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シート喪失の噂ささやかれるマグヌッセン、予選の改善がチーム残留の鍵になる?

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シート喪失の噂ささやかれるマグヌッセン、予選の改善がチーム残留の鍵になる?

 ハースのケビン・マグヌッセンは今季これまでのところ、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグと比べて苦戦が続いており、来季のチーム残留が危ぶまれている。

 昨年は予選では速さを見せながら、レースでのタイヤマネジメントに悩まされたハース。今季はそうした問題は鳴りを潜め、ヒュルケンベルグが8戦で4度の入賞を記録している。

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 今季、入賞のハードルが上がっていることを考えると、予選で速さを見せ、決勝でのポイント獲得につなげているヒュルケンベルグの働きは大きい。

 一方で苦しい立場に立たされているのがマグヌッセンだ。ヒュルケンベルグほどの速さを予選で見せられず、決勝は後方からの追い上げを強いられている。

 マグヌッセンはヒュルケンベルグの入賞をサポートするべく、後続のマシンを抑える働きをしているが、これを評価するかどうかは人それぞれだろう。だがもしヒュルケンベルグと同等のパフォーマンスを予選で見せられていたら、そうした役目を求められることも少なかったはずだ。

 ハースが低迷した2019年や2023年と比べても、マグヌッセンは2024年がこれまで経験したことのないほど”フラストレーションのたまる”序盤戦だったと振り返る。

 かつてハースのマシンパフォーマンスが乏しい時には、マグヌッセンが時折”パンチ”を繰り出し、活躍するシーンもあったが、今は競争力のあるマシンを使っても、そのパフォーマンスを引き出すのが難しいという苦境に陥っている。

「これまでで一番イライラする1年のスタートだった。手応えがないんだ。いつも苦しい闘いをしているように思える。僕たちには強力なパッケージがあるから、うまくいけば状況は好転するだろう。だから、それを使わなければならない」


 実際マグヌッセンは、今季ヒュルケンベルグに予選で全く太刀打ちできていないわけではなく、2度マグヌッセンが上回っている。そのうちの1戦であるオーストラリアGPでは、チームにとって2022年オーストリアGP以来のダブルポイント獲得につながった。

 しかしQ1敗退は4回、ヒュルケンベルグが今季すでに4度達成しているQ3進出はまだ1度もない。

 マグヌッセンはこれを運のせいだとは言い訳していない。彼は自分自身の中に進歩を阻む何かがあることを自覚しており、その答えを探し求めている。

「運が悪いと言うのは嫌いなんだ。物事が思い通りにいかなくて、運がないと感じていても、それを言い訳にしてしまうことが多いからね」

「冷静になって、自分たちが強力なパッケージを持っているとポジティブでいることだ。そしてトライしてみるんだ」

 予選でのマグヌッセンとヒュルケンベルグの違いに注目してみよう。中国GPとマイアミGPは共に、ヒュルケンベルグがQ3進出を果たし、マグヌッセンはQ1敗退に終わった。

 両者のQ1でのアタックを比較すると、アプローチにわずかな違いがある。中国では、ヒュルケンベルグはより低速のギヤで6コーナーと11コーナーを攻略してコーナーからの加速を高め、7コーナーから8コーナーにかけてはアプローチとコーナリング中の両方でスロットル開度を変化させていた。これはあるセクションでタイムを失っても、別のところでそれ以上にタイムを稼ぐという走りだ。ヒュルケンベルグには、アタックに関してより大局的なアプローチがあるようだった。

 一方、マグヌッセンには一貫性がない。マイアミGPでのQ1では、ターン6~8でヒュルケンベルグよりも速かったものの、シフトアップをする間にそのアドバンテージを失った。

 低速のアンダーパス区間ではヒュルケンベルグがタイムを稼いだが、マグヌッセンはギヤを落としてターン16からの立ち上がり重視の走りを見せた。しかしマグヌッセンは最終コーナーでブレーキングポイントをミスし、0.3秒近いタイムロスをしてしまった。

 もしマグヌッセンがすべてをまとめ上げることができれば、間違いなくヒュルケンベルグのペースに匹敵する速さを見せられるだろう。実際ヒュルケンベルグよりも高いスピードでコーナーに突入できているが、その大胆な走りが仇となり、ペース不足というよりは単発的なミスでタイムをロスしていることが多いのだ。

 おそらく、ドライバーとマシンが一体となっていなかったり、限界を超えてしまっていたりする可能性があるだろう。

 実力主義のF1では、マグヌッセンが解決策を見つけなければならないというプレッシャーを感じれば感じるほど、彼にさらなるプレッシャーがかかることを意味する。

 ドライバー市場の動きも加速しており、ハースが2025年に向けてアルピーヌ離脱が決まったエステバン・オコンの起用を検討していることは知られている。もうひとつのシートにはオリバー・ベアマンが候補に挙がっているようだ。

 オコンの脅威を払拭し、ハースに自分がその役割にふさわしいドライバーであることを示すためには、マグヌッセンが躍進する必要がある。そのためには目の前のレースに集中し、結果を出していくしかない。

 問題なのは、彼が次戦のカナダGPで入賞したのは、マクラーレン時代の2014年に9位となった1度だけだということだ。

 チームとしては、マグヌッセン起用には少なくとも継続性というメリットがある。ヒュルケンベルグと同じようにQ3進出を果たし、コンスタントにトップ10入りを果たすようになれば、歯車がうまく回り始めるだろう。

 ペナルティポイントが10点に達し、出場停止にリーチがかかっているマグヌッセンにとって、それは簡単なことではない。しかしそれが、2025年にF1でレースをするか、別の場所でレースキャリアを続けることを選ぶかの分かれ目になるだろう。

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みんなのコメント

1件
  • hik********
    仕事って捉えると ずっと乗らなきゃ飯を食えないもんなぁ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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