公正取引委員会は7月5日、下請法に違反していたとしてトヨタカスタマイジング&ディベロップメント(西脇憲三社長、横浜市港北区)に再発防止策や返金などを勧告した。金型を無償保管させたり、5427万円分の製品を不当に返品していたりした。対象事業者数はのべ114社。トヨタカスタマイジングは、返品した金額は6月20日に下請け事業者に支払い済み。金型の保管費用相当分も順次支払うとしている。
公取委によると、遅くとも22年7月から49社に対して664個の金型を無償で保管させていた。対象製品はフロントスポイラーなどの外装品。うち3社の下請事業者からの要請で108個はすでに廃棄している。
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また、22年7月から65社に対して外装品やアルミホイールなどを不当に返品する行為も行っていた。トヨタカスタマイジングが返品した製品には実際に瑕疵があったものの、下請法上で必要となる納品時の品質検査を行っていなかった。公取委は「下請法に対する認識が低く、全社に浸透していなかった。特に型取引は、長年の取引慣行となっており、下請け側も含めて慣れてしまっている」と見解を示した。
トヨタカスタマイジングは、カスタマイズ(合法改造)用品などを手掛けるトヨタ自動車の子会社で、トヨタが株式の9割を保有している。用品ブランド「モデリスタ」などを展開するほか、レーシングカーを開発するモータースポーツ事業、救急車など特装車事業も手掛けている。
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