『GQ JAPAN』の編集者・イナガキ(29歳)が、ひょんなことから中古のフェラーリを購入した! 勢いで買ってしまったフェラーリのある生活とは? 今回は、車検整備に関するお話の最終章。
追加費用はナシ!
ほどよく贅沢、ほどよくスポーティなBMW──新型M440i xDriveカブリオレ試乗記
7月31日(土)、ようやく車検整備が完了したわが360モデナを引き取りにフェラーリ横浜サービス・センターに向かった。
【前話】Vol.115 危機一髪! ガソリン漏れの結末
愛車はいつでも出庫出来るよう、センターの1番手前の駐車スペースに置かれていた。引き取りの旨をフロントに伝えると、すぐにキーを持ってきてくれた。
追加の出費はあるのだろうか? 恐る恐る訊くと「いえ、とくにはありません」とのこと。不具合箇所はもうないそうだ。
この日は、土曜日ということもあって朝から何台ものクルマが出庫準備中だった。ただ、いずれのクルマも積載車でオウナーの元に帰るらしい。センターまで自らクルマを引き取りに来るオウナーはそう多くないという。ちなみにニコル・コンペティツィオーネで購入すると、積載車での運搬はサービスになるそうだ。さすがはフェラーリ! サービスの質が違う。
Vol.102 トラブルかも!?
Vol.101 女優・夏樹陽子さんとの再会(後編)
さっそくキーを受け取り、ピカピカになった愛車に乗り込む。エンジンは1発で始動した。外気温が30℃を超えていたので、車内は結構な暑さだ。エアコンを“AUTO“に設定すると、勢いよく冷たい風が出てきた。車内は一気に涼しくなった。
久しぶりにちょっとドライブがしたくなった。最近は、自宅とフェラーリ横浜サービス・センターの往復のみで遠出はというと、去年12月、箱根にツーリングへ出かけたのが最後だ。
Vol.67 ドライブレコーダーの装着
Vol.66 自動車保険の現実(後編)
「箱根に行こうかなぁ」と、思ったものの、最寄りである東名高速道路の横浜青葉インターチェンジからは、上下線ともに大渋滞。いくらきっちり整備したとはいえ、渋滞に突っ込むのは勇気がいるので諦めざるを得ない。
オーバーヒートこそしないと思うが、クルマへの負担は大きい。とくにF1マチックでの“ノロノロ走行”は、クラッチの磨耗を著しくはやめる。クラッチの交換はかなりの金額になるので、渋滞は避けたい。
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Vol.43 ドアがロックされない!後編
360モデナでも十分パワフル
というわけで、空いている第三京浜に乗って横浜方面に向かった。
久しぶりにじっくり乗ったわが360モデナは終始快調! 気になっていたパワーステアリングの動きも、乗れば乗るほど気にならなくなった。
前方が空いたのでシフトダウンし、アクセルをグイッと踏み込む。最新のV8ミドシップ・フェラーリである「F8トリブート」が搭載する3902ccV型8気筒DOHCツインターボが最高出力720ps/7000rpm、最大トルク770Nm/3000rpmを発揮するのに対し、わが360モデナの3586ccV型8気筒DOHCエンジンはターボが装着されないぶん、最高出力は400ps/7500rpm、最大トルクは373Nm/4750rpmと、出力もトルクもだいぶ劣る。
が、日本の道での“加速感”はそれほど差がないような気がする。0~100km/hの加速タイムはF8トリブートが2.9秒であるのに対し4.5秒だから、1.6秒も違うのだけれど、シートバックにグッと押しつけられる感覚に関してはそれほどの違いを感じない。
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サーキットに持ち込めば違いはあるだろうけれど、第三京浜ではパワーの劣る360モデナでも十分に、スーパーカーの魅力を体感出来る。むしろ現代のF8トリブートでは味わえない、F1マチックの独特の変速ショックや油圧式パワーステアリングのフィーリングは何ものにも代えがたい。
横浜をグルっとまわり、自宅に帰る頃にはガソリンの目盛りが残り2個になっていた。しばらくは乗らない予定なので、給油のためガソリン・スタンドに入った。
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「給油量は40~50リッターぐらいかなぁ」と、思いつつ、ハイオクを給油する。しかし、オートストップ機能がなかなか働かず、60リッターを超えても止まらないので、「大丈夫か?」と、不安になる。
“ガチャ”という音とともに給油が止まった。画面には“69.93リッター”と表示されている。リッターあたり162円だから1万1329円に達した。3~5km/L前後の燃費なので、ガソリンが値上がりすると、心臓に悪い。
そういえば、360モデナのガソリン・タンク容量を知らなかったのはうかつだった。あらためてチェックすると、なんと95リッターである。高級車は90リッターから100リッターのタンク容量があるのが普通だ、という話を先輩から聞いた記憶が蘇ってきた。
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Vol.85 新型ポルトフィーノMも良いではないか!
ちなみに、F8トリブートの容量は78リッターである。マイナス17リッターになった理由は、おそらく燃費が向上したことであろう。リッターあたり7~8kmは走るというから、やはり、テクノロジーの進化は著しいのだ。
とはいえ、燃費が悪いのも21年落ちならではのこと。そこにはそれなりの魅力がある、と思えるようになってきたから、まだまだ360モデナは手放せない。
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