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少々の時代遅れ感は否めない BMW M340i ツーリング 求めるすべてを叶えるワゴン(1)

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少々の時代遅れ感は否めない BMW M340i ツーリング 求めるすべてを叶えるワゴン(1)

自分をイメージして開発したと思えるモデル

一般的に、自動車ジャーナリストはメーカーから試乗して欲しいクルマが指定される。その1台のことを真剣に考え、感じ取り、文章や映像へ印象をまとめる。改めて説明されるまでもないことだとは思うが。

【画像】求めるすべてを叶える BMW M340i ツーリング 競合クラスのステーションワゴン M3 ツーリングも 全139枚

しかし、過日に開かれたBMW X1の発表イベントでは、違うクルマのことが頭から離れなくなった。もちろん、新しいコンパクトSUVにも真剣に向き合った。だが、その会場で運転した別のBMWの方が、より強い印象を残してくれた。

X1の試乗をそつなく終えて駐車場へ戻ると、他のメディアが乗ったそれ以外のX1に紛れて、フェイスリフト後の3シリーズ・ツーリングが停まっていた。筆者は思わず会場の担当者へ声をかけ、周辺の道を試乗していいか尋ねてしまった。

自動車メーカーのデザイナーやエンジニアが、自分のような人物をイメージして開発したのではないか、と思えるモデルが稀にある。つまり、自らが求める内容と驚くほど一致しているクルマと出会う時がある。最近は、そんな機会は相当にレアだけれど。

それが、今回取り上げるガンメタリックのM340i xドライブ・ツーリングだ。心優しいBMWのスタッフは、X1のイベントがひと段落ついた時期に、筆者へしばらく貸し出してくださった。

少し時代遅れのクルマなことは否めない

正直なところ、少し時代遅れなクルマだということは否めないだろう。ステーションワゴンというボディスタイルが、現在は絶滅の危機にある。クロスオーバーやSUVに取って代わられ、ボルボですら、英国ではV60やV90の販売を終了すると告知している。

パワートレインも、排気量が3.0Lもある直列6気筒ガソリン・ターボエンジン。ダウンサイジングされた2.0L 4気筒ターボでもないし、駆動用モーターも載っていない。ターボの過給圧は低く、爽やかな秋風のように軽くトルクを高める程度だ。

それでもマイルド・ハイブリッドで、電圧48Vのスターター・ジェネレーター(ISG)が組み合わされている。アイドリングストップを滑らかにこなし、追い越し加速時などは優しく内燃エンジンをアシストしてくれる。

その仕草は至って自然。メカニズムに強い関心を抱かなければ、直列6気筒エンジン以外にパワーを生み出している存在があると、気付かないで過ごすM340iのオーナーもいらっしゃるだろう。

BMWマニアからは、折角ならM3 ツーリングを選べば良かったのに、と聞かれるかもしれない。筆者にはそんな友人はいないけれど。

最近、M3 ツーリングへ試乗する機会もあり、想像以上に素晴らしい印象を与えてくれた。同時に、毎日乗るクルマとして考えた時、M340i xドライブ・ツーリング以上の魅力までは感じられなかったことも事実だ。

ドーバー海峡を越えヨーロッパ大陸へ

間違いなくM3 ツーリングは速い。ドライバーすらノックアウトされそうな、鋭い加速を何度か試したが、給油時には燃費が悪化したという事実へ向き合うことになるはず。横方向のグリップ力も素晴らしいが、そこまで必要になる場面は限られるだろう。

ダンパーの減衰力も秀逸で、回頭性は一層鋭敏だった。ワインディングで時々走りを楽しむことはあると思うが、乗る度に硬めの乗り心地と付き合うことにもなる。覇気が薄れてきた中年の男性には、少々ハードすぎるようだった。

というわけで、このM340i ツーリングと筆者はしばらく一緒に暮らしている。子どもは独立し、夏を夫婦2人だけで過ごすのは25年ぶり。何年間も考えてきたことを、やっと実行することができた。

まず手始めに、自宅のあるグレートブリテン島の中西部、ウェールズ州から脱出。ドーバー海峡を越えてヨーロッパ大陸へ渡り、スイスからイタリア、スロベニア、クロアチア、ボスニアを巡るという保養も兼ねた自動車旅行を楽しむことにした。

旅程は2週間。5日ほどクロアチアの宿泊施設でのんびり過ごしたが、走行距離は合計5640kmに及んだ。これだけ運転すれば、M340i ツーリングの特徴をしっかり確認できる。魅力だけでなく、細かな弱点もしっかり表面化してくるものだ。

この続きは、BMW M340i ツーリング 求めるすべてを叶えるワゴン(2)にて。

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みんなのコメント

14件
  • zer********
    ワゴンが時代遅れ感があるってそんな事はない
    代車でM340ツーリング借りたけど、トルクも低回転からあるし4人乗車は全く問題なし
    それにこのサイズが一番扱いやすい
    それより日本は何でつまらん箱バンばかり皆んな乗りたがるのかねぇー???
  • nta********
    「一般的に、自動車ジャーナリストはメーカーから試乗して欲しいクルマが指定される。その1台のことを真剣に考え、感じ取り、文章や映像へ印象をまとめる。改めて説明されるまでもないことだとは思うが。」

    そんなジャーナリスト(何がジャーナリズムか分からないが)居る?メーカーに忖度ばかりで「いいねぇ」しか言わない。他にはカタログに書いてあることしか言わないのに何がジャーナリストだ!
    俺にもできる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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