都市部での使用を想定した作り
text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
ダチアは、初のEVであるスプリング・エレクトリックを発表した。市販モデルのほか、カーシェアリングや商用バンとして2021年初めに発売される予定だ。
スプリングは中国で生産され、初期はカーシェアリング会社を主要顧客として欧州本土で販売されることなっている。英国での販売はまだ確認されていないが、可能性はあるようだ。
昨年コンセプトとして公開されたスプリングは、親会社ルノーの中国市場向け小型車であるK-ZEをベースに、都市部での使用を想定して設計されている。乗用車だけでなく貨物車としての使用も想定している。
パワートレインには44psと12.7kg-mを発生する電気モーターを使用し、26.8kWhのバッテリーを搭載している。
これにより、WLTP複合サイクルでの航続距離は225kmとなり、CCS DC充電器から最大30kWの急速充電が可能だ。最高速度は時速100kmに制限されているが、旋回半径はわずか4.8mと狭い街中での使用に焦点を当てている。
全長は3.73mで、ダチアの新型サンデーロよりも0.35m短いが、大人4人が乗れるスペースがあるという。トランク容量は300Lで、リアシートを倒すと600Lになり、フロントには23Lの収納スペースが確保されている。
インテリアは、アナログメーターに3.5インチのデジタルディスプレイを備えている。オプションで7.0インチのタッチスクリーン・インフォテイメントシステムが用意されており、音声コントロールやApple CarPlay、Android Autoが搭載される。
ダチアは価格設定の詳細を公表していないが、市場に出回っている新車の中で最も低い総所有コスト(購入費およびランニングコスト)を実現するとしている。
カーシェアリング仕様は欧州の一部の国で導入され、耐久性のある人工皮革シートと14インチホイールを装着する。一方、商用バンの貨物仕様は後席を取り外し、荷物容量800L、積載長1033mmを実現する。
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