLロードスターがフルオープン仕様だとすると、こちらはクーペ仕様。スタイルに応じて選ぶ楽しみができた。
なにはともあれ、ここまでお金をかけて、唯一無二ともいえるスポーツモデルを作りあげるのがメルセデスAMG流。エレガントでスポーティという、従来から大事にしてきた価値は、いちど味わう価値がある。
文・小川フミオ 写真・小塚大樹 編集・稲垣邦康(GQ)
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