現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 1年中高温多湿で道路が冠水するような大雨も降る! クルマに過酷なタイなのに美しい旧車だらけなワケ

ここから本文です

1年中高温多湿で道路が冠水するような大雨も降る! クルマに過酷なタイなのに美しい旧車だらけなワケ

掲載 3
1年中高温多湿で道路が冠水するような大雨も降る! クルマに過酷なタイなのに美しい旧車だらけなワケ

 この記事をまとめると

■タイの首都バンコク市内では旧車を見かけることが多かった

オークションに出た瞬間札束の殴り合い! 旧車乗りがつねに困窮している「交換パーツ」の実状

■バンコクではユーノス・ロードスターだけでなく20年以上前のメルセデス・ベンツやボルボも見かけた

■どのクルマも綺麗だったことからしっかりメンテナンスをしていると思われる

 タイでクルマが使われる環境は過酷

 東南アジアに位置するタイは、いわずとしれた亜熱帯地域に位置している。年間を通じて多少の平均気温差はあるものの、日本でいえば年中「夏」が続いていることになる。筆者は2024年3月末にタイの首都バンコクを訪れていたのだが、滞在後半になると連日最高気温が37度、日本での「酷暑」と呼ばれるような日々が続いた。日本での酷暑と同様に午後1時もすぎると、とにかく外を歩くのがかなりつらくなるので、一旦ホテルに戻ってギンギンにクーラーをきかせて避難して夕方再び出かけるようにしていた。

 タイには雨季と乾季があるが、雨季といってもずっと雨が降っているわけではない。2024年2月にインドネシアの首都ジャカルタを訪れたときはちょうど雨季であった。ただし、こちらもずっと雨が降っているわけではなく、どんより曇った天気をベースにときおり雨が降る程度であった。しかし、滞在初日の晩には雷鳴とどろくゲリラ豪雨のような天気が一晩中続いた。事情通によると、「ここ最近は気候変動が影響し、雨季といっても以前とはずいぶん様子が変わってきた」と語ってくれた。

 そのような気候なので、リーズナブルなモデルや東南アジア専売のようなモデルでは、空調にヒーターを備えずに冷房(クーラーが多い)のみというモデルも少なくない。

 雨季になれば、バンコクのような大都市でも道路冠水は珍しくない。つまり、年中高温多湿で道路冠水も珍しくない(最近の日本も夏場は珍しくないが)ということで、クルマにとってはかなり悪環境といえるのである。

 近年では、「日本も亜熱帯になったのではないか?」ともいわれるほど、タイとは地政学的に近いので、日本車はそれでも高温多湿に強いとされている。夏の暑い日に渋滞下でエアコンを使ってもできるだけクルマに負担をかけないような設計などもされている。その意味でも、東南アジアでは日本車が強みを見せているのかもしれない(エアコンの効きなども車種選びの重要な基準のようだ)。

 意外や意外、バンコクは日本の旧車天国だった

 このような状況なので、日本以上にクルマにとっては過酷な環境に見えるのだが、バンコク市内を見ていると、意外なほど旧車を見かける。5代目ホンダ・シビックや初代マツダ(ユーノス)・ロードスターといった日本車に交じり、欧州車の旧車も多く見かけることができた。

 メルセデス・ベンツでいえば、W123やW124のEクラス、初代Cクラスを見かけることもできたほか、20年ほど経過したボルボも走っていた。ちなみにボルボは新車でも街なかを走る姿をよく見かけた。「日本と同じかもしれませんが、インテリジェンスの高い所得に余裕のある人が好んで乗っているようです」とは地元事情通。

 日本車はともかくとして、当時の欧州車は高温多湿を苦手にしていたのだが、いまでも冷房をきかせ、外装もかなり程度良く乗っているのである。見かけただけでも手入れが行き届いているのが伝わってきた。

 そもそもタクシーですらドレスアップしていることも少なくない土地柄、クルマをいじることが好きな人が多いように見受けられる。日本でも趣味で旧車を乗っている人はよく見かけるが、バンコクで見かけた多くの旧車たちは、趣味として乗っているというよりも、手入れを丹念に行いながら日常的に使っているようにも見えた。

 ちなみに、かつて日本で中古バスを販売する人に話を聞いたことがある。中古バスとして販売される車両はおおむね走行距離が60万km前後のものが多いとのこと。そして、仕入れ先はバス事業者となるのだが、たとえば路線バスで同年式同型車であっても、点検・整備などをしっかり行っている事業者と、乗りっぱなしに近い状態で使っている事業者ではコンディションに大きな差が出ると聞いたことがある。

 その意味では、バンコク市内で意外なほど欧州ブランドの旧車を見かけたということは、普段から小まめに手入れをする人がタイには多いということを意味するのかもしれない。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web

みんなのコメント

3件
  • zzz********
    50年後には車文化で日本は追い越されるかも…
    新しい車を買わせたいから(天下り先確保が本質)と言うだけで古い車の税金上げる愚かな何処かの国とは違う
  • Lore in
    昨今の電子制御、デジタル化バリバリの車種は
    こういった過酷な環境ではもたない。
    エコだとか言いながら車体寿命の短いモノづくりへ
    移行している変な時代だわq
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村