ラインナップの全面的な刷新、新型レヴォーグ発売開始・カー・オブ・ザ・イヤー受賞、そして2代目BRZの出現など、絶好調・明るい話題に事欠かないスバル。独自路線・技術を貫きながらメインストリームでもあり続ける、そうした意味で唯一無二の存在と言っていい。
そんなスバルの、歴代すべてのクルマたちのなかでいったいどのモデルが「最高」なのか? 自動車評論家5氏に選出してもらった。
ついに新型WRX登場へ!! スバル 来年出る新車 総チェック
単純なお題ではあるが、歴代レガシィ、インプレッサWRXをはじめ、スバル360にサンバーなどなど、ナンバーワンにふさわしいモデルが出揃った。各氏が悩みに悩み抜いた結果はいかに!!?
【画像ギャラリー】全57枚!! レガシィからサンバーまでスバル歴代の名車たちをギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年11月のものです
文/国沢光宏、渡辺陽一郎、清水草一、斎藤 聡、片岡英明、写真/SUBARU、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2020年12月26日号
■今なお最高は4代目レガシィ!(国沢光宏)
歴代モデルナンバーワンは迷うことなく4代目レガシィとしておく。このクルマ、今見ても&乗っても「いいね!」したくなる。
4代目レガシィ(2003~2009年)…歴代史上最高のレガシィと誉れ高いのが2003年に登場した4代目レガシィツーリングワゴン&セダン。端正で均整の取れたボディデザインに軽量化の徹底で今なお多くのファンを虜にしているのもうなづける
なんたって凝ってます。ボンネットにアルミを使うなど軽量化を行い、最新の安全性も確保しながら重くなりがちなステーションワゴンのターボ4WDで1400kg台前半を実現。
当時のライバルをまったく相手にしなかった走りの実力を含め素晴らしい。「BPを超えるモデルなし」と乗っている人が多いほど。
ナンバーツーはWRCで大暴れした2代目インプレッサGDB後期型「鷹目」としておく。
2代目インプレッサWRX STI(2005~2007年)…2代目インプレッサWRX STiは初期型(丸目)・中期型(涙目)・後期型(鷹目)と3つのタイプに分けられるが、国沢氏が2位に選出したのは鷹目の後期型。熟成された4WDターボマシンに仕上がっていた
初期型の「丸目」は熟成不足が目立ったものの、WRCの戦闘力を高めるべく毎年のようにボディやエンジンのモディファイを繰り返した結果、後期型になって圧倒的な完成度を持つに至った。
もちろん成果はハッキリ出て、WRCで大活躍。当時のスバルを駆ったP・ソルベルグは今でも日本で最も人気のあるWRCドライバーです。
GDBをベースにしたSTIのコンプリートカーはどのモデルも超人気なのだけれど、個人的に一番の「よかったな~!」といえばS204となる。
S204(2005年)…チューニングカーのようなS202から、コンセプトを大幅に変更してプレミアムスポーツ路線となったS203の後を受け継いだ
バランス取りした320psのエンジンは高回転まで気持ちいい音と振動(いわゆる振動はないけれどバランスのいいモノが回転している感覚)で素晴らしく官能的。
ハンドリングも文字どおり「意のまま」感を持っており、このクルマをもってして、本当の意味での「人馬一体」だと思う。
4位と5位は少しばかり変化球。スバル360についちゃ今さら書くまでもない。クルマの随所に貧しかった60年前の日本ながら心意気じゃ負けないという精神を感じます。
WRX S4は発売された2014年当時、これほど優れた走りと安全のバランスを持っていたクルマなど世界に存在しなかった。
もうすぐスバルの高性能ターボエンジン車は本当の意味での絶版になるため、新車で買うなら最後のチャンスとなります。
■国沢光宏のスバル オールタイム・ベスト5
・1位…4代目レガシィツーリングワゴン
・2位…2代目インプレッサWRX STi
・3位…S204
・4位…スバル360
・5位…現行型WRX S4
■最後の自社生産サンバーは凄い!(渡辺陽一郎)
「これは凄い」と驚いたスバル車の筆頭は、OEM車に変更される前の先代サンバートラックだ。
6代目サンバー(1999~2012年)…RRの駆動方式を持ったスバル生産モデルの最後となった6代目サンバー。これ以降、サンバーはダイハツOEM車へ
軽トラックながら足回りは4輪独立式で、乗り心地は実に快適。操舵に対する車両の反応も自然で、4気筒エンジンは滑らかに回る。後部に搭載するからノイズも小さい。
「軽トラックとしては」という条件をつけず、乗員と荷物に優しい上質なクルマだった。同じカテゴリーのライバル車同士を比べて、先代サンバートラックほど競争相手に大差をつけて勝つクルマはなかった。
2位はスバル360。発売は1958年で、独創的なモノコックボディにより、4名乗車の可能な居住空間を備えながら車両重量は385kgだ。当時の軽自動車は500kg前後が中心で、スバル360は20%以上軽い。
足回りは4輪独立式で、デコボコの多い当時の道路をしなやかに走った。クルマが急速に進化した時代に、11年間も作られ続けている。その本質は今のスバル車に通じている。
3位は初代レオーネエステートバン4WDだ。水平対向エンジンに4WDを組み合わせたスバルでは最初の市販車で、最低地上高を210mmに設定した外観はレガシィアウトバックの祖先に思える。
初代レオーネエステートバン4WD(1972~1979年)…初代レオーネ登場1年後に追加された、いわゆるJEEPタイプではない世界初の量産車4WD
ツール感覚と野性味が調和して、今の時代に合った雰囲気も感じる。
4位は3代目レガシィだ。1990年代の中盤以降、ミドルサイズ以上の日本車は海外を重視して次々と3ナンバー車になったが、3代目レガシィのツーリングワゴンとB4は5ナンバーサイズを守った。
3代目レガシィ(1998~2003年)…歴代最後の5ナンバー車モデルとなったのがこの3代目レガシィ。大ヒットした2代目モデルの正常進化版で、3代目の開発担当主査は後のSTI社長となる桂田勝氏が務めていたことでも知られている
視界と運転のしやすさ、走行安定性、居住性などを高水準で調和させていた。
5位は初代インプレッサだ。走りが軽快で、スポーツワゴンは荷室の両側に大きなウィンドウを装着する。デザイン性も優れていた。
以上のようにスバルは、ほかのメーカーとは違う独自のクルマ作りを、ユーザーの視点に立って愚直に、地味に続けている。
■渡辺陽一郎のスバル オールタイム・ベスト5
・1位…6代目サンバートラック
・2位…スバル360
・3位…初代レオーネエステートバン
・4位…3代目レガシィ
・5位…初代インプレッサ
■いかにもスバルっぽい初代レガシィ(清水草一)
私は非スバリスト。STIの限定モデルにもあまり試乗もできていない。そして新型レヴォーグには乗っていない(よって対象外)。そういう一般ピープルな目から見たベスト5です。
1位は、初代レガシィツーリングワゴン。出た時からカッコいいなと思ってたし、使い込むほど味が出る、いかにもスバルっぽいいいクルマだと思ってたけど、昨年本当に久しぶりにスバルの保存個体に乗せてもらって感動!
初代レガシィツーリングワゴン(1989~1993年)
乗り味は歴代レガシィのなかで一番濃いと感じて感動しました。その裏には、古いというだけでつい加点してしまう味わいがあるとは思うけど、それにしてもよかった。
アレを超えるスバル車は出てない気がする。燃費を除いて。
2位は、名車と言われる4代目B4の2Lターボモデル。実にスバルらしい男の世界なクルマで、コイツなら高速道路でポルシェと戦える!! みたいな雰囲気ビンビン。実に端正で精悍なクルマだった。あえてB4を選んだ人はカッコイイ!
4代目レガシィB4 2.0GT…いまだに乗り替えない人も多い名モデル
3位は、日本ではまったく人気のなかった6代目レガシィB4。完全なアメリカンサイズで、日本での販売は最初から捨ててたけど、あのゆったりおおらかな乗り心地はステキだった。
精度の高いアメ車って感じで、でっかいオトコになれる雰囲気で! 全幅を生かしたデザインもカッコいいし。
4位は、初代レヴォーグの後期モデル。私が乗ったのはC型というヤツです。これはBMW的ないいクルマで、4代目レガシィツーリングワゴンの正統な後継モデルの雰囲気だったなぁ。
そして5位は現行XV。SGPのデキはそんなでもないし、パワーも燃費もイマイチだけど、とにかくデザインがいい。これに乗ってる人は知的でカッコいい遊び上手に見える!
ひたすらデザインのよさで5位に入れました。
あっ、唯一所有したスバル車であるSVXが入らなかった……。
●清水草一のスバル オールタイム・ベスト5
・1位…初代レガシィツーリングワゴン
・2位…4代目レガシィB4 2.0GT
・3位…6代目レガシィB4
・4位…初代レヴォーグ2.0STI Sport
・5位…現行型XV
■日本自動車史に輝くスバル360(斎藤 聡)
1位は、戦後の国産自動車史に燦然と輝く名車スバル360。テントウムシの愛称でも知られるこのクルマは、軽量化のために航空機の技術をそのまま持ち込んだモノコックボディを採用し、室内スペースを広げるためトーションバースプリングを採用。
スバル360(1958~1970年)…12年間にわたって約39万2000台が生産され、“てんとう虫”の名で愛された国民車。航空機技術を応用した超軽量構造を採用
また、横置きのリアエンジンも省スペースのためのレイアウトだった。かわいいだけじゃなく当時の先進技術を満載しているのが理由。
2位には、国内におけるスバルの評価をイッキに押し上げたレガシィツーリングワゴン(初代)を挙げたい。
ツーリングワゴンの一時代を築いたクルマ。完成度で4代目BP/BL型、レガシィらしさで3代目BE/BH型だが、やはり元祖BC/BF型を代表モデルに推す。
ちなみにレガシィからスバルはWRCに参戦を開始。1993年のニュージーランドラリーで1勝を挙げる。
3位はスバルの名前を世界に轟かせた初代インプレッサWRX。レガシィによるWRC参戦を引き継ぐ形で、勝つためのパッケージとして開発されたインプレッサWRX。ここは始まりの1台として、初代となるWRX STiタイプRAを推したい。
初代インプレッサ 22B STi(1998年)…スバルの1995~1997年WRCメイクス3連覇達成を記念したコンプリートカー。当時の価格で500万円という高額車だったが、わずか2日間で完売したという伝説のSTiモデル
4位はインプレッサがWRCで3連覇を遂げたワールドラリーカー97のイメージを再現したSTiのコンプリートカー。
排気量が2122ccあったので、ターボのレスポンスがよくパワーバンドの広い乗りやすいエンジンだった。乗り心地も意外なほどマイルドだったのが印象的。
5位は、異端のスポーツカーとしてアルシオーネSVXを挙げようと思う。
ジウジアーロの手になるデザインで、エンジンは3.3L水平対向6気筒!!
アルシオーネSVX(1991~1997年)…5人乗りと4人乗りを設定した2ドアクーペ。ジウジアーロによる端麗なエクステリアデザインとグラスtoグラスのキャノピーが特徴的
機械的なバランスのよさが作り出すエンジンの上質なフィーリングが、インテリアの高級な仕立てとともに独特の存在感を発揮していた。
バブル崩壊がなければ、水平対向6気筒を武器にスバルは高級車メーカーになっていたかもしれない。
●斎藤 聡のスバル オールタイム・ベスト5
・1位…スバル360
・2位…初代レガシィ
・3位…初代インプレッサWRX STi
・4位…初代インプレッサ22B STi
・5位…アルシオーネSVX
■S206の刺激度が最高!(片岡英明)
スポーツ度が群を抜いて高いのは、公認チューナーのSTIが手がけ、限定販売しているコンプリートカーだ。
軽量コンパクトな歴代WRX STIをベースにしたコンプリートカーのなかで最も刺激的なのは、ニュルブルクリンク24時間レース出場車のノウハウを結集し、開発したS206である。
S206(2011年)…4ドアのWRX STI(GVB型)をベースとする初のSモデル
公道で気持ちいい走りを愉しめ、4ドアセダンだから使い勝手もいい。素晴らしい接地フィールと正確なハンドリングに魅せられる。
インプレッサでは1996年9月に登場したWRX STiバージョンIIIも魅力的だ。軽量設計だから意のままに気持ちよく走れる。が、これは次点としよう。
2位は今乗っても色褪せない走りの実力を秘め、デザインの洗練度も高い4代目レガシィだ。特にアイサイトを搭載した最終型は足の動きがいいから同乗者も快適だ。
最終型のアウトバックに設定された2.5Lの水平対向4気筒DOHCターボ搭載車は走りの質が高いだけでなく、快適性と安全性も一歩上を行く。
4代目レガシィアウトバック(2003~2009年)…4代目レガシィのアウトバックには2008年5月に改良を受けた最後期型(F型)に水平対向4気筒、2.5Lターボ車が存在する
第3位は今も多くの人に愛されているスバル360だ。スバルのクルマ作りの原点となっているファミリーカーで、進歩的な設計だった。
航空機技術を駆使して軽量かつ高強度のモノコックボディを採用し、大人4人が座れる高効率パッケージングにも驚かされる。4輪独立懸架の足もよかった。
第4位は3代目レガシィだ。変革と創造を加え、4WDを極めようとした力作で、大ヒット作となっている。水平対向エンジンに大幅な改良を加え、リアサスペンションはマルチリンク式だ。
また、車両挙動安定制御のVDCもいち早く設定した。
第5位は軽自動車のヴィヴィオだ。上質な4気筒エンジンに自慢の4WDシステムを組み合わせ、走りの実力は軽自動車レベルを大きく超えていた。特にRX-Rは異次元の走りを披露する。
●片岡英明のスバル オールタイム・ベスト5
・1位…S206
・2位…4代目レガシィTW後期型
・3位…スバル360
・4位…3代目レガシィ
・5位…ヴィヴィオRX-R
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