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決勝時に最大90秒ストップも。スーパー耐久のレギュレーション変更により“Aドライバーハンデ”が登場

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決勝時に最大90秒ストップも。スーパー耐久のレギュレーション変更により“Aドライバーハンデ”が登場

 3月18日に三重県の鈴鹿サーキットで開幕を迎えたENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Powered by Hankook。開幕戦から54台がエントリーを行い賑わいをみせているスーパー耐久シリーズだが、2023年は細かな部分でレギュレーション変更があった。特に日曜日の決勝を前に押さえておきたいのが、“Aドライバーハンデ”というものだ。

 これまで、ST-X、ST-Z、ST-TCRクラスでのAドライバー登録はいわゆる“ジェントルマンドライバー”に限られるというルールがあったのだが、2023年シーズンからは、ST-Qクラスを除く全クラスに同様のルールが設けられることとなった。

2023スーパー耐久開幕。第1戦鈴鹿の予選は5ZIGEN GTR GT3がST-Xデビューポール

 今季のスーパー耐久スポーティングレギュレーション第6条(6)に、以下の項目が新たに定義された。

1)参加する前年の12月31日の時点で満60歳以上の、すべてのドライバー。
2)参加する前年の12月31日の時点で満40歳以上の、STO・STELが認めたアマチュアドライバー。

 この条件に該当しないドライバーもAドライバーとして登録することは可能なのだが、その都度STO(スーパー耐久機構)へ申請が必要とのこと。レース途中のピットストップや予選の出走時間制限など、何らかのハンディキャップを背負う条件で、参加が認められることになるという。

 これにより、今回の開幕戦では以下の10台に対し、登録された各Aドライバーの年齢や直近の実績に応じて、予選や決勝中にハンディキャップが科されることが3月17日にSTOから発行されたブルテンで発表された。なお、第2戦以降は各大会ごとにハンディキャップの内容が審議され、その都度判断されるという。

<公式予選 最初の10分間出走待機>
ST-Z No.21 ベンチャー投資のファンディーノ Audi R8 LMS(Aドライバー:山脇大輔)
ST-3 No.38 ヒグチロジスティクスサービス RC350 TWS(Aドライバー:尾崎俊介)
ST-3 No.39 エアバスター WINMAX RC350 TWS(Aドライバー:眞田拓海)
ST-4 No.41 エアバスター WINMAX GR86 EXEDY(Aドライバー:石井宏尚)
ST-5 No.37 DIXCELワコーズNOPROデミオ(Aドライバー:加藤芳皓)
ST-5 No.290 AutoLabo Racing 素ヤリス(Aドライバー:湊雅之)

<決勝レース中 1回のドライブスルー>
ST-4 No.884 シェイドレーシング GR86 (Aドライバー:影山正彦)
ST-5 No.72 OHLINS Roadster NATS(Aドライバー:山野哲也)

<決勝レース中 90秒のピットストップ>
ST-2 No.13 ENDLESS GR YARIS(Aドライバー:花里祐弥)
ST-2 No.225 KTMS GR YARIS(Aドライバー:一條拳吾)

 このうち決勝中のハンディキャップ(ドライブスルーと90秒ストップ)に関しては、レースがスタートしてから1回目のピットインまでにオフィシャルに申告して実施することにされ、セーフティカー中の実施は認められない。また、ハンディキャップ消化時にピット作業を行うことも許されない。なお、ハンディキャップの消化時は、どのドライバーが乗っていても良いとのことだ。

 今まで以上に縛りが厳しくなった感があるAドライバー枠だが、一箇所だけ緩和された部分がある。これまではシーズン途中にAドライバーの変更は認められておらず、実施した場合はポイントが加算されなかったのだが、今年はあらかじめ設定されている登録期間内であれば登録変更も認められることとなった。

 ハンディキャップの内容も含めて、第2戦以降も細かな変化が出てきそうだが、早くもパドックでは、さまざまな意見が飛び交っているのが実情だ。

■今季はAドライバーの最低乗車時間、ウエイト搭載量も変更に
 また、今年はAドライバーの最低乗車時間も変更となった。昨年までは5時間レースだと全体20%(60分)以上と決められていたが、今年は25%(75分)以上となった。

 加えて、ドライバーひとりあたりの最大運転時間については、全ドライバー共通で全体の2分の1を超えてはいけないとレギュレーションでは定められているが、開幕戦鈴鹿大会では全体の60%までとする旨が特別規則書に記された。つまり、昨年まではプラチナドライバーに位置付けられていたドライバーは全体の40%までしかドライブができなかったのだが、この制限がなくなり、全体の60%までスティントを担当することができる。

 スーパー耐久では、このほかにもレース距離や時間に応じて獲得ポイントが変動するのだが、今年からはウエイトハンデも距離に応じて課せられる搭載量が変わることになった。一例のみ紹介すると、ST-XとST-1クラスは、レース距離に限らず優勝すれば次戦に30kgのウエイトを積むことになっていたが、今年は5時間レースでは30kg、3時間レースでは25kg、富士24時間など12時間レース以上の場合は40kgと、大会内容に応じて異なる搭載量になり、最大積載量も90kgまでと設定された。

 さらにシリーズ最終戦では、第6戦終了時までに搭載した総ウエイトの3分の1を下すことができるというのも変更点だ。

 そして最終戦では、レース距離が5時間または700km未満の場合、通常ポイントの1.5倍(レース距離が5時間または700kmの場合は1.2倍)が与えられる。今年の最終戦は富士スピードウェイを舞台に4時間耐久のフォーマットで争われるため、通常ポイントの1.5倍が与えられることとなる。

 このほかにも、細かな変更点がある2023年のスーパー耐久レギュレーション。ひとまず、Aドライバーの登録規定や乗車時間、ハンディキャップの部分は決勝レースの展開を追いかけるうえで重要な項目となるため、ぜひともチェックしておきたいところだ。

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