現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 少々の時代遅れ感は否めない BMW M340i ツーリング 求めるすべてを叶えるワゴン(1)

ここから本文です

少々の時代遅れ感は否めない BMW M340i ツーリング 求めるすべてを叶えるワゴン(1)

掲載 14
少々の時代遅れ感は否めない BMW M340i ツーリング 求めるすべてを叶えるワゴン(1)

自分をイメージして開発したと思えるモデル

一般的に、自動車ジャーナリストはメーカーから試乗して欲しいクルマが指定される。その1台のことを真剣に考え、感じ取り、文章や映像へ印象をまとめる。改めて説明されるまでもないことだとは思うが。

【画像】求めるすべてを叶える BMW M340i ツーリング 競合クラスのステーションワゴン M3 ツーリングも 全139枚

しかし、過日に開かれたBMW X1の発表イベントでは、違うクルマのことが頭から離れなくなった。もちろん、新しいコンパクトSUVにも真剣に向き合った。だが、その会場で運転した別のBMWの方が、より強い印象を残してくれた。

X1の試乗をそつなく終えて駐車場へ戻ると、他のメディアが乗ったそれ以外のX1に紛れて、フェイスリフト後の3シリーズ・ツーリングが停まっていた。筆者は思わず会場の担当者へ声をかけ、周辺の道を試乗していいか尋ねてしまった。

自動車メーカーのデザイナーやエンジニアが、自分のような人物をイメージして開発したのではないか、と思えるモデルが稀にある。つまり、自らが求める内容と驚くほど一致しているクルマと出会う時がある。最近は、そんな機会は相当にレアだけれど。

それが、今回取り上げるガンメタリックのM340i xドライブ・ツーリングだ。心優しいBMWのスタッフは、X1のイベントがひと段落ついた時期に、筆者へしばらく貸し出してくださった。

少し時代遅れのクルマなことは否めない

正直なところ、少し時代遅れなクルマだということは否めないだろう。ステーションワゴンというボディスタイルが、現在は絶滅の危機にある。クロスオーバーやSUVに取って代わられ、ボルボですら、英国ではV60やV90の販売を終了すると告知している。

パワートレインも、排気量が3.0Lもある直列6気筒ガソリン・ターボエンジン。ダウンサイジングされた2.0L 4気筒ターボでもないし、駆動用モーターも載っていない。ターボの過給圧は低く、爽やかな秋風のように軽くトルクを高める程度だ。

それでもマイルド・ハイブリッドで、電圧48Vのスターター・ジェネレーター(ISG)が組み合わされている。アイドリングストップを滑らかにこなし、追い越し加速時などは優しく内燃エンジンをアシストしてくれる。

その仕草は至って自然。メカニズムに強い関心を抱かなければ、直列6気筒エンジン以外にパワーを生み出している存在があると、気付かないで過ごすM340iのオーナーもいらっしゃるだろう。

BMWマニアからは、折角ならM3 ツーリングを選べば良かったのに、と聞かれるかもしれない。筆者にはそんな友人はいないけれど。

最近、M3 ツーリングへ試乗する機会もあり、想像以上に素晴らしい印象を与えてくれた。同時に、毎日乗るクルマとして考えた時、M340i xドライブ・ツーリング以上の魅力までは感じられなかったことも事実だ。

ドーバー海峡を越えヨーロッパ大陸へ

間違いなくM3 ツーリングは速い。ドライバーすらノックアウトされそうな、鋭い加速を何度か試したが、給油時には燃費が悪化したという事実へ向き合うことになるはず。横方向のグリップ力も素晴らしいが、そこまで必要になる場面は限られるだろう。

ダンパーの減衰力も秀逸で、回頭性は一層鋭敏だった。ワインディングで時々走りを楽しむことはあると思うが、乗る度に硬めの乗り心地と付き合うことにもなる。覇気が薄れてきた中年の男性には、少々ハードすぎるようだった。

というわけで、このM340i ツーリングと筆者はしばらく一緒に暮らしている。子どもは独立し、夏を夫婦2人だけで過ごすのは25年ぶり。何年間も考えてきたことを、やっと実行することができた。

まず手始めに、自宅のあるグレートブリテン島の中西部、ウェールズ州から脱出。ドーバー海峡を越えてヨーロッパ大陸へ渡り、スイスからイタリア、スロベニア、クロアチア、ボスニアを巡るという保養も兼ねた自動車旅行を楽しむことにした。

旅程は2週間。5日ほどクロアチアの宿泊施設でのんびり過ごしたが、走行距離は合計5640kmに及んだ。これだけ運転すれば、M340i ツーリングの特徴をしっかり確認できる。魅力だけでなく、細かな弱点もしっかり表面化してくるものだ。

この続きは、BMW M340i ツーリング 求めるすべてを叶えるワゴン(2)にて。

こんな記事も読まれています

【MotoGP】プラマック、2024年限りでドゥカティ陣営離脱! 2025年以降はヤマハのサテライトチーム化を発表
【MotoGP】プラマック、2024年限りでドゥカティ陣営離脱! 2025年以降はヤマハのサテライトチーム化を発表
motorsport.com 日本版
[新型マツダ6]は直6ガソリン!? ロータリーエンジンの電動モデルも!? セダン・ワゴン改革が期待大すぎ
[新型マツダ6]は直6ガソリン!? ロータリーエンジンの電動モデルも!? セダン・ワゴン改革が期待大すぎ
ベストカーWeb
マセラティのV6「ネットゥーノ」搭載3車種をイッキ乗り!「MC20」「グラントゥーリズモ」「グレカーレ」の走りの違いは?
マセラティのV6「ネットゥーノ」搭載3車種をイッキ乗り!「MC20」「グラントゥーリズモ」「グレカーレ」の走りの違いは?
Auto Messe Web
ホンダ、新型フリードを6月28日に発売。e:HEV搭載ハイブリッドと1.5Lガソリンで250万円から
ホンダ、新型フリードを6月28日に発売。e:HEV搭載ハイブリッドと1.5Lガソリンで250万円から
AUTOSPORT web
ファッショナブルかつエレガントなメルセデス・ベンツCクラスの新しい4名乗りオープンカー「CLEカブリオレ」が日本デビュー
ファッショナブルかつエレガントなメルセデス・ベンツCクラスの新しい4名乗りオープンカー「CLEカブリオレ」が日本デビュー
カー・アンド・ドライバー
MotoGPオランダ|バニャイヤ絶好調! コースレコード更新でプラクティストップタイム。ビニャーレス2番手で追う
MotoGPオランダ|バニャイヤ絶好調! コースレコード更新でプラクティストップタイム。ビニャーレス2番手で追う
motorsport.com 日本版
ディフェンダーがピックアップトラックに!?ワイルド感あふれるモデルの正体は…?
ディフェンダーがピックアップトラックに!?ワイルド感あふれるモデルの正体は…?
グーネット
遂に「楽しい」電動スポーツ生誕! ロー&ワイドなボディにシザーズドア 新MGサイバースターへ試乗 
遂に「楽しい」電動スポーツ生誕! ロー&ワイドなボディにシザーズドア 新MGサイバースターへ試乗 
AUTOCAR JAPAN
人生初の愛車は日産「エクサ クーペ」部品取り車に「キャノピー」も所有するほど惚れた理由は、個性的なギミックにありました
人生初の愛車は日産「エクサ クーペ」部品取り車に「キャノピー」も所有するほど惚れた理由は、個性的なギミックにありました
Auto Messe Web
「未来のために白紙の状態から再スタート」新LMP2規定の仕切り直しにコンストラクター4社が同意
「未来のために白紙の状態から再スタート」新LMP2規定の仕切り直しにコンストラクター4社が同意
AUTOSPORT web
アストンマーティンF1、ストロールとの契約延長を発表。2026年までアロンソとのコンビを継続へ
アストンマーティンF1、ストロールとの契約延長を発表。2026年までアロンソとのコンビを継続へ
AUTOSPORT web
ハウガーがデュルクセンを0.008秒下して最速! フィーチャーレースのPP獲得。宮田莉朋大苦戦で21番手|FIA F2シュピールベルグ予選
ハウガーがデュルクセンを0.008秒下して最速! フィーチャーレースのPP獲得。宮田莉朋大苦戦で21番手|FIA F2シュピールベルグ予選
motorsport.com 日本版
名古屋まで100キロ信号なし“スーパー一般道”完成いよいよ秒読み! 国道23号「名豊道路」新IC名も決定!
名古屋まで100キロ信号なし“スーパー一般道”完成いよいよ秒読み! 国道23号「名豊道路」新IC名も決定!
乗りものニュース
ガスリーとの契約延長を喜ぶアルピーヌF1代表。オコンの後任は「時間をかけて決める」と主張
ガスリーとの契約延長を喜ぶアルピーヌF1代表。オコンの後任は「時間をかけて決める」と主張
AUTOSPORT web
異例の再有料化「八木山バイパス」 工事をNEXCOへ引き継ぎ 4車線化も間近!
異例の再有料化「八木山バイパス」 工事をNEXCOへ引き継ぎ 4車線化も間近!
乗りものニュース
「V12+6速MT」搭載! “700馬力”超え新型「斬新顔スポーツカー」世界初公開! 巨大ウイング&“センター4本出しマフラー”がカッコいい! 約4億円の「ヴァリアント」発表
「V12+6速MT」搭載! “700馬力”超え新型「斬新顔スポーツカー」世界初公開! 巨大ウイング&“センター4本出しマフラー”がカッコいい! 約4億円の「ヴァリアント」発表
くるまのニュース
メルセデスF1はついに殻を破った? ハミルトン悩ませた予選での苦戦原因を解明か。マシンよりも「単にタイヤの問題」
メルセデスF1はついに殻を破った? ハミルトン悩ませた予選での苦戦原因を解明か。マシンよりも「単にタイヤの問題」
motorsport.com 日本版
低調なペレスを擁護するレッドブルF1代表。一方で「今年の序盤の状態に戻る必要がある」と奮起を望む
低調なペレスを擁護するレッドブルF1代表。一方で「今年の序盤の状態に戻る必要がある」と奮起を望む
AUTOSPORT web

みんなのコメント

14件
  • zer********
    ワゴンが時代遅れ感があるってそんな事はない
    代車でM340ツーリング借りたけど、トルクも低回転からあるし4人乗車は全く問題なし
    それにこのサイズが一番扱いやすい
    それより日本は何でつまらん箱バンばかり皆んな乗りたがるのかねぇー???
  • nta********
    「一般的に、自動車ジャーナリストはメーカーから試乗して欲しいクルマが指定される。その1台のことを真剣に考え、感じ取り、文章や映像へ印象をまとめる。改めて説明されるまでもないことだとは思うが。」

    そんなジャーナリスト(何がジャーナリズムか分からないが)居る?メーカーに忖度ばかりで「いいねぇ」しか言わない。他にはカタログに書いてあることしか言わないのに何がジャーナリストだ!
    俺にもできる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村