阿部サダヲ主演“ちょっと迷惑？”な笑えて泣ける人間ドラマ『アイ・アム まきもと』

　阿部サダヲと水田伸生監督の4度目のタッグ作となる『アイ・アム まきもと』は、ひとクセありすぎな男・牧本が周囲を巻き込みまくりながら繰り広げる、ちょっと迷惑だけど笑えて泣けてしまう、なんともハートフルな人間ドラマです。

　とある小さな市役所に勤める牧本の仕事は、人知れず亡くなった人を埋葬する「おみおくり係」。故人の思いを大事にするあまり、つい警察のルールより自身のルールを優先する牧本は刑事・神代に怒られる日々を送っていました。そんなある日、牧本は身寄りなく亡くなった老人・蕪木の部屋を訪れ、彼の娘と思しき少女の写真を発見。一方、県庁からきた新任局長が「おみおくり係」の廃止を決定してしまいます。

　蕪木の一件が“最後の仕事”となった牧本は、写真の少女探しと、一人でも多くの参列者を葬儀に呼ぶため、わずかな手がかりを頼りに蕪木のかつての友人や知人を探し出し訪ねていきます。工場の元同僚、漁港で居酒屋を営む元恋人、炭鉱で蕪木に命を救われた男、一時期ともに生活したホームレス仲間、そして写真の少女で蕪木の娘・塔子。蕪木の人生を辿るうちに牧本自身にも少しずつ変化が生じていく中、“最後のおみおくり”には思いもしなかった奇跡が待っていて……。

　主人公の牧本壮を演じるのは、『舞妓Haaaan!!!』（2007年）、『謝罪の王様』（2013年）などに続き、水田伸生監督とタッグを組む阿部サダヲ。牧本が出会う孤独な女性・津森塔子役に満島ひかり。そして牧本の迷惑にまき込まれる人々に、國村隼、宮沢りえ、宇崎竜童、松下洸平ほか個性豊かな豪華キャストが結集。そんな本作の原作は、第70回ヴェネチア国際映画祭で4つの賞を受賞したウベルト・パゾリーニ監督の『おみおくりの作法』（2015年）です。

　阿部サダヲといえばバイク……のイメージは殆どありませんが、“一角獣の龍二”役で出演した『下妻物語』（2004年）にはホンダのDJ・1R VIVAYOU EDITIONとLEAD SSが、“金々”を演じた『真夜中の弥次さん喜多さん』（2005年）にはハーレーダビッドソン・1200Sが登場。そして『音量を上げろタコ！なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』（2018年）では、サイドカー付きのスズキK50に乗って爆走するシーンもあります。

　ちょっと迷惑な男・牧本が日本中をやさしさで包む『アイ・アム まきもと』は、2022年9月30日（金）より全国公開です。