外から中の様子をうかがい知ることができないこの要塞は、知れば知るほど愛車と家族が快適に過ごせる家だった。
外からは愛車もリビングも、玄関さえも見えない絶妙な作り
3台の名車と、夫妻が日常の足として乗る2台、さらに来客用の駐車スペースをもつガレージハウス。施主は、これだけの台数を止めるにはガレージの間口を広くとれる鉄骨造が妥当だろう、と最初は思ったが、奥様が木の温もりが欲しいと要望。
そこで、木造だけれど間口を広く取れる、SE構法を得意とするビルド・ワークスの河嶋一志さんに設計を依頼した。木材の接合部に特殊な金属を使うSE構法は、鉄骨造のように柱や壁を少なく抑えることができる。このガレージハウスの場合、3台の愛車を収めるために幅9mという大開口のガレージを可能にした。
一方で、「京都という土地柄、車を見せびらかすようなレイアウトは晴れがましすぎると施主も私も思いました」と河嶋さん。そこで、道路に面して3台を横に並べるのではなく、縦にガレージを構え、ガレージや家の正面(西側)と南側を覆う壁を設けた。
これなら、車や人が出入りする際に、ガレージか正面のシャッターを閉めれば外から見えることはない。またガレージ前は、日常用の2台を止めるスペースにもなる。1階部分を車のために広く活用したため、家族が寛ぐ大きなリビングダイニングは、必然的に2階に。 2階部分も、「あなたの好きな車が1階を占めたから、私たちは隣家の目にさらされるリビングで過ごさなければならない」と施主が責められないように、ひと工夫。隣家との位置を考えたとき、リビングの南向きに大きな窓を備えると、隣家の2階と視線が合ってしまうため、隣家の屋根から上しか見えないよう、かつ眺望を損ねないように南側の壁の高さを緻密に調整した。
窓や壁には北海道レベルの高断熱窓や壁を用いたうえ、各部屋の温度を、1階と2階それぞれ1台のエアコンで一定に保てる冷暖房システムを取り入れた。子供たちが、楽器の練習や勉強ができるスペースも備えた。ガレージハウスは、家族の理解があってこそ建てられる。
だからこそ、一年中快適に、かつ光熱費を抑えて、我慢をせずに過ごせるものにしたい。一方で、車好きの施主のために、シャッターを開けなくても、ガラス越しに大好きな愛車が見えるスペースを玄関の横に設けた。出かけるときや帰宅したとき、1階の寝室へ下りるとき、一日に少なくとも3回は愛車を眺めることができる。
河嶋さんは、このガレージハウスにFortress(フォートレス)= 要塞という名を付けた。外からの視線を防ぎ、家族全員の暮らしを思う優しい要塞だ。 ■所在地:京都府京都市■主要用途:専用住宅■構造:木造(SE 構法)■敷地面積:272.59 平方メートル■建築面積:134.30 平方メートル■延床面積:232.50 平方メートル■設計・監理:河嶋一志(ビルド・ワークス)■TEL:075-707-2223
※カーセンサーEDGE 2021年9月号(2021年7月27日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています 文/籠島康弘
ビルド・ワークス【EDGE HOUSE】他のガレージハウスを見てみるカーセンサーEDGE.netはこちら
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