最近のSUV市場は非常に熱い。2021年の乗用車ブランド通称名別順位では、トップ50のなかに、18もの名が並んだ。今や日本車における最重要カテゴリーともいえるだろう。
今回は、30代のユーザーにスポットを当てたい。2021年の30代平均年収437万円(男性474万円/女性378万円)を基準にして、さまざまあるSUVのなかで、筆者がおススメする国産SUVを5台紹介していく。
【1人・仲間・家族】人数&使い方別!! 30代でも無理なく買えるコスパ抜群国産SUV 5選
文/佐々木亘、写真/TOYOTA、DAIHATSU、MITSUBISHI、MAZDA、SUBARU
一人でも仲間同士でも楽しめるSUV(単身者向け)
トヨタ ライズ ボディサイズは全長3995×全幅1695×全高1620mm、ホイールベース2525mm。価格は170万7000円~232万8000円、KINTOでは月々1万6170円~
単身世帯では、主に一人でのクルマ移動が多いだろう。車両本体価格が手ごろであることはもちろんだが、大きすぎない車格や、さまざまなシチュエーションでの使い勝手の良さも重視される。
こうした条件に照らし合わせたときに、まず挙げられるのは、トヨタ・ライズ(ダイハツ・ロッキー)だ。ガソリン・ハイブリッドの2パワートレインに、駆動方式も2WDと4WDを選べる。車両本体価格は、170万7000円~232万8000円だ。
ボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mmといいサイズ感。特に5ナンバーサイズに収まる全幅と、4mを切る全長が、運転のしやすさを作り出す。エクステリアのコンパクトさに対して、室内空間は充分広いし、荷室容量も369L(VDA法※1)と後席乗車時でも荷物をたっぷり積み込めるのは魅力だ。
※1 編注:ドイツ自動車工業会が規定する荷室の容量測定法のことを示す
SUVならではの視線の高い運転姿勢と、最小回転半径4.9m(Zグレードは5.0m)の小回りがきく取り回し性能の良さが、運転が苦手なユーザーにもしっかりと寄り添ってくれるだろう。休日使いから、毎日の通勤使用まで、圧倒的な使い勝手の良さとコストパフォーマンスを誇る1台だ。
ちょっとスポーティーに、個性を出したクルマを選びたいなら三菱・RVRもおススメだ。
ボディサイズは全長4365mm×全幅1770mm×全高1630mm~1640mmと、ライズよりひとまわり大きくなる。走行性能が魅力の一つで、三菱の電子制御4WDシステムや余裕のある最低地上高205mm、荒れた路面でもボディなどがぶつからないようアプローチアングル20.1度、ディパーチャーアングル31.4度を確保し、少々のオフロードでも余裕で走行できる力強さが良い。
車両本体価格は214万3900円から250万3600円だ。オンロード専用設計の都市型SUVが多いなか、都市部でもアウトドアでも使い勝手のいいRVRは、遊び心のある30代ユーザーにぜひ乗ってもらいたい。
夫婦・子供も一緒に! 快適に乗れるSUV(ファミリー向け)
トヨタ カローラクロス ボディサイズは全長4490×全幅1825×全高1620mm、ホイールベース2640mm。価格は199万9000円~319万9000円、KINTOでは月々2万1780円~
乗車人数が増え、子供の成長に合わせてクルマも広く大きくしていきたい30代ファミリーへ向けては、カローラクロスをおススメしたい。
ボディサイズは全長4490mm×全幅1825mm×全高1620mmとなる。全幅がしっかりと確保されたデザインで、大人2名乗車時でも隣同士で肩が触れることは少ない。また後席にチャイルドシートを乗せても、隣には充分なスペースがあり、子供の様子を見ながら、快適に移動できる。
車格としてはミドルサイズSUVにくくっても良いクルマ。しかし、価格はコンパクトSUV並みで、車両本体価格は199万9000円から319万9000円とレンジが広い。希望のスタイルや予算に応じて、さまざまな選択ができるだろう。
また、カローラクロスでは月々支払のサブスクリプションサービス、KINTOの利用もおススメだ。車両本体価格、税金、整備費用、自動車保険をすべてコミコミにし、月々定額でクルマを使用できる。
選択するグレードやプランにもよるが、一例として、ベースグレードのガソリンモデル(G)では月々2万1780円から、カローラクロスに乗ることが可能だ。子供が大きくなった頃(5年後)の買い替えを前提にクルマを購入するのであれば、話題のサブスクもおススメの買い方である。
ちょっと大人な雰囲気をまとうおしゃれな1台を探している方にはマツダ・CX-30もいい。ボディサイズは全長4395mm×全幅1795mm×全高1540mmと、こちらも充分なサイズで、ファミリーユースでも手狭な感じはしないだろう。
価格重視なら239万2500円からスタートするガソリンモデルが良いし、少し価格が上がるが、完成度の高いディーゼルエンジンやハイブリッド(288万7500円から)も期待以上の仕上がりを見せる。
このクラスでは珍しいマニュアルトランスミッションを選べるのも一つの魅力だ。お気に入りの仕様を探すのも楽しい時間だろう。
コスパが高く、さまざまな使い方ができる隠れた名車
車高が高い、タイヤが大きい、ゴツゴツした感じのエクステリアのSUVが多いなか、ちょっと変わった雰囲気なのがスバル・XVだ。
エントリーモデルで220万円、最上級グレードでは295万9000円という価格レンジ。全グレードで、スバルが世界に誇るボクサーエンジンとシンメトリカルAWDを体感できる。
エクステリアは、ステーションワゴンを少し背高にした程度で、全長4485mm×全幅1800mm×全高1550mmと、他車種に比べて低い全高が特徴だ。そのため、全幅が許しさえすれば、機械式駐車場にも入ってくれる(全高1555mmギリギリなので微妙なケースもある。自宅駐車場のように使用頻度が高い場所では、事前に試乗車やレンタカーなどで入庫できるかチェックして欲しい)。
登場から5年が過ぎ、そろそろフルモデルチェンジが行われそうなタイミングのため、モデル末期の成熟された仕様に乗ることができ、商談では大幅な値引きも期待できるだろう。
同価格帯のライバルと比べて、快適装備の充実度が高く、コストパフォーマンスに優れたクルマだ。小さすぎず、大きすぎず、ちょうどいい車格であり、単身世帯からファミリーユースまで、幅広くおススメしたい。
SUVと一口に言っても、さまざまな形・大きさ・特徴を有する。それだけに、クルマに対する目的を明確に定めておけば、自分にピッタリの一台を探しやすいカテゴリーでもあるのだ。
クルマは乗る時間はもちろんだが、選ぶ時間も楽しい。多彩な選択肢があるSUVだからこそ、今選んで乗りたいクルマになるだろう。
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