ハースF1はこれまでチーム代表を務めてきたギュンター・シュタイナーを更迭し、今シーズンから新たに小松礼雄をチーム代表に迎え、コンストラクターズランキング最下位からの脱却を目指している。
小松新代表は、チームオーナーのジーン・ハースが最近、チームが最下位であることについて「もっとうまくやれないものかと恥ずかしく思っている」と発言するなど、現状に不満を抱いていることについて当然のことだと考えているようだ。
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ハースはフェラーリと強固な関係を築き、技術的なサポートやパーツの供給を受けてきた。しかし2023年はコンストラクターズランキング最下位に甘んじることとなり、ジーン・ハースは「変化を起こし、違う方向性を試すのに適切な時期」だとして、シュタイナーと袂を分ち、小松を新代表に起用することを決断した。
小松新代表は、ジーン・ハースが抱える不満はもっともだと考えている。
「ジーンは、グリッド最後尾から抜け出したいと思っています」
小松新代表はそう語った。
「ジーンがどれほど満足していなかったのか、それはお聞きになったでしょう。最下位になって喜ぶ人は誰かいますか? それは恥ずかしいことですよ。本当に恥ずべきことです」
「ジーンが我々の現状に不満を抱いているのは、間違いないと思います。もしチームの人たちが『僕らは今最下位だけど、ジーンが何も言わないからどこを目指すべきか分からない』と言ったとしても、ジーンが10位で満足していると考えますかね? 明らかにそうではないと思いますよ」
「ジーンは本気です。彼はチームを改善したいと考えている。だから一緒にやろう! そういうことが、このチームにいる全員にとってのモチベーションになっています」
ジーン・ハースは、F1全戦に帯同するわけではない。しかしグランプリを訪れた際には実践的なアプローチを取り、特に技術的な問題に細心の注意を払うことで知られている。さらに、チームの改善を促すジーン・ハースの直接的なアプローチは、小松新代表にとっても歓迎すべきモノだという。
「彼はとても情熱的なんですよ」
そう小松新代表は言う。
「彼は必ずしもF1チームの細かいところまで全てを理解しているわけではないかもしれないです。でも、少なくとも彼は、チームに何を求めるかということについて、明確な方向性を示してくれました」
「それをどうやって達成するかが、僕が他のメンバーと共に行なう仕事です。僕ひとりではできないですし、そういうつもりもありません。チーム全体が団結する必要があります。でも少なくとも僕は、ジーンが何を望んでいるかを理解しています」
小松新代表はかつて、ロータス/ルノーに在籍していた経験がある。現在のようにチームオーナーがチームの動向を細かく気にしていることは、上層部に熱意がほとんどなかったロータス/ルノー時代よりもはるかに良い状況だと感じているという。
「ジーンは積極的に関わってくれますし、情熱的ですよ。それは良いことだと思います」
小松新代表は言う。
「このチームにやって来た時に僕が感じた違いのひとつは、以前のチームとの差でした。以前のチームでは、オーナーたちは全く興味を示しませんでした。彼らにとっては、ただの投資に過ぎなかったんです」
「彼らはレースのことなど気にしていなかったんです。彼らが興味を持っていたのは、古いF1マシンでサーキットを走ることだけでした。つまり成績についてはほとんど気にしていなかったんです」
「それはとても残念なことでしたよ。2016年にこのチームに来て最も新鮮だったのは、オーナーのジーン・ハースが、チームにとても情熱を抱いてくれたことです」
「冬のテストのことを覚えています。マシンにトラブルが発生したんですが、ジーンはハードウエアや機械的な部分に興味を持っていたので、ガレージでそのパーツを見ていたんです」
「何が問題なのか、それを理解することにとても興味を持っていました。オーナーが自分が投資していることに情熱を持つというのは、とても良いことだと思います」
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