三菱自動車が未来のデリカを彷彿させる電動クロスオーバーMPVのコンセプトカー「D:Xコンセプト」をジャパンモビリティショー2023で世界初公開

　三菱自動車は2023年10月25日、ジャパンモビリティショー2023において電動クロスオーバーMPVのコンセプトカー「D:Xコンセプト（D:X Concept）」を初公開した。

　未来のデリカをイメージした、冒険心を呼び覚ます三菱自動車らしい電動クロスオーバーMPVのD:Xコンセプトは、カーボンニュートラル社会の実現を見据え、電動化技術と4輪制御技術を中心に三菱の技術の粋を結集したコンセプトカーに仕立てたことが特徴である。

　まずエクステリアは、従来のデリカの特長である広い室内空間と高い安全性を継承し、さらに未来のカタチとして“絶対安全大空間×絶対走破性”をデザインコンセプトに据えて、大空間キャビンとそれを守るプロテクティブボディで構成する。基本フォルムは、キャビン前方からDピラーまで続くサイドウィンドウグラフィックと堅牢なDピラーによりデリカらしさを表現。また、下方まで回り込んだフロントウィンドウにより大空間を演出した。

　各部のデザインも徹底してこだわる。フロントマスクは三菱車のアイデンティティである“ダイナミックシールド”をさらに進化させ、サイドから回り込んだボディと一体化したシールドによりキャビンを守り、さらにスキッドプレートによりプロテクト感をアップ。合わせてTシェイプランプにプロジェクションレーザーライトを採用し、両端まで延びる形状によりワイドな印象に仕立てる。またこのライトは、路肩を照らす光により前方の道幅を的確に把握し、狭い道路でも安心して走行することができるようにアレンジした。一方でサイドビューは、たくましく張り出したオーバーフェンダーと大径タイヤにより力強さを表現し、同時に前後スキッドプレートとサイドステッププロテクターを装備することで、荒れた路面でも安全・安心に走行できる高い走破性を実現する。そしてリアセクションは、ヘッドライトの造形と同一イメージのT字型で仕立てたコンビネーションプや、スクエアで硬質感のあるリアゲート、厚みのあるブラック仕上げのバンパーなどによって、力強く、かつ印象的な後ろ姿を創出した。ラグジュアリーなグランピングをイメージしたカッパーに、セミグロスの新しい質感を加えて上質感を表現したボディカラーも、新進のデリカのイメージをいっそう引き立てている。

　インテリアについては、ワンボックスタイプの広い室内空間に、乗員すべてがゆったりと過ごせるスペースを確保。上下動や回転するパノラミックシートおよび解放感のある広々とした視界をもたらすフロントウィンドウとシースルーボンネットにより、今までにない、宙に浮いたような運転体験を可能とするエアリアルコクピットを実現する。また、音声対話式AIコンシェルジュが目的地までのルート情報や天候情報などを提供し、安全・安心なドライブをサポート。ヤマハとの協業により開発した、大迫力のサウンドが楽しめる新世代のオーディオシステムも装備した。インストルメントパネルやシートにタン色の本革をレイアウトして華やかさを強調し、合わせてアルマイトグレー色の金属調パーツをアクセントに配置することで上質なギア感を表現したことも、インテリアの訴求点である。

　基本骨格に関しては、デリカD:5で定評のある環状骨格構造リブボーンフレームをさらに強化して採用。ここに、環境に配慮しながら走る歓びを提供するPHEVシステムを搭載する。日常のほとんどのシーンはEVで走行し、遠出の際はハイブリッド走行とすることで行動範囲を拡大。状況に応じて走行モードを選択することができ、どんな冒険にも対応可能とした。また、電動4WDシステムには走る・曲がる・止まるを統合制御する「S-AWC」を採用。どんな天候や路面でも、安全・安心で快適にドライブすることができ、様々な冒険に自信をもって踏み出すことができる。

　なお、三菱自動車のブースでは本年7月にタイでワールドプレミアを飾った新世代ピックアップトラックの新型トライトン（プロトタイプ）の日本仕様も参考出品する。“Power for Adventure”という商品コンセプトのもと、内外装デザインからフレーム、シャシー、ボディ、エンジン（2.4Lディーゼルターボ）などをすべて一新。日本市場へは約12年ぶりに投入する計画で、来年初頭からの発売を予定。車両価格は498万円～540万円に設定するという。