ウルグアイでの連戦となったTCRの新たなリージョン選手権、TCRサウスアメリカ・シリーズの第4戦が10月2~3日にアウトドローモ・ヴィクトール・ボラット・ファビアーニで開催され、電動ツーリングカー選手権『PURE ETCR(ピュアETCR)』参戦中のロドリゴ・バプティスタ(アウディRS3 LMS/コブラ・レーシング)がポールポジション獲得から両ヒートを制する週末“パーフェクト”を達成している。
TCRカテゴリーを統括するWSCグループは、世界各国でシリーズ戦が開催されるこの10月最初のレースウイークを前に、BoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)の最新版をリリースし、先代となる第1世代アウディRS3 LMSに対して最低車両重量を20kg削減し、1255kgに改訂するとアナウンスした(DSG車は据え置き)。
ゲスト参戦のWTCRレギュラー、ウルティアのリンク&コーがポール・トゥ・ウイン/TCR南アメリカ第3戦
その恩恵を最大限に享受したのがバプティスタで、同国を代表するリゾート地でもあるエル・ピナルのトラックで、1分31秒390を記録して幸先良くグリッド最前列を獲得してみせた。
一方、現選手権リーダーのぺぺ・オリオラ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/W2レーシング)は4番手、同じくTCRヨーロッパ参戦経験を持ち、現在はアルゼンチン最大の人気シリーズ、スーパーTC2000(STC2000)にも参戦中のホセ-マニュエル・サパーグ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/スクアドラ・マルティーノ)は5番手に終わるなど、アウディが群を抜く速さを見せた。
そのバプティスタはスタートでも悠々ホールショットを奪うと、その背後からオープニングラップで2台を仕留めて浮上してきたオリオラとのマッチレースが開幕。しかし、0.5秒差で始まったバトルは序盤から大きな動きを見せず、5周目に入る頃には2.5秒差へとギャップが拡大していく。
そのまま17周のチェッカーまでに9.489秒のマージンを稼いだアウディが盤石のポール・トゥ・ウインを決め、2位にオリオラが続いて選手権ポイントを稼ぐ結果に。残る最後の表彰台には、中盤のバトルでグラスエリアを滑走しながらも、なんとか開幕ポールシッターのラファエル・レイス(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/W2レーシング)を仕留めたサパーグが続くリザルトとなった。
■トップを走るシビックのサスペンションが突如崩壊
明けた日曜のレース2はリバースグリッドが採用され、前戦に強力助っ人として招聘されたWTCR世界ツーリングカー・カップ参戦中のサンティアゴ・ウルティアと共闘したパブロ・オテロ(リンク&コーCo 03 TCR/PMOモータースポーツ)がポールからのスタートに。
そのオテロは、このレースから移籍してウルティアのマシンを引き継いだサイロ・フォンテス(リンク&コーCo 03 TCR/PMOモータースポーツ)とともに序盤戦のリードを維持したものの、今度は8番手発進だったオリオラがふたたびのジャンプアップで躍進。2周目にはリバースポールシッターの背後まで上がってくる。
一方、9番手発進のバプティスタは、アウディをセーフティに走らせて5番手まで進めると、3周目にはサパーグのホンダを仕留めて4番手へ。この動きを感じてか、オリオラもすぐさまヘアピンでドアをこじ開け、首位浮上から逃げの体制へと持ち込んでいく。
すると5周目にはサパーグを引き連れてリンク&コー軍団も仕留めたバプティスタが2番手に迫り、いよいよオリオラ追撃に入ろうかというそのとき。先頭を行くシビックの右フロントサスペンションが突如として崩壊し、アゴを擦り付けるようにしてピットへ向かったオリオラは無念のリタイアに。
これでライバルの消えたアウディがクルージングで連勝劇を飾り、オテロ、サパーグの順で21周のチェッカーに。この結果、バプティスタはポイントスタンディングでもオリオラを8点差で逆転して選手権首位に浮上し、3位のレイスには39点差をつけるなど優位な立場に。現状は10月末からアルゼンチンで開催予定のシリーズ終盤戦に臨むこととなった。
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