欧州と日本の開発チームが共働して作り込まれたヤマハ「MT-07 ABS」は、その攻めたスタイル、「MT」シリーズが掲げるコンセプト「マスター・オブ・トルク」が示す人車一体の乗り味、兄弟モデルにあたる「MT-09」の刺激成分よりも、全域で開けやすいエンジン特性が特徴です。乗り手を魅了するエンジンと車体のコンビで満たされ「もう他に乗れないかも!」級の悦びを与えてくれる……乗ったあとの印象では、素直にそう思える1台なのです。
その理由を羅列すると……182kgの車重により跨がってサイドスタンドをはらうために起こした時に感じる「ムム、軽い!!」というとっつきやすさ。初めてのビッグバイクとしても、経験豊富なライダーにオススメしても、きっと喜ばれるであろうキャラクター。市街地、ツーリングはもとより、レザースーツを着込んでサーキットを走らせても手の内にある感触のまま想像以上に走る……つまり、どこでも嬉しさを堪能可能なのです。
一緒にいたくなる嫁バイク! ヤマハの「MT-07」に乗ってみました!
それでいて燃費スペックもハナマルです。60km/h、2人乗り相当で計測する定地燃費値で40.0km/l、WMTCモード値(クラス3、サブクラス3-2、1名乗車時)における燃費値が24.6km/lとあり、レギュラーガソリン指定というのも嬉しいポイント。容量13リットルと大きくない燃料タンクですが、過去に計測した「XSR700」、「テネレ700」といった、同じエンジンを搭載するモデルの実走燃費が良好だっただけに、航続距離は満タン300km程度はイケる!? となるのかも気になるところ。ということで、燃費研究班は「MT-07」のキーを握り、さっそく実走調査に出たのです。
the「燃費」では市街地、高速道路、快走路(ツーリング路)のシーン別実走燃費計測をしています。過去記事にある他機種とも比較できるようルートは統一。走行ペースは交通の流れに合わせ、燃費記録を狙った走行はせず、1日ツーリングをするようなイメージで走っています。the「燃費」のリポート中に紹介する距離、燃費値は、取材した機種のトリップメーター、平均燃費計の数値を記載しています。
the「燃費」の市街地ルートは、都内外苑周辺をスタート。青山一丁目交差点から国道246号で赤坂、皇居方面へ。皇居を反時計回りに移動し、桜田門から有楽町方向へと進み、途中、丸の内のオフィス街を軽く回ります。その後、有楽町、銀座、築地、晴海、豊洲と直進し、首都高速湾岸線沿いを通る国道357号の東雲付近までの12.3kmで計測しています。
丸の内周辺以外はほぼ片側3車線以上の大通り。赤信号で停止するとアイドリング時間が長いのも特徴です。
今回、前半の交通量が多く、銀座以降はスムーズに流れた印象です。「MT-07」はこの市街地区間で21.4km/lをマーク。2021年春に計測した「XSR700」が20.4km/l、「テネレ700」は16.7km/lと、交通状況によって違いはあるものの、「XSR700」と近しい数値だったことから、市街地でも20km/lになるとこもthe「燃費」ルートでは珍しくない、と言えるようで、700ccのバイクなら悪くない結果だと思います。何より、市街地で400ccクラスのバイク!? と思えるような身軽さが印象的でした。
高速道路の燃費データは、次の2区間で行っています。区間1は、都内から房総半島へとアクセスするアクアランを越えた先、アクアライン連絡道「袖ケ浦IC」から館山道にアクセスして南下、終点「富浦IC」まで53.8kmの南下ルート。区間2は館山道「富津中央IC」から北上し、アクアライン連絡道「木更津金田IC」までの25.4kmという北上ルートです。
通過する館山道はアップダウンが連続し、平坦部分が少ないことが特徴で、南下ルートでは片側2車線から1車線となり、制限速度が100km/hから80km/h、70km/hへと低下します。
この日、南下ルートでは強烈な向かい風、100km/h巡航するため体勢を維持するのに腹筋が疲れるほど。まるで150km/hぐらい走っているかのようでした。風圧抵抗が強く速度キープも大変な状況でした。
一方、北上ルートでは追い風となり、100km/h巡航でも風圧を感じ無いほど。ヘルメットの風切り音も静寂。アクセルをさほど開けなくても風に押されて走ります。そのため燃費も南下ルートが23.3km/lに対し、追い風の北上ルートでは28.1km/lとその影響がモロに出ました。合計79.2kmの高速道路燃費の平均は25.7km/lとなりました。
ちなみに「XSR700」と「テネレ700」で同区間を走った過去の成績は次の通りです。
「XSR700」南下ルート:28.3km/l北上ルート:25.5km/l平均:26.9km/l
「テネレ700」南下ルート:30.2km/l北上ルート:28.5km/l平均:29.3km/l
カウリングがあり、空気抵抗が少ない分でしょうか、「テネレ700」の燃費が2台のネイキッドを明確に上回っています。
快走路(ツーリング路)の燃費計測は次の3ルートで行っています。区間1は「富浦IC」直近のコンビニエンスストアを出発、房総半島の南端エリアを目指します。途中、「安房グリーンライン」を通る22kmを走行。区間2は、房総半島南端エリアから鴨川市にある「大山千枚田」まで、海岸線、国道410号、県道34号を経由して走る38.9kmの距離。区間3は「大山千枚田」から県道34号、県道182号「もみじロード」等を通り、館山道「富津中央IC」までを走る25.9kmの距離、合計86.8kmです。
どの区間にも平坦路、アップダウンとワインディングが含まれるルートで景色も変化し房総の定番ツーリングルートのひとつです。ここでの「MT-07」は、軽い車体とトルクフルなエンジンの恩恵で、6速巡航がラクラクです。アップダウンも苦になりません。ワインディングでも減速、旋回、加速のリズムが掴みやすく、走りを堪能しました。パルス感があるエンジンもそうですが、全体にチューニングが取れたバイクです。
燃費の結果は、区間1が30.7km/l、区間2が33.3km/l、区間3は32.0km/lとなり、3区間平均は32.0km/lをマークしました。6速60km/hでワンディングをメリハリをつけて走れるエンジン特性があってこの燃費、納得です。
同じ排気量のエンジンを搭載する「XSR700」と「テネレ700」の燃費は次の通りです。
「XSR700」区間1:30.0km/l 区間2:30.3km/l 区間3:30.1km/l
「テネレ700」区間1:31.8km/l 区間2:31.3km/l 区間3:31.1km/l
同系エンジンを搭載するモデル達は、快走路では揃って30km/l台の燃費をマークしています。優秀ですね。
ヤマハの「クロスプレーンコンセプト」、略して「CP」は、ヤマハが掲げるライダーが扱いやすいトルクを生み出す理想的な特性を持たせたエンジンにつけた称号です。その2気筒版「CP2」が「MT-07」にも搭載され、「XSR700」、「テネレ700」にも共通したパワーユニットです。
700ccという排気量クラスを考えたら、性能、楽しさ、燃費の良さが高次元でバランスしたユニットだと思います。それを搭載したバイクは当然ながら、走りが楽しい。燃費取材班としてはバイク評価では5スターを保証、太鼓判を捺しました!
■ヤマハ「MT-07」(2021年型)燃費結果総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)総走行距離:175km市街地:21.4km/l高速道路平均:25.7km/l快走路平均:32.0km/l総平均燃費:28.1km/l
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みんなのコメント
軽い·安い…気分がいい!
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