この記事をまとめると
■「Formula Gymkhana 2025」のラウンド1が5月10・11日に開催された
企業が多大なコストをかけてまで学生モータースポーツを応援するワケは? 「Formula Gymkhana」の協賛企業「ダンロップ」「RS★R」「BRIDE」を直撃した
■金沢大学自動車部はラウンド1で2位に入り11月の決勝大会にコマを進めた
■金沢大学自動車部の学生による「Formula Gymkhana 2025」の参戦リポートをお届け
参加学生から見た「Formula Gymkhana 2025」
こんにちは、金沢大学自動車部の竹内琉偉(たけのうち るい)です。2025年5月10・11日に三重県鈴鹿ツインサーキットにて行われた「Formula Gymkhana 2025」予選会ラウンド1に、金沢大学のドライバーとして参戦しました。
私も今年で4年生。大学生活も自動車部も残り1年となった年に、「Formula Gymkhana」という競技会を初めて知りました。他大学と同条件で競える絶好の機会。ジムカーナの経験は浅いですが、思い切って飛び込みました。
私は幼いころからフランス車と触れ合ってきたこともあって、2003年式のプジョー106に乗っています。競技には出さず、遠くへドライブに行くことが中心です。それだけでは飽き足らず、クルマで思いきり走れる機会がほしかったため自動車部に入りました。
金沢大学自動車部のメインの活動は福井県のタカスサーキットで行われる軽耐久への参加です。普段はゆるくおしゃべりをしたりドライブをしたりと、部員みんなで仲良く活動しています。入部当初はコロナ渦で廃部寸前の状態になっていましたが、少しずつ部員も増えて、いまでは20人を超える規模に。こうして大会に出場する機会も増えてきました。そのなかでもフォーミュラジムカーナは金大自動車部復権の第一歩です。
この大会は学生が企業をよく知るための、いわば就活イベントとしての役割も果たしていました。昼食時に私たち自動車部はダンロップの採用担当者とじっくりお話をさせていただくことができました。企業の方というとどうしても自分たちとは遠い世界の存在である印象がありますが、話してみて伝わってきたのは、彼らもまたクルマ好きのひとりであるということです。広報担当者の自動車部時代の話も聞かせていただきました。
このような方々が自動車業界に関わっていることで、ユーザーの私たちも安心してその部品を使うことができます。部員のひとりが交流会に熱心に取り組みすぎて脱水症状まで起こしてしまうハプニングもありましたが、それだけ学生と企業がお互いにアピールし合えるよい機会でした。
初参加での望外の結果に歓喜と反省
さて、走行のリポートに移りましょう。前日の練習日からジムカーナの経験が豊富な知り合いが現地に来て、そのアドバイスを受けながらセッティングを煮詰めていきました。最終的にフロントの減衰を10段戻し、リヤは5段戻し、空気圧は2.0barでセッティングすることにしました。数値以上にタイヤローテーションに気を使いましたが、どうやったかは秘密です。機会があれば決勝後にお伝えしましょう(笑)。
予選本番。私は第1走者にあたるAドライバーを務めました。チームの一番手ともあり緊張してしまい、第1ヒートでは硬い走りになってしまいました。ほかのドライバーも突っ込みすぎたりリヤが流れ過ぎたりと思うように走れませんでしたが、それでも第1ヒート終了時には総合4位。タイム短縮が大きく望めるなかでのこの順位でしたから、チームの士気は一段と上がりました。
第2ヒートではプレッシャーに真正面から向かうようにアグレッシブに走りました。それが功を奏したのか、1本目から4秒のタイム短縮に成功し、チームの順位を一気に2位まで押し上げました。走行後に聞いた話では、パイロンチェックが2回も入っていたらしく、見ている側の心臓に悪かったそうです。
残りのふたりも2秒近くタイムを短縮し、終わってみれば総合2位という望外な結果になりました。予選後、金沢大学のピットは大騒ぎだったかと思いきや、一番上手いCドライバーが思ったよりタイムを伸ばせなかったことで、2位でありながらみんなで正座して反省するというなんとも奇妙な光景が見られました。
じつは初めてのFR車でしたが、GR86は本当に乗りやすいクルマでした。まったく恐怖心もありませんでした。ハンドルを切ったら切っただけ曲がり、ブレーキもしっかり止まります。車幅が広いわりに、パイロンに思い切って寄せられます。ラフにアクセルを踏むとリヤが出てしまいますが、マイルドに滑るため制御がしやすいです。滑りはじめるときも、まるでクルマのほうから「はいこれから滑ります」と教えてくれているくらいにわかりやすいです。シケインが多いレイアウトでクルマを右へ左へ振り返す動きを多用しましたが、思い切って荷重を移動するのが楽しいクルマでした。
初参戦ながら決勝まで駒を進めることになりましたが、改めてこのイベントに携わっている方々の協力には頭が上がりません。何から何までサポートしてくださり、ドライバーは安心して走行に集中できました。学生という立場にフォーカスした交流会も用意されており、振り返ってみると本当に充実した時間でした。
決勝では至らぬ点をさらに改善して表彰台の頂点に立ちたいです。
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