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かつては最速の「前輪駆動」 クーペ・フィアット UK版中古車ガイド(2) 5気筒ターボは長寿命!

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かつては最速の「前輪駆動」 クーペ・フィアット UK版中古車ガイド(2) 5気筒ターボは長寿命!

まず確かめたいボディとシャシーの酸化状態

フィアット・クーペ・フィアットをお探しなら、ボディやシャシーの酸化状態を真っ先に観察した方が良いだろう。可能な限りサビの少ない1台を見つけたら、パワートレインの状態確認へ移りたい。

【画像】アルファGTVとシャシーが共通! クーペ・フィアット クラシックなクーペたち バルケッタも 全125枚

最近にも充分なメンテナンスを受けているか、過去の整備履歴が記録されているかを確認する。エンジンオイルとラジエタークーラントの劣化具合や漏れ、量の状態はわかりやすい判断材料になる。

ランチア・デルタ・インテグラーレ譲りの2.0L 4気筒16Vの場合、タイミングベルト交換のインターバルは短く、4万8000km毎か3年毎で交換するのが理想的。それ以外では、8万km毎か5年毎に交換したい。

またターボエンジンでは、試乗後にアイドリングを5分ほど続けて、排気ガスに白煙が混ざらないかもチェックポイント。煙る場合は、オイルシールの劣化が疑われる。また、停車後はしばらくアイドリングさせて、エンジンを冷却するのが正しい。

フィアットは生産終了の2001年まで改良を続け、1998年には自然吸気の5気筒エンジンに電子スロットルと可変吸気システムを採用。ターボとターボ・プラスも設定され、英国には特別仕様のリミテッド・エディション(LE)が投入された。

ECUチューニングで簡単にパワーアップ可能

走行距離の伸びた例は多いかもしれないが、特に20Vターボの5気筒エンジンは耐久性が高い。そこまで距離を気にする必要はないだろう。逆に極端に短い場合は、見えない部分のサビやブレーキキャリパーの固着などへ注意が必要といえる。

古いフィアットだから各部が錆びがちで、一部は深刻な状態まで進行している様子。ホイールアーチ・ライナーを外すなど、裏側までしっかり観察したい。

一般的に、表からは見えないところでサビは広がりやすい。ただし、さほど酷くない例が多いようではある。20Vターボ用の純正アルミホイールも、腐食しやすいようだ。

サンルーフはオプションで設定されたが、装備された例は珍しい。レカロシートは、サイドボルスターがすり減りがち。

速いクーペとして、チューニングやアップグレードは一般的といえる。エンジンを問わず、ECUチューニングで簡単にパワーアップ可能。サスペンションやブレーキも、複数の社外品から選択できる。

英国の中古車市場では、5気筒の20Vターボがクーペ・フィアットの大多数を占める。4気筒エンジンの方が、希少価値は高い可能性があるものの、高価格帯の中心をなすのは20Vターボとなっている。

購入時に気をつけたいポイント

ボディとシャシー

サイドシルにホイールアーチの内側、フロントのストラット部分、ラジエターマウントの下部、サブフレーム、ボディ側のサブフレーム固定ポイント、車内のフロア、Bピラーの付け根、フェンダーの下端、荷室のフロアなどが弱点。丁寧に確認したい。

ヘッドライトは明るくなく、カバーがくすむと余計に暗くなる。表面を磨くことで透明度は戻せるが、定期的に磨き続ける必要がある。

エンジン

ターボでは特に、エンジンオイルの消費が激しいため、量はこまめに確認したい。ターボチャージャーは、シール材の劣化で白煙が出る場合がある。冷却系では、ラジエターの状態と、ガスケットからのクーラント漏れがないか観察する。

タイミングベルトの交換は、16Vでは4万8000km毎か3年毎、それ以外では8万km毎か5年毎が望ましい。補機ベルトの交換履歴や、オイルクーラーパイプのサビなどもチェックポイント。

エグゾースト系も錆びやすく、社外品へアップグレードされている場合が多い。20Vターボでは、エグゾーストマニフォールドが割れることがある。

ブレーキとサスペンション

ブレーキディスクの歪みや、キャリパーの固着、効き具合を確かめる。サスペンションは、試乗で前後からカタカタ・ミシミシといった異音が出ないか確認したい。

トランスミッション

クーペ・フィアットには5速か6速のマニュアルが組まれたが、信頼性は高い。変速時にギアの回転数を調整する、シンクロメッシュの調子を確かめたい。スムーズに変速できればOKだ。3速で異音が出る場合がある。

インテリア

シートのサイドボルスターは、走行距離が長いほど摩耗しがち。エアコンとミラー、アラーム類など、電装系はすべて正常に動作するか確認したい。ダッシュボードのプラスティック・コーティングは、ベタつきやすいものの修理はできる。

キーは3本付いているのが正解。キーフォブ部分がシルバーとブルー、レッドの3色がある。レッドが大切なマスターキーだ。

フィアット・クーペ・フィアットのまとめ

速いだけでなく、優れた操縦性が高評価を集めたクーペ・フィアット。英国での価格は、状態によって大きく異なる。

中古車の販売店は、価格設定に悩んでいるようでもある。整備記録を確認し、できる限り多くを比較し、自身の1台を決めたいところ。放置された例は見送りたい。

良いトコロ

費用対効果の高いクーペ・フィアット。英国にはこのモデルを得意とするガレージが存在し、オーナーズクラブも協力的。実際に乗って楽しまれてきた例が多い。丁寧にメンテナンスを続けることで、走行距離を気にせず長く楽しめる。

良くないトコロ

酸化が進んだボディやシャシーは、修理が難しい。大金をかけて修理しても、価値が追いついてこない。長期間放置された車両は、故障が頻発する可能性も。初期型の燃費は芳しくない。

フィアット・クーペ・フィアット(1993~2001年/英国仕様)のスペック

英国価格:1万9874~2万2374ポンド(1998年時)
生産数:7万2762台
全長:4250mm
全幅:1768mm
全高:1340mm
最高速度:204-249km/h
0-97km/h加速:6.0-9.2秒
燃費:5.3-12.4km/L
CO2排出量:−
車両重量:1244-1345kg
パワートレイン:直列4気筒1747・1995cc/直列5気筒998cc 自然吸気/ターボチャージャー DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:130ps/6300rpm-223ps/5750rpm
最大トルク:16.6kg-m/4300rpm-31.4kg-m/2500rpm
ギアボックス:5速・6速マニュアル(前輪駆動)

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みんなのコメント

8件
  • 新ID=dyrhi77332
    >直列5気筒998cc
    1リットル抜けてますね。
  • uwv********
    現在主流のジアコーサ方式FF車を世界で初めて開発販売したのがフィアットなんだけどね〜。今じゃ小型FF車の性能やコストパフォーマンスを考えると日本車が、世界一じゃないですかね〜。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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